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Fatmanさんの他の男の精液で孕んでもいいですか…?3 僕の知らない所でイキ狂っていた最愛彼女 ―生真面目な学園副会長―の長文感想

ユーザー
Fatman
ゲーム
他の男の精液で孕んでもいいですか…?3 僕の知らない所でイキ狂っていた最愛彼女 ―生真面目な学園副会長―
ブランド
アトリエさくら Team.NTR
得点
80
参照数
5822

一言コメント

ぼくのかんがえたさいきょうのエロゲー

長文感想

ってのがもしあったら、本作は限りなくそれに近いものです。
はじめて『黒愛』でたかぴこ氏の絵を見たときから、
氏の絵は私のなかでにmostであり続けています。
どれくらい好きかというのを言葉にするのは難しいんですが、
とりあえず某掲示板のぴこスレに常駐してるし、
コミケでも毎回『LOST RARITEAS』の本を最初に買いに行きます(始発で並んで)。
とにかく、もう好きで好きでたまらないわけです。

で、さらに私はNTRゲーが大好物です。
今までプレイしたエロゲーの総数の半分は、
寝取り・寝取られものだと思います。
『妻陥落』で、気を失うかと思うほどの興奮を覚えて以来、
それに比肩する―あるいは超える―NTRゲーに出会うために
エロゲーをプレイし続けていると言っても過言ではないです。

ここで話は最初に戻ります。
“ぼくのかんがえたさいきょうのエロゲー”
いちばん好きな絵師が、もっとも興奮を与えてくれるジャンルの原画を担当。
夢が叶うとはこのことか。
確かにエロゲーには、絵や内容以外にも演出や音声、システムなど他にも重要な要素はあります。
けれど、それらはあくまでプラスアルファの部分であり、作品の根幹をなすものではありません。
こと、抜きゲーにおいては、絵と内容の良し悪しがそのまま作品の評価に結びつくと思います。
私は事前の期待度で、本作に100点をつけました。
内容の良し悪しやプラスアルファという、
実際ゲームをさわってみないとわからない部分を除いた評価が満点だったということです。

100点の期待度をもってプレイした本作。
DVDの封を切るときに手が震え、インストール中はドキドキしっぱなし。
ゲームを起動した段階ですでにフル勃起(本作のために10日間オナ禁)。
そこからは正直、エロシーンが来るたびに猿のように抜きまくりました。
なので、ゲームが進まない進まない(一日、三回とか四回とか抜ける人が羨ましいw)。
やっぱ、絵の力は偉大だと改めて実感しました。
破壊力が違う。
今年のNOTY(抜きゲオブザイヤー)の最有力候補です。

内容に関しても、1、2より格段に良くなったと思います。
ストーリーは前作のそれと似ていて、レイプからの堕ちモノ。
悪意のある見方をすれば焼き直し、マンネリととらえることもできるかもしれませんが、
キャラ設定、心理描写ともに厚みが増しているので、
制作者の表現したいことがより前面に出てきたように思います。
あーあと、CGの演出もすごい良かった。
Hシーンでのカットインが非常に効果的で、良い煽りになってました。

きっかけが前作とレイプでも、本作の場合は、
ヒロイン「主人公に知られたら絶望して、受験に失敗してしまうかもしれない……」、
「私のせいで迷惑はかけられない。何とか自分の力で解決しないと……」
寝取り男「主人公にバラされたくなかったら、俺のチンコしゃぶりな!」
といった感じで、レイプの後に肉体関係が続く論拠が示されています。
導入段階でのヒロインの心理的葛藤も抜きゲにしては十分と言えるくらい、きちんと描かれています。
まあ、それでもレイプされた相手にメロメロなんてのは、
現実的にはありえないことなので、ツッコもうと思えばいくらでもツッコめますが。
つまるところ、それっぽい理由をこじつけているだけなので。
けれど、前作みたいにプレイしていて「ありえねーよ!」とはなりませんでした。
深く考えなければ、違和感は覚えないと思います。

その後の展開では、寝取り男の家庭環境や学園に来ない理由を知ったヒロインが、
一気に寝取り男のほうへ心が傾斜していく様子が描かれるのですが、
この辺りは定番というか定石って感じ。
よくいう心理トリックってヤツだよね。
最初の印象が最悪だから、人間味のある部分やちょっとした優しさを見せられると、
ものすごくいい人なんじゃないかと誤解してしまうという。
強盗と心を通わす人質的な。
――――――――――――――――――――――――
つか、別に最初はレイプじゃなくていいと思うんだけどな。
状況に流されて――とか、彼氏とはまったく違うタイプの男にフラフラと――とかで。
むしろ、それらの方があとあとの話が自然になったと思うし。
きっかけがレイプではなく、ヒロインの浮気だったと想像してみてください。
それだけで印象が激変しませんか?
制作者の趣味なんだろうな、レイプ堕ち。
――――――――――――――――――――――――

あとはヒロインの言葉遣い(敬語好きだなw)なんかも、
良家のお嬢様という設定を付加したことによって、気にならなくなりました。
今どきの女子校生が彼氏に敬語って、ちょっと変だもんね。

堕ちたあとに黒化するヒロインについては賛否両論あったようですが、
狐狸庵先生(遠藤周作)も言っていたように“悪女”ってのはとても魅力的です。
すべてのNTRゲーにデフォで悪堕ちを実装して欲しい!
と思ってるぐらいの悪女好きの私には、ご馳走以外のなにものでもありません。
おいしくいただきました。

少し考察的なことを言わせてもらえば、NTRほど悪女と相性のいいジャンルはないと思います。
『妻陥落』の作中の言葉で、「NTRとは“精神的マゾヒズムの極地”である」というものがあります。
私はこの言葉を、NTRの本質を端的に表した名言だと思っています。
変態性癖の世界を描き、NTRというものを世に認知させた
マゾッホや谷崎潤一郎らが生涯に渡り表現し続けたものも、
間違いなく“精神的マゾヒズムの極地”でした。
なので、多くのNTR好きの方は、被虐(受けシチュ)属性やビッチ(女性上位)属性も
併せ持っているんじゃないかと思います。
もちろん、自分もそうです。
『とらいあんぐるBLUE』や『うちの妹のばあい』で黒化するヒロインの描写が、
NTRの名シーンとなっているのは上記のような属性のトリプルパンチ的効果があるからでしょう。
ドMにとって最高のご褒美です。

けれど、同じNTR好き内でも「ビッチイラネ」って声をよく耳にします。
たぶん、そういう方はNTRを“精神的マゾヒズムの極地”だとは捉えていないのでしょう。
前者と後者はひとくくりにされていますが、根本的な何かが違うんだと思います。
それが意見の衝突が起きるいちばんの要因なんじゃないかと、私は思います。
私は完全にビッチ肯定派なので、
否定派の人たちがどうしてNTR属性に目覚めたのか、理由がわかりません。
ですが、行きついた場所は同じでも、両者のスタートラインの違いをちゃんと認識していれば、
不毛な言い争いを繰り返さずに済むのではないでしょうか。
自分が好きなものを否定されて、気分のいい人はいませんから。

えー、ちょっと脱線してしまいましたが、まとめ!
多少強引な面はあるものの(はじめがレイプでなければ無問題だった)、
本作には堕ちる理由やキャラクター言動に説得力を持たせるための工夫が、とても感じられました。
ライターは前作、前々作の問題点をちゃんとわかっていて、きっちり対応してきたということです。
これは本当にすごいことで、私はこの点をいちばん評価したいと思います。
他男の1が発売されたのが今年の3月で、
わずか半年とちょっとでここまで良くなるとは予想していませんでした。
劇的と言ってもいいくらいの変化だと思います。
一部で本作のライターを叩いている人もいますが、
是非これからもNTRゲーシナリオを書いてほしいです。
今後はもっともっと良い作品が作れると思います。
期待を込めて。

あ、あと最後にヒロインが「他の男とやってるかもしれないし、やってないかもしれない」ってな感じで、
超絶に心をくすぐるセルフをお吐きになりましたが、
実際に三番目の男とのSEXシーンがあればエロに関しては文句なしだった。
マジで続編かDLCをやってくんねーかな。
大学時代の話とかで、小平とケンカした真子が気晴らしに参加した合コンでチャラ男に――みたいなの。
サークルの合宿でイケメン先輩に――でもいいし、エロ教授に――でもいい!
浮気話超希望。

~近況~
ついに感想の投稿数が300の大台にのったー!
数えてみたら、エロスケでレビューし始めて早四年……。
うはー、自分でもよく続いたと思うわ。

はじめのころは、『つよきす』とか『ToHeart』みたいなゲームばっかやってたのに。
今ではNTRゲーとババアゲーしかやってねーw
趣味嗜好ってのは変わるもんですな。

少しずつですが、最近はNTRゲーレビュアーも増えてきているようで、嬉しい限り。
私は自分の感想を投稿してから人の感想を読むようにしているんですが、
みなさん詳細に書かれていて、いつも驚かされます。
そんなわけで、私の書いたものがみなさんのお役にたっているかどうか微妙なところですが、
今後もジャンルの盛り上がりに少しでも貢献できれば、と思ってぼちぼちやっていきます。
よろしくね。

寝取られ興奮度:3
(※自分がどれくらいドキバクしたかを5段階で評価)