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Fatmanさんの今夜、お義父様に抱かれます…の長文感想

ユーザー
Fatman
ゲーム
今夜、お義父様に抱かれます…
ブランド
Nomad
得点
50
参照数
4500

一言コメント

現代に蘇った『TRUE BLUE』

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

なんちゅーか、7、8年くらい前の寝取られゲーをプレイしてる
ような感覚になりました。作りが全体的に古いだよ、、。

物語に関しては一応、2007年に同ブランドから発売された
『淫烙の巫女』の続編となっていますが、前作をプレイしてなく
てもとくに問題ないと思います。自分も前作は未プレイでしたが、
置いてけぼりになることなく話に入っていけました。ほいで、今回
の物語の流れは、巫女さんで主人公ラブの新妻ヒロインが、絶倫
政治家の父親(主人公の実父)に、その体を狙われていく家庭内
寝取られになっています――主人公の不祥事をねつ造した写真を
利用して、世間に公表されたくなかったら~的な感じで脅して
いく超テンプレ寝取られ。ヒロインは頭ツルツルなので、まんま
と騙されて父に体を捧げちゃう。近年は、アトリエさくらの
おんぼろゲーや、Animやオークソフトの作品など、“分かってる”
人たちが作った、属性持ちツボを押さえた質の高い寝取られ作品が
増えてきていて、それが当たり前にすらなってるので(さらに
そこからのプラスアルファの勝負になってきてる)、本作のような
アホ丸出しのしょーもない脅迫寝取られは厳しいですなー……。
それらのメーカーのゲームが登場する前だったら、本作も普通に
通用してたと思うけれど、今だと「古いなあ……」としか。それと
本作は構成に関しても、ちょっとズレてる。ヒロインがじわじわと
少しずつ堕とされていくってのを表現したかったのは分かるんです
が、何の意味もない日常シーン――夫や父と普段の会話をしてる
だけの――を入れすぎです。実際本作は抜きゲにしてはかなり長尺
の作品でボリューム感はあるのですが、その大部分がエロとは一切
関係がないどうでもいい日常シーンで構成されています。ホント
ね、飽きる。その日常シーンに寝取られをにおわすような描写を
盛り込んでドキドキ感を煽っていくスタイルならいいんだけど、
普通に意味なし日常会話を繰り返してるだけだから意味がない。
読み進めるのが苦痛でした。その辺りの失敗の仕方も、いろいろと
試行錯誤してたひと昔前の寝取られゲーのよう。

んで、絵についてはヒロインが肉感的でなかなかいかったです。
ただ、CGにちとムラがあるのがマイナス。寝取られ感を煽る
CG演出や構図といったものもなく、エロの見せ方は一般的な
抜きゲと同様。シーン数は豊富ですが、別段寝取られ的な
コンセプトがある訳でもなく、フェラ、パイズリ、挿入、変則
体位と段階的にプレイ内容が進行していくだけ。家庭内寝取られ
の設定を活かしたエロシーンはまったくと言っていいほどあり
ません――クローゼットの中に隠れて覗き見したり、盗聴器や
隠しカメラを仕掛けたり、いくらでも美味しいシチュを作れる
のに。そういうもったいない絵やエロシーンの見せ方も、凌辱系
のエロと寝取られ的なエロの区別がついてなかった昔っぽいw
あ、あとギャグマンガに出てきそうな父のキャラデザな。これ、
もうちょいどうにかならなかったのか……。場に相応しくない
ギャグキャラのせいでインモラル感が薄れちゃってしょうが
ない。『TRUE BLUE』思い出したよ。