日露戦争~第一次大戦物のRTSにして、渾身の一作。遊べるゲームの見本とも言える内容の今作がGJ?からリリースされたことには驚愕せざるを得ないが、ともかくRPG/SLGを制作する有名ブランドの凡作群に比べ、よほど真摯に作られた素晴らしいプロダクトだと言えるだろう。
最後に表示される「プレイしていただきましてありがとうございました」という文言。
あー、大人だなと思うと同時に、制作の苦労や喜びが伝わって来るようだった。
絵に関しては佐野氏原画だけあって、美麗。
特に服飾のデザインも良く、メンバーの私服や
後半登場の綾音の黒い軍服は立ち絵に見惚れるほど美しい。
BGMもブリッジミュートが効いたジャズやアコギ、和太鼓の音色など
多彩かつ上質であり、飽きさせない選曲だった。
CVには外れなし。女性だらけですが、皆大人です。
シナリオに関しては、さすがに有村の造反は予想できなかった。
全体的に、尖り過ぎず、丸すぎず、良い出来だと思う。
2ルートで展開がまったく異なり、仲間になるメンバーが変わったり、
スワンの復讐などのサブシナリオ的要素もあり、満足できる内容だった。
テキストは硬質だが読みやすく、短いキャラ毎の会話でも味わい深い内容だった。
戦時中の軍人の心境を良く描いている、なんて
本来は戦争経験者以外、誰にも言えないんだろうけど
不快じゃないシリアスを描ける、水準以上の筆力でした。
簡潔で読みやすいテキストって良いよね、と
キャラクターに関しては、全員が個性的でしっかりした人物像であり
夕日(CV:秋野花)とか独特で良いキャラしてるなーとか
忍の美麗さは異常だったり、
抜きゲーからゲスト出演しに来ました感しか無いエルザに笑ったり。
ゲーム内容的にはRTS、リアルタイム進行でマス目もヘキサも無いSRPG。
「え?何待機してんだ!」という定番の焦りも含めて面白かったです。
強化自体は大雑把だけど、随伴歩兵のシステムとか面白いなと。
強化に必要な勲章を取るにはなかなか時間制限や、先に基地を破壊して~とか
やりごたえがあった。
まあ「砲台作りまくって画面下部に逃げろ」という
ヤマタノオロチ戦はどうなのか、という微妙なステージもあったけど。
巻玉の可愛さも良かったです。
おそらく有名じゃないだろうし、埋もれ過ぎてるんだろうけど
遊べる面白いゲーム+キャラクター+シナリオを探してる方には
ぜひおすすめしたい作品。