想定外に面白くて安心のSMEE作品でした
どうにもイラストに若干の違和感を感じていたので少し時間を空けていたのですが
格安で手に入る機会があり、初めてみることにしました。
しかし、ここ昨今のものは本当にルートに入るまでの過程が楽ですね。その中でも
こちらのほうでは、学生編（１人）社会人編（２人）婚活編（１人）と、主人公が年齢を
重ねていくタイミングでヒロインルートが分岐するという、ありそうで今までになかったもので
非常に趣はユニークでいいなと。ここでだいぶ良い印象に変化したのですが・・。
推奨攻略順はあってないようなもんです。好みのキャラを最後にしたかったら最後にしたらいいし
年齢に従って進行するのもあり。自分は年齢にそのまま沿って遊びましたが読後感も非常に良く
こちらが正解だったなと。
えいみルートはサブキャラとの兼ね合いを楽しんでいくのが主体。本人の好感度の変化も自然で
好きになったときの一途っぷりも非常に良かった。あくまでも主人公とは対等の立場。
学生ものとしては凄く完成されていたとてもいい話でした。
コレットルートは、ある意味「SMEEで約束されているSMEEらしいルート」でした。
ヒロインがいろいろと親との仲がこじれていて、その親との駆け引きを重ねて主人公と
仲良くなっていく。ハーレムキングダムの「シャルローネ」とCVが同じだけあって、なんとなく
ルート的なお話が結構かぶっていた気がしたのは自分だけでしょうか。決して悪い意味ではなく
安心安定で笑いあり感動ありが絶妙に重なっていて、ここでも評価は高い。
多恵子ルート。これは最後に残しておくのを推奨です。一目惚れして心にズバズバ好意を突き刺していく
主人公の行動も非常に男気があって好印象でしたが、独身男性経験未経験で、こういう女性なら
こうなったであろうというのを完璧にこじらせている多恵子のキャラクターも光っていました。
それを最大限に引き出している北大路さんの演技も素晴らしかった。この人は「ハーレムキングダム」の
ヒロインをやっていい意味で完璧に「一皮」剥けましたね。声の抑揚も十分だしHシーンの一生懸命な
ところも最高。
そして敢えて最後に説明しようと思った「千津ルート」
・・ここはヒロイン的には定番というか、第一印象では一番最初の「消化ルート」を考えていました。
実羽ゆうきさんは、どうにも学生ヒロインをやると敢えて「トーンの高い声」で演じられるので
そこで結構好みが割れそうだなと感じた先入観。HOOKでも兎鞠役で同じようなキャラだったので
ハズレだったらきついなぁと感じていたのですが。
いい意味で裏切られました。声優の力は偉大。ずば抜けた演技力と、お母さん役の方のコラボで
実にいい形でまとめ上げられていました。自分自身にコンプレックスがある、男性経験もなし。学生。
そうなると星の数くらいの該当するヒロインキャラがいそうですが、こういうキャラが思いっきり羽目を外して
笑いのネタをぶっ込んでくるので吹き出し不可避。声の幅が広い実羽さんだからこそ余計それが
光るのが面白い。話的には家庭教師と生徒の間での気持ちの葛藤、そこから結ばれていくまでの
文章にすると非常に簡単な話なのですが、絶妙に笑いが組み込んであるので期待を裏切ることはない。
ちなみに、母親役の星鹿さんが非常にいい声でした。もっと活躍の場を提供してもらえないかなと
期待してやみません。
遊び終わってみると、期待していた以上に「頑張っていた」作品だったと思いました。
こういう笑える楽しいものを提供してくれるメーカーは本当にありがたい。シナリオゲーが重宝されがちですが
読んで疲れたあと、箸休め的にこういうものをやると、ノベルゲーを飽きずに楽しめるはず。
何も考える必要はありません。思いっきり笑える安心安定鉄板な名作です。