淡い絵柄と楽曲からなるメランコリックな雰囲気は良かった。短めの分量なので、少し空き時間があればすぐに終わると思う。変に構えず、気軽に触れてみて欲しい作品。
プレイ時間1時間程度。
破滅願望というほどでもない、どこか厭世観を抱えた少年を主人公に、何でもないような日常を舞台とした青春成長物語。
中二病という程でもないのですけど、どこかむずがゆくなるような青臭さは読んでいて何とも言えない気分になりました。でもそんなむずがゆさ、赤裸々な表現はどこか暖かくも感じさせてくれたのですよね。
ずば抜けた長所は無いですが、淡い絵柄と楽曲からなるメランコリックな雰囲気は良かったですね。
短めの分量でしたので、少し空き時間があればすぐに終わると思います。変に構えず、気軽に触れてみて欲しい作品。
さて、当初幽霊のような描写だったヒマリの存在は、一見してファンタジックな要素を感じさせますが、本質はイマジナリーフレンドという現実に即したものでした。姉弟子の娘もイマジナリーフレンドを持っている描写がありましたからこれはわかりやすかったですね。
主人公は空想上のヒマリに対して、無意味に思えるルールを遵守することに疑問を投げかけ、わからないが理由、意味はあるということをヒマリの口から告げさせていました。
結論、それは主人公の心にあるものであり、辛い現実から逃避しつつもどこかで前を向きたいという意思の現れなのだと思います。
降ってわいた不条理を正論で受け止められるほど彼は強くないので、イマジナリーヒマリにそれを委託していた。そして周囲の協力もあり、セルフトレーニングにより克服したという形でしょうか。
ヒマリが溶けて消えたということは、彼が彼女の死を受け止めていることの証左です。向日葵は成長したら太陽のほうばかりを向くわけではなく、成長した彼もヒマリばかりを見るわけではなく。
エンディングで白井さんとの関係を窺わせる描写がいくつかあったことは、そういうことなのかなと思いたいですね。