陰湿な伝奇猟奇ホラーの佳作。人物の表と裏、心理描写に優れている作品
原画、シナリオ、テキスト、BGM、OP/EN、演出と隙がない出来
序盤から各家への挨拶回りの時点で完全に引き込まれた
読者を最後まで牽引してくれる内容で、
集中して一気に読破することが出来た
一部の背景画のみがややチープに感じられたが、
プレイ中に気になる程ではない
本作の素晴らしい点としては
特に男性キャラに対する(心理)描写だと思う
四季家、一蔵刀利、二荒劉誠まで素晴らしい出来だった
逆に難点としては、女性キャラの描写だと言える
特にメインに据えている四季叶子と九領希に魅力が乏しい点
叶子に関しては「淫乱サイコパス」だとまだ理解は出来るし、
キャラ設定もビジュアルもCVも間違ってはいないと思えるのだが
九領希に関しては個人的に一切の魅力を感じることが出来なかった
分かりやすく言えば、この作品に萌えゲー要素は不適当
四季叶子と九領希が最初から主人公に”萌えゲー的にベタ惚れ”なのが引っ掛かるし
彼女らの言動の何割かはストーリーテリングの邪魔にしかなっていなかった
七草燈華に結果的に萌える、というが正しいキャラ萌えでしょう
テーマの1つである猟奇・凌辱と描写している時代性もあいまって
全体的にやや女性蔑視の傾向を感じた
あとバトルがメインでないとは分かってはいるものの
展開的にカタルシスには欠けていたのが残念だった
好きなキャラは
一蔵刀利、二荒劉誠、四季道元、五社鈴花、
七草蓮華、七草燈華、八坂依桜
全員魅力的なサブキャラなんですが、皆途中退場してしまったのが残念
後半については主人公と各家との間の『攻防』をしっかり
描いて欲しかったかなと思う
主人公が強すぎるのと意思薄弱なためにややスリルに欠けていたかな
七草家の堕ちて行く様子とかは面白かったです
EDムービーは曲共に素晴らしいセンス
UIも美麗な、良い作品でした