壮大なる冗長
とても不思議な作品。ストーリーの起、承まではとてつもなく冗長で、
主人公が住み込みの家庭教師として勤めることになった家で起こる“平凡な”出来事が淡々と描かれてきます(現代館モノ)。
こう、血がドバーッ! だとか、天井裏から死体が!! とか密室劇特有(お約束)の盛り上がる展開は全然ない。
普段だったらスキッププレイに切り替えちゃうところなんだけど、なぜかそれをさせない魅力が本作にはあります。
恐らく、テーマや物語の方向性が一切示されないのが、スキップしようにも出来ない最大の理由だと思う。
要するに、この話が純愛なのか、ミステリーなのか、それとも人間ドラマなのか、はたまたホラーなのか、まったく読めないのです。
だから、いつ話の核心に繋がるのかわからないので、ついつい先が気になり注意深くテキストを読み込んでしまう。
んで、気づいたときにはこの作品の世界にどっぷりですよ。こんな形で、物語に引き込まれたのは初めての経験でした。
あと、私にとってもうひとつ重要だったのが、これは“elfの作品”っていう先入観があったこと。
序盤の展開がいくら冗長でも、このままエンドを迎えるような毒にも薬にもならないものを、elfが作るはずがないと。
もし、他のメーカーがこういった作品を作っていたとしたら、早々に見切りをつけてスキップしちゃってたと思う
――どんなゲームでも、きちんとプレイする人には関係のない話。
中盤以降の急転直下の展開、大どんでん返し。そして、結末でのカタルシス。
最後まですべてプレイしないと、面白さがわからない作品。オールクリア後には、“さすがelf”と唸ること間違いなしです。
寝取られ興奮度:3
(※自分がどれくらいドキバクしたかを5段階で評価)