良作のなかの傑作。私のなかでは名作。
自分や他者とどう向きあうかという日常的主題に、様々な人間の様々な実践を通じて、具体的に踏みこんでゆく作品。過去を現在に生きるものとして主体的に捉えながら、とり返しのつかないものとしてではなく、別の形に変えてゆける未来として受けとめる、そんな姿勢が描かれた前向きな物語でもあった。ほのぼのとした良作でありながらも、言葉のもつ力をテクストの端々から感じとることのできる秀作であり、私のなかでは特別な位置を占める名作でもある。