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Fatmanさんの他の男の精液で孕むとき ~襖の向こうで弟に精液を注ぎ込まれている妻~の長文感想

ユーザー
Fatman
ゲーム
他の男の精液で孕むとき ~襖の向こうで弟に精液を注ぎ込まれている妻~
ブランド
アトリエさくら Team.NTR
得点
80
参照数
6254

一言コメント

「ごめんね♥ ごめんね♥」と言いながら、実弟の精液をせがむ不貞妻ーッッ!!

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

えー、最初に言っておきますと、
本作のゲンガーにそこそこの人妻絵師を起用していたら、確実に90点オーバー(100点だったかも)でした。
前作『玲奈の浮気告白』の感想でも、同じようなことを書いた気がしますが、
それと甲乙つけがたい出来なので仕方ないです
(構図や差分CGでのヒロインの仕草は前回以上に素晴らしい! けど、いかんせん綾風絵はロリすぎる)。
いやはや、これほどハイレベルなヅマNTR作品を連続リリースするとは……さくらやるな。

本作のプレイしていて思ったんだけど、おんぼろ氏のエロ描写力の向上っぷりがすごい。
テキストはもちろん演出も含め、寝取られ好きの心理をめっちゃ巧みについてくる。
今回、キスに力を入れてるのもポイント高いです。
『他男3』をプレイしたときに、「あ、この人化けるかも……」と思ったんですが、やはり間違っていなかった。
よくNTRシナリオを書くライターと比較しても、西崎氏とか築城氏とかは一種のワールドをお持ちの方々なので、
比べづらいですが、巽ヒロヲ氏やNATORI烏賊氏に並ぶくらい今ではおんぼろ氏のエロに安心感を持っています。

良かった点を挙げる前に、気になっていた部分について少し。
某スレなどで、「いくら無精子症だからといって弟に抱かせるのはねーだろ」とか、
「トンデモ設定は抜けね-よ」的な書き込みがチラホラ見受けられました。
私もこの意見には半分くらい賛成で、あまりに設定や展開がぶっ飛びすぎていると、気持ちが萎えちゃうことがあります
――SF御三家のひとり・筒井康隆大先生も、
「読者を作品世界へ引き込むために、一番必要なのはリアリティである」と言ってますしね。
リアリティ=説得力というのは、作品に感情移入するためのいちばんの導入剤だと思います。
しかし、エロゲの場合、そのエロシーンを描くためにどうしても整合性を犠牲にしなければならないのなら、
整合性を優先させるのではなくエロシーンのほうを取るべきだと思います。
話の辻褄が合う代わりにエロが薄いのと、ちょっと強引だけどエロが濃いのとでは、後者のほうが断然よいのです。
本作はまさにそのパターンで、発売前に危惧されていた部分に関する説得力のある答えは用意されていません。
ライター氏による思考誘導があるのみです
(強引な部分や矛盾する部分を、なるべくプレイヤーに意識させないようにお話を展開させている)。
なので、「普通だったら体外受精を選ぶんじゃね?」とか、「弟にやらせるくらいなら養子取ったほうがマシだろ」とか、
突っ込もうと思えばいくらでも突っ込めます(“おまけ”内で設定についての解説有。いろいろと事情があったようです)。

ただ、です。
もしそういったところに固執していたら、このNTRは成立しなかった。
本作はめちゃくちゃエロい状況に悶えるシチュエーションゲーなのです。
夜毎に隣室でくり広げられる、妻と弟の種付けセックス。
その行為の“音”だけしか聞けないという、極上のゾクゾク感。
妻は主人公に気を遣い必死に声を押し殺すけれど、隔てるものは襖一枚なので、どうしても漏れ聞こえてしまう
(素晴らしい演出! 場合によってはBGMを切るとさらに臨場感がアップします。
静まりかえった真っ暗な和室で、ひとり佇む主人公。
そこへ聞こえてくる妻の「あっ……んっ……や……」という声。うはっ、エレクチオン!)。
さらには、ピチャピチャと響く淫らな音に、主人公に聞こえないように小声で何かを話すふたり。
今、妻はどんな格好をしているのか? 弟に何をされているのか? 何故、ふたりは内緒話をするのか?
これほど想像力を刺激されるNTR作品には、滅多にお目にかかれません。
もう隣で何やってんだか気になって気になって仕方がないよ! 
初めての種付けセックス時、主人公は中を覗いてしまうんだけれど、ふたりの交わる姿にショックを受けてそれ以降は二度と覗かない。
一度現場を目の当たりにしていることがいい伏線になっていて、余計に心を掻き乱されます。
『妻陥落』で清美さんの浮気録音テープを聞かされたときと、同種の胸の痛さ&興奮が味わえます。

そして、次第にあからさまになっていく妻の嬌声。どんどん長くなるセックスの時間。
キスだけは絶対にしないと約束したのに、何故か聞こえてくる唇を吸い合う音。
明らかに複数回やってるにも関わらず、頑なに一回中出しされて終わりだったと言い張る妻の態度……。
なんて素敵な展開なのかしらん。もう、反則過ぎるわー。
主人公は妻の変化に気づきつつも、自分から言い出したことなので、今さら中止するとは言えない。
子供が出来るまでの辛抱だと、必死に耐え続けます。
んで、物語も中盤を過ぎると、妻は完全に弟の女になります。寝取らせからの寝取られです。
主人公のいない真っ昼間や就寝中を狙って、こそこそと弟とハメハメハメハメ……。
さらには弟とセックスする大義名分を得るために、妊娠後も主人公には妊娠していないと嘘をつき、夜毎のプレイを続けます
(この辺りは2週目の妻視点で明らかになる部分です)。
ここまではほぼパーフェクツ。無駄なエロシーンがひとつもなく、精神的な被虐シチュ好きなら間違いなく猿化します。

けれど、最後、終わり方がちと弱かったかな。そこだけ何故かエロに結びついてないんだもん。
変化球な結末で、他のNTRゲーではあまり見られないパターン。ただ、ひねりがあるとかではないです。
私としては「あっ、そういう終わり方するのね……ふーん」くらいにしか思わなかった。
複数エンドのうちのひとつってのなら全然問題なかったんだけど、それオンリーだからね、、、。
主人公に隠れて密会を重ね続けるエンドとか、寂しさから出会い系にハマるエンドとか、
東京で派手派手になった元妻と再会するエンドとか、そーいうのがあったら、なおよかった。
ロープライス作品にそこまで求めるのは酷かもしれないけど。

今後、改善してほしい点はひとつだけ。
“妻ゲー”では、もっとねっとりした人妻・熟女が描ける絵師を起用してください。
最初にもふれたけど、もし本作がぴこの字とか、織田nonとか、
紅葉(もうGuiltyで仕事しないの? 紅葉ーーーーーーーッッ!!!!)
とかが原画担当だったら、HDDに3年常駐コースだったと思う。
リリースされる妻ゲーからみても、ロリ妻よりリアル調のほうが需要あるように思えるけど、どうなんでしょうか。

ぴこゲー待ち遠しいよう、来年かよう。

寝取られ興奮度:4
(※自分がどれくらいドキバクしたかを5段階で評価)