Guiltyの転換点かも
とても興味深い作品。
自分は抜きゲにおけるリアリティを、
作品に感情移入し純度の高い興奮を得るための最大のファクターだと考えている。
もちろん、『姫騎士アンジェリカ』や『凌辱学園長/奴隷倶楽部』、
『魔法少女アイ(3は除く)』シリーズなど、リアリティはなくとも名作と言える抜きゲはたくさんある。
それらの作品群は特殊なシチュや設定を最大限に活かし、
日常系の作品では表現し得ないエロをとことん追及している。
また、今までにない新しいものを作ろうという制作者の意思が伝わってくる意欲作でもある。
逆に言えば、そのレベルにまで到達しないと
非リアルにするメリットはないと思う(あくまでエロの面においての話だが)。
最近はとくに低価格帯で、特殊シチュに特化した抜きゲが多く制作されているが、
それは見せかけだけで、実際プレイしてみるとほとんどが最大公約数的な内容のものである。
マニアックなシチュにこだわったと言いながら、万人が60点を付けるような感じだ。
制作者としては、ただでさえ少ないパイを自ら減らすようなことはしづらいのだろうが、
それでは突き抜けた魅力を持つ作品は生まれない。
だから、日常劇でありながら“奴隷”や“肉便器”、“調教”といったフレーズが
連発するような、よくわからない作品が世に溢れているのだ。その逆もまた然りである。
リアルからかけ離れたセリフを発したり、そういったキャラを登場させたりするのは
感情移入を阻害するいちばんの要因である。
“ありえなさ”が、プレイヤーを現実に引き戻してしまうのだ。
その点、Guiltyの作品群は他ソフトハウスのそれと比較し、優れている。
Guiltyは、リアル志向を特色として持つ稀有なソフトハウスで、
昔から官能小説をゲーム化してきたノウハウを活かしているように思う。
とくに艶×2熟母シリーズでは、リアルに考えるとまずありえない実の母をモチーフとしながら、
それを感じさせない非常に上手い作品作りをしていた。
そして、本作から新たに始まった人妻愛欲シリーズ(続くのか知らんけど)。
妻の浮気やスワッピングというリアルと相性のよい題材を用いたことにより、
作品の質が間違いなく一段上がった。
いささか無理のある設定でさえ、違和感を覚えないレベルまで持っていくのだから、
本作では感情移入を阻害するものがほとんどなくなったと言っていい。
また、前シリーズでは主人公による独占の傾向が強かったが、
今回、主人公以外の男キャラに意味を持たせたのもよい判断だったと思う。
ただ、その男キャラの妻に対する攻め方がいただけなかった。
主人公の独占に配慮したのだろうが、テーマがテーマなのだからそこは無理せず、
きっちり寝取るべき(挿入すべき)だった。
その部分だけ中途半端。
自分が知りうる限り、いちばん完成度の高いリアルを提供しているソフトハウスはelfだと思う。
方向性が違うので単純比較はできないが、
絶対的なリアルの完成度だけで見れば、もう少しでそのelfに並ぶところまで来ている。
萌えエロが全盛な現在、きちんとしたリアルを描けるソフトハウスは本当に貴重である。
自分のような考えや嗜好を持つものにとって、かけがえのない存在だ。
Guiltyには今後ともクオリティの高い作品作りを頑張ってもらいたい。
『同僚の奥さん』というタイトルからもわかるとおり、本作のメインは寝取りである。
もし、寝取られのほうに力を入れて作っていたら、妻陥クラスの傑作になったかもしれない。
寝取られ興奮度:3
(※自分がどれくらいドキバクしたかを5段階で評価)