開祖
ここに来て発売されたことに驚き。
まだまだニッチな抜きジャンルだった18禁PCゲームを、
シナリオ主体の読み物に牽引する役割を果たした作品という認識。
とりあえず、SS版そのままの表現でリメイクしたという点が、凄い。
分かりやすく言うなら、各種規制ですっかりおとなしくなってしまった
コンシューマ機でここまで淫靡な表現が出来たことにびっくり。
実は未完とは言え、伝奇からSFに展開するシナリオとループする設定が魅力であり、
後発に大きな影響を与えた。
特にキャラクターに関するプロットは凄い。
失踪した歴史学者の父親、研究者の義母、教師の元恋人、
援交で生計を立てる転校生、ツンデレ同級生、産業スパイのキャスターなどなど…
これらの多様性が一つに繋がっているところが面白かった。
難点はシステムにあり、「宝玉セーブ=通常のセーブではない」ことが筆頭。
このプレイヤーにとって重要な点がOHPにも記載されていないため、
システムを勘違いしてしまうと一度見たENDが記録されないことも。
あとは主人公が感傷的過ぎる点。
喜怒哀楽が激しいキャラのため、声優の熱演が逆にプレイヤーとの温度差になり
引いてしまう人もいるだろう。とはいえ洞窟ではぐれた仲間を探す際の絶叫など、
その人間味にグッと来るところもあった。
攻略サイト無しでは難易度が高すぎる点もどうかと思うが
美麗な絵と充分読めるシナリオには感心した。