気楽に可愛いヒロインと過ごせる良作
お嬢さまシリーズ制覇を目指していざプレイ。
クリア順に推奨などはないということで、お気楽に遊べるのはありがたい。
共通ルートもさほど長いわけではなく、基本的にルートは一つ。
シナリオを理解するような手間も必要なく、ヒロインルートを選ぶ選択肢は一つ。昨今のいまどき作品は
本当に選択肢で迷うことがない分非常に楽でいいですね。
このへんが手薄い分、きちんと個別ルートに入ったところでの美味しいルートはちゃんと作ってあります。
とはいえ、これもまた少なめに感じる人も多いかもしれない。
もともと共通ルートで全てのヒロインに対してのフラグ作りが仕上がっているおかげで簡単に
交際の申込みは成立するのですが、結構好感度にバラツキがありました。とても良かったと思います。
イラスト全体も非常に完成されています。薄い部分をちゃんとカバーしているのはすごい。
みんな全体的におっぱいキャラなので、ちゃんとお楽しみシーンもカバーしている。
年下でもちゃんと大きいという期待を裏切らない出来。
その全体的にハイレベルな外観を彩る声優陣も非常に的確かつ適切。
桐谷さんがサブキャラに下がっているのは残念に思っている人も多かったかもしれませんが、それを見事に
カバーしているメンバーが凄かった。
キャスティングはお見事。ヒロインが全てキレイにまとまっています。
甘い系ヒロインはちゃんと甘い声。お嬢様ヒロインはきっちりお嬢様を体現できる声。
シリーズ物を支えている人たちが大半ですが、やっぱり透子役の上原あおいさんが一番かな。
好きになると途端に甘えスイッチが入るところを見事に表現しておりました。
お嬢様ポジションの有栖川みや美さん、夏野さんも流石といったところでしょうか。
紫子は婚約時にはふわっとした好感度が、個別ルートに入ったところでの積み重ねでしっかりと
好きになっていくところもコンパクトにキレイにまとめてあって非常に良かったです。
「お嬢様セット」でプレイしたので、マリーカもちゃんとヒロインルートが用意されていましたが
もうちょっとボリュームが欲しかったかもしれない。
ファンディスクで補填されるというのは既定路線ですが、とてもいいキャラだったんですよね。
王女というポジションでもうちょっと王族などの登場でバタバタなんかあると、もっと楽しい
シナリオに広げることができたのかもしれないなという残念な香り。
義母のエルヴィラさんも凄く素敵だったなー。もともとCVは言うまでもなく超絶ピッタリでしたが
最後の最後に用意された「馴れ初め」が本当に素晴らしかった。これを読んだだけで
この作品のイメージが相当アップするといってもオーバーではない。ほんの少しだけのルートでしたが
最後の最後、「心で繋がった絆」の経緯を知ることができるという大サービス。
軽めなキャラゲーとしては平均以上のものだと思うので、全然プレイすることは「オススメ」とは言えるのですが、デメリットもないわけではなく。
まず、主題歌とエンディングの歌がどうにも微妙です。3曲あるなら思い切って全部Ducaさんに歌唱してもらったほうが良かったのではないでしょうか。このせいでずいぶんと作品イメージが薄くなっているような気がします。
そして本番が始まるDucaさんの曲が素晴らしいのですが、ずいぶんと進めていかないと聴くことができません。
もともとアンサンブル作品なので、乙女シリーズとかぶろうがなりふり構わず主題歌を歌って貰う人は統一しても良かったのではないのかな、なんて思ったりもしています。
前作の「お嬢様はご機嫌ナナメ」も似たようなことをデメリットとして挙げたのですが本作も同じでしたね・・。
あと、ヒロインが多めなせいかHシーンも3つ。少なく感じる人も多いかもしれません。(ファンディスクで補填)
ヒロインの衣装ももうちょっと欲しかったかもしれない(ファンディスクで補填)
ということで、ファンディスクありきゆえ、これ一枚で終わらないというところが最大の難点でしょうか。
魅力的なヒロインが際立っている良作なのですが、ツッコミどころも多く点数が伸びないのも納得です。
これが一番好きなんていう人もいるくらい魅力はちゃんとありますが、エロゲ民大好きなシナリオ部分に
弱点がある以上跳ねないというのはしょうがないと。
遊ぶときはファンディスクといっしょに。2つあるものが1つだったら多分まだまだ点数は伸びていたはず。
軽めなキャラゲーで遊びたいという人にはオススメします。