これは……w
本作の内容を簡単に言うと、女主人公とおとぼけ外人のドタバタエロ日常劇。一応、女主
人公には遠距離恋愛の彼氏がいて浮気の体にはなっているけど、ギャグマンガ的な顔芸や
SD演出を多用することで行為の背徳性や後ろめたさを打ち消していて、ノリも一貫してハ
イテンション。なので、いつもの作風とは完全に真逆を志向している感じ――その遠距離
彼氏の目線で見れば、少しは寝取られ感を覚えられるかなと思ったけど、出番が少ない上
になんかスカした感じの尊い系男子(?)で、ものっそく投影しづらかった。そんなわけ
で、普通に女主人公モノとしてプレイしていたんだけれども、こんなレディコミに載って
いそうなお気楽エロコメを見せられても……困るぅ、、。まあでも、出来が悪いゲームでは
決してないし、エロゲではほとんど見かけない珍しいタイプの話でもあるので、相当少な
いだろうけどハマる人はめっちゃハマるかもしんない。
おんぼろちゃんが、楽しんで書いているのは伝わってきたんよ。寝取らればかりじゃなく、
もっと色々な話をやりたいんだろうなってプレイしていて思った。ただ、アトリエさくらの
作品をデビュー作から追っかけ続けている自分のような人間は、さくらに“寝取られエロ”
以外のものを求めていないワケで……むーん、、。
制作者が作りたいものとファンが求めるものの違い。ちょうどタイムリーな話でminoriの
社長もブランド終了の告知文の中でこんなこと言ってる。
――「自分たちが作りたい(または作ることができる)もの」と「みなさんが欲しいもの」
の乖離を感じており、(中略)作品制作というものは、己の欲求を満たしていくものであ
ると同時に、こと商業においては、お客様のニーズに応えていくものでもあります。(中
略)日に日に「求められる」ことが大きくなっていき(これは当たり前のことなのですが)、
多様性を維持することがここ数年特に難しくなりました。
アトリエさくらの場合は、“寝取られ”っていうお題目を掲げているブランドだから、その
ものズバリではないかもしれない。けれど、おんぼろタイトルに限って言えば、色々と新
しいことにチャレンジしようという意欲を感じるし、それこそがジャンルの制約の中でも
多様性(的なもの)を維持して長く続けていくために必要不可欠なものなのかなーと、
思ったり思わなかったり……w だから、今回のようにどこに投げたんだか分からない
「ええぇ……」っていうようなボールでも、長い目で見れば将来の作品の糧になっている
と理解するべきなのかなと。そんなわけで、本作での気分転換が次の『真由美2』をより
良くすると信じて。超期待してる。よろしく頼むで!!