2012年、その界隈で最大の話題作は残念ながら……
ルートごとの出来不出来がものすごく激しいです。
一応全体で70点という点数をつけましたが、
詳しいところは後述する各ルートの感想を参照していただければと。
まず、序盤と共通について。
ヒロイン・工藤さやかとの馴れ初めが描かれるプロローグは、悪くなかった。
すごく面白いってわけじゃないですが、後々の展開を心理的に盛り上げる気持ちの伏線としては、
十分な出来だったと思います。スカイハウスの描くキャラ絵に関しても、
ジェントルと比べちゃうと物足りなさはあるけれど、思っていたよりは全然イケてたしね。
本編の共通部に関しては、選択肢次第でさやかへのプロポーズ方法が変わっていくという流れ。
主人公と彼女のセックスシーンでは、向こうからフェラッチョしてくれたり、
求めてくれたりするのがよかった。普段はしっかりもので知的な女性なのに、
夜になると淫らに豹変し――とか最高です。ものすごく好みのタイプ。
というか、ここまでの段階ではかなり期待値を上回ってた。
正直、発売前の不安なんて吹っ飛んでて、
「やべぇ、この後の寝取られ展開楽しみすぎるぜ! ドキドキ、ドキドキ」ってな心理状態。
しかし――個別の寝取られルートに入ってからが、ちょっと厳しい。
一部秀逸なルートもあるんだけれど、全体的に見ると、
ルネTBの寝取られ作品群の中でもいちばん低調な出来だったと思う。
以下、それぞれのルートごとの寸評。
・ヤリチン先輩ルート
大学の先輩でブライダルコーディネーターの隆次に寝取られます。
本作のメインとなるルート(ボリューム的に)で、
ブルーゲージの値次第で2つのストーリーに分岐していく。
策を弄して、さやかの心に入り込んでいく隆次の手法は素晴らしい。
話としては全ルートでいちばんよく出来ていたと思います。
とくに和姦で彼女が寝取られ、その後浮気を続ける展開はマジで興奮しまくった。
この部分だけだったら85~90点をつけてもいいくらい。
ただ、さやかが主人公の姉・美里とまとめて奪われる話のほうが、すげー微妙。
「私は隆次さん専用のオマンコ奴隷です! もっとオチンポください~」、
「おほほーっ! 隆次さんのメス奴隷になれてさやか幸せなの~」みたいな。
ファンタジーすぎるよう……。こういうのはBLACK LiLiTHに任せておけばいいのに。
対魔忍シリーズみたいに、もともと架空の世界が舞台のお話なら全然気にならない。
けれど、私のなかで寝取られモノは、基本的に現実にありそうなシチュエーションであればあるほど、
気持ちが入るし、興奮も出来ます。「ありえねー」ってなった時点でチンチンしおしお。50点
あと、ブルーゲージがあるのはこのルートだけ。他のルートでも使って欲しかったな。
・ショタ生徒ルート
教え子の前田清人にかっさらわれる。若い獣欲と一途な熱い想いにほだされて――的な寝取られ展開です。
カワイイ系のイケメンに迫られ母性本能キュンキュンのさやかが、
自分の意志で彼と肉体関係を持ち始める序盤の展開はGOOD。
ビッチ好きとしては、そんなお股ユルユルのさやかにスゲー萌える。
主人公とのエッチの最中、清人の名前を言いそうになる場面もよかったし。
ただ、彼女がHに積極的なスケベ女なのはいいんですが、それと頭がツルツルなのは別問題。
話が進むと、さやかと清人は学校内でも行為を重ねるようになっていきます。
その時の彼女の精神状態は、
「こんな場所でエッチなことしちゃダメなのにぃ……でも、背徳的で興奮しちゃう」です。
えー……なんか最初とキャラ変わりすぎなんだけど……。
共通までで描かれるさやかは、常識的で理知的で、結婚話が持ち上がったときも、
周りの人たちに対する配慮や結婚式までの計画を事細かに立てようとする、かなり出来た女性でした。
そんな女性が、誰に見られるかもわからない学校で生徒とそういう行為に及ぶってのがありえない。
平気で中出しとかもさせたりしてるし。もし妊娠でもしたらどうするつもりなのでしょうか。
相手は“生徒”なんだよ? 後先のことを一切考えていないただのバカ女になっちゃってる。
清人に強く求められたとしても、
「ダメよ……私たちは教師と生徒なの。私たちの関係を誰かに知られでもしたら、
もう清人君とはいっしょにいられなくなるわ……」とか、
「明日、部活が終わったら〇〇のコンビニで待ってて。車で迎えにいくから。
そのあとホテルにいきましょ」とか、
「に、妊娠だけはダメよ……ちゃんとコンドームつけて……
清人君が、はぁはぁ……あぁん……卒業したら、好きなだけ中出しさせてあげるからぁ……!」とか、
さやかみたいな女だったら、普通そーなるはず。いや、是非そうなって欲しい。
清人とセックスをするために、主人公や周囲にふたりの関係がバレないよう工作しまくって、
コソコソ密会を重ねる姿を描いたほうが、ただ学校でハメまくるってよりよっぽど背徳的だ。60点。
あと、このルートでは選択肢次第で朱莉が出張ってくるレズ寝取られ展開に発展。
私は同性愛がちょっと苦手なので、この話はそもそも嗜好に合いませんでした。40点。
・同僚教師ルート
同じ学園で働く古典教師の藤川和章に寝取られます。
嫁姑問題で悩んでいたさやかは、その悩みを和章に相談。
お人好しのオッサンの和章は、親身になって彼女にアドバイスをしていくんだけれど、
ふたりは酒の勢いで一夜を共にしてしまいます。いいねーいいねー素晴らしい。
彼氏と上手くいっていないときに酔っ払って、その時たまたま優しくしてくれた男に靡く女最高。
その後は、主人公より熟達した和章のセックステクに彼女はメロメロ。
主人公への不満を、和章に抱かれることで解消していくって流れもいいね。
とくに、結婚したあとも和章との関係を裏で重ね続けるENDが抜けまくった。
電車内で手コキするシーンがエロい。75点
・義父ルート
義理の父親の黒田憲弘に寝取られるルートです。
いきなりレイプ。その後は、「俺にレイプされたことを主人公にバラされたくなかったら、
言うことを聞きな!」っていう強姦系ではありがちな展開。
初めのうちは嫌がっているものの、憲弘の変態チックな調教にさやかは快楽堕ちします。
このルートでも彼女は完全にアホの子。つか、最後主人公にレイプされたことを告白するなら、
最初から言えよと。エロゲ的なご都合主義全開で、少し雑な作りに感じました。40点。
個別ルートについては大体そんな感じ。やっぱムラがありますな。
あと、全体的にもいくつか微妙な点があって、
まず、さやかがオチンポだのオマンコだのクンニだの淫語を絶叫しすぎ。
完全に相手に堕ちたあと、スケベな本性を剥き出しに――ってのならいいんですが、
初めて抱かれるときからそーなんだもの。恥じらいとか全然ない。普通の男だったら引くぜ……。
それに、頭がよくてエロい女ほど、相手を見て(男の好みに合わせて)セックスするもんだ。
もうひとつの微妙な点が、さやかの言葉遣い。ら抜き言葉使いすぎ。
普段だったらそんなのいちいち気にしないけれど、彼女は国語教師って設定です。
私は文学部の出で、同級生の半分が教職を取っていたんですが、
教師になるような人種ってのは、日本語の乱れとか誤用にこれ以上ないくらいうるさい。
ら抜き言葉を使う国語教師なんて、まずいないよ。
子供に「TV観ながらご飯食べるのは、お行儀が悪いわよ!」って叱ってた親が、
自分でそれをやってるようなもんだ。
細かいことなのはわかってるんだけどね、数学教師とかに設定すればよかったのに
――もっと突っ込めば、他にも“おもむろ”とか“煮詰まる”とかの誤用が散見されました。
そして、最後の一点。これがいちばんの問題。ヒロインたちのアヘ顔がヤバイ。
確かに、カガミやbbsaconが描くような芸術レベルまで昇華されたアヘってのは、本当にエロい。
ものすごく抜けます。ただ本作では、スカイハウスの絵柄にアヘが合わなかったのか、
それとも描き慣れていないだけなのかはわかりませんが、
ヒロインたちの顔面がマイナス方向にぶっ壊れちゃってる。
よく画像掲示板に貼られてる、アニキャラを改変したネタ画像みたい
――無理矢理アヘ顔ダブルピースとかに弄ったヒドイ出来のヤツね。
正直、アヘ顔がなかったら抜けるシーンが数段増えてた。
スカイハウスは、普通に感じてる女の表情のほうが圧倒的にイケてるよ。
ヒロインたちが白目を剥くたびに、「やめてーやめてー」って心のなかで叫んでました。
最初にも少し書いたけれど、私的には『かのみま』や『それ妻』のほうが断然楽しめた。
外見変化とか、キャバ、風俗堕ち――とかがなかったのも、物足りなさに拍車をかけてる。
いきなりホームレスやチンピラに輪姦、変質者に強姦などのHシーンを入れるくらいだったら、
アナザー的な感じでもいいので、さやかがケバい化粧や格好をしてたり、
ヘルス嬢になったりする姿を見たかったな。
あーあと、そうだ。大事なことを書き忘れてた。
イケメン先輩ルートでの復讐シーンは、さやかの人格をぶっ壊すような手法でゾクゾクきた。
だけど、基本的に復讐展開はいらない――『愛する妻、美咲の不倫証拠』の感想でも同じことを書きましたが。
主人公が制裁を行うエンドいくつあったけな……確か、4~5つくらいあった気がする。多すぎですね。
プレイヤーは浮気をする女の姿を見てハァハァしてるのに、主人公がまったく逆の行動取っちゃダメだよ。
そこが『ガテン』とは大違い。全然リンクしてないし、させようとする気さえない。
名前変更システムを導入してる時点で、
制作側もプレイヤーが主人公に自分を投影することを想定してると思うんだ。
なかには堕ちる女の姿に感情移入する人もいれば、寝取り男のほうに入り込む人もいると思うけれど、
私は完全に主人公に自分を重ねるタイプです。
自分のメスを他の男に奪われる被虐的なシチュエーションにゾクゾクしちゃうドMです。
なので、やっぱり主人公には寝取られ性癖を持たせて欲しかった。
話を構成した人と私の寝取られ観の間には、チャレンジャー海淵並に深い溝があるようです。
点数については、純粋に平均を取ると約58点になりますが、
ルートごとに尺の長さやHシーンの数が違うので、少し高めになっています
――微妙に感じたルートより、楽しめたルートのほうに力が入っていたので。
もともとユル系の女が好きじゃない人は、ほとんど楽しめないかもしれないのでご注意を。
寝取られ興奮度:3
(※自分がどれくらいドキバクしたかを5段階で評価)
2/25日追記:
ルネTBの過去の実績からいうと物足りないってことで、作品単独で見れば十分良作です。
ここまでの寝取られゲーを他のメーカーはなかなか作れないと思うし。
次の作品に期待です。