愛にあふれた傑作。芸能界特有のユルさと厳しさを良く表現しているなと。劇中劇の『星の王子様』『天守物語』で癒されました。
演劇を中心に、役者という夢へと向かう者の現実と焦燥を描いた傑作。
序盤からテキストの切れが良く、物語に入り込める。
各要素の低予算的なショボさに言及している人もいるが、
個人的にはそうは思わない。
久瀬 安美や上山 ゆとり、カジーなどの立ち絵の完成度は非常に高く、
キャラクターの性格を、少ないバリエーションで見事に表現していると思う。
CVも馴染んでくると本当に良く、テキストが活きているため
本当にこういう人いるよなぁと思わせられるだけの力があった。
シナリオ的には、良い順に
アリス>安美>ゆとり>水鏡姉妹 という感じですかね。
おるごぅるは流石に巧い。はねさんも同じく。
どのルートでも、夢と現実に引き裂かれるキャラクター達の
心情が見事に表現されており、特にアリスのエピローグは良かった。
個人的には劇中の『星の王子様』が、名作だけに良かったし
『天守物語』のヒロインを各ヒロインが演じるので
比較出来たのも面白かった。ゆとりが一番貫禄あったかな。
まあ、こんな良い作品が新品ワンコインで売られてるんだから
あまり良い気持ちはしないよね。