Bradyon Veda（光速以下で活動する生命体の伝承）。完成度の高いSF大作。個性的すぎる登場人物達が織り成す、大胆なディストピア的シナリオにおける化学特化な戦闘。美麗な絵、完璧なCV、面白い演出。いつものうすら寒いギャグは、シニカルな主人公の台詞へとクラスチェンジ。熱中度は高く、SFシナリオ・キャラクターを求める方におすすめ。
プレイヤー側の好き嫌いはともかく、この作品については製作側が
やれるだけのことはおおよそ出来たのではないだろうか。
超大作でありながら、シナリオ的にもギミック・ロジック的にも実によく練られた傑作だと思う。
キャラクター的にも10人のアナザーを筆頭に、登場人物全員の人物像がしっかりしており
複雑な設定の中でもブレることがない点が素晴らしい。
CV的にも北都南、かわしまりの、一色ヒカルといった大ベテラン達の凄まじさ。
その他、主人公も含めて全てのキャラクターに外れなし。
カヱデ→紫音→トゥルーで徐々に物語の全貌が明かされていく作りも巧いと感じた。
作中の話題にも少し出てくるが、意外にジャズ系のBGMが良かったりと
悪く言えば似たような展開が続く長編でありながらも、余裕を感じさせる作りが良かった。
良くも悪くも王道的な稚拙さを排除したシナリオなので
派手に感動したりするシーンはないものの、バトルシーンを中心に、熱中度は高かった。
もうちょっと分かりやすい展開の方が一般受けはしたかもしれないが、
SF独特の、人類や人間の生の儚さはしっかりと表現されており、自分はこれでいいと思う。
カヱデは綺麗だし、紫音は凛々しいし、読子様は可愛いし、主人公も強すぎず弱すぎず…
また時間がある時に再プレイしたいな、と思える作品でした。