「優しい」を免罪符としないでくれ
恋愛関連でたまにある"優しい"主人公がすき~っていう関する話。
これだけで嫌いな人/拒否反応が出る人は少数ながらでも居るだろう。
私は若干そういうタイプ。若干と書いたのは、そこに不都合なことがあったとしても、
早期に状況を飲み込み場合によっては立ち向かうだけの度量があれば嫌いとはならない。逆に好感が持てる場合もある。
だが残念ながらこの作品の主人公はそうじゃない。(流石に全ての言動が、とは言わないが)
優しさにかこつけて自分が傷つきたくないのが透けて見えるのが致命的に駄目。
主人公の悩む姿とか書かれていても「ふーん」としか感想が無い。
こんなふうに思っているのは下記に記載している「■共通ルートに関して」の影響もある。
CG・キャラデザ・音声は悪くなかっただけに残念である部分。
SD絵があるのは良いけど可愛く見えなかった。
臆病な主人公のゲームが好きならオススメ。(そんな人が居るのかどうか分からないけど)
クリア後に思ったことは事ある毎にイノリが「臆病」と言っていたのが全てだったのかもな…と。
■各々の設定簡易メモ(主要な部分だけ。ルート毎の細かい部分は他の方の感想を拝見すればよろしいかと)
主人公(小早川祈)
ギフト「明日に記憶を持ち越すと決めたたったひとつのこと以外は、きれいさっぱり忘れてしまう」
物語当初、持ち越す記憶は「りな」に設定されている
イノリ:主人公内に存在する人格
→シャロンルートで「祈」は無能力者。記憶が保持できないだけの無害な存在と明示されるが
本来のギフトは「審判者」。あらゆるものの中からたった一つの尊いものを見つける
寝る前に記憶を持ち越すことを決めたこと(選択)によって世界が再構築される
背景CGにある黒いノイズは再構築された際の痕跡
世界の混乱を最小にするため学園長が「審判者」の核になる部分をイノリへ分離した。
これがイノリ(祈)が誕生した理由と共にシャロンルートで「祈」が無害な存在と明示された理由。
また黒いノイズは分離されたことによって発生しなくなった…らしい。
※全てのことを憶えておくことは頭が狂うから、一つのことしか憶えておけないというのは神の慈悲?
→本編/Trueルートで恋が「崩壊」を使っても次の日には生きてるのは「審判者」のギフト能力のせい。
最終的に「審判者」の能力でギフトや神の居ない世界へ
恋
ギフト「崩壊」、不条理に憤る権利。自身を起点にあらゆるものを崩壊させる
回数を熟す毎に崩壊範囲は縮小されるがその度に生命力(寿命?)が減少する
→交通事故で1度死んでる身。「崩壊」は今生において覚醒させることのできなかったギフトの代わり
物語開始時点の恋は「世界に対して怒る」猶予期間中。事故で死んだ恋が不条理を嘆いていたら神が生き返させた。
憤ることがなくなった時、恋は消える。
りな
ギフト「本の中に入れる」
りな=来栖莉々奈、主人公の飼い猫(物語開始時には既に亡くなっている)「まろ」の意識?も入っている
主人公を除いた他人から姿が見えないが、本の中では他人にも姿が見える。
審判者の能力による覚え直しの事故ということが後に判明する。
→本来のギフトは「世界の創造」。Trueルートでは別世界を作り神からの干渉をさせないようにした
→未来の神となる存在
ルチア
ギフト「神言」、神からの言葉を聞けるが代償が必要
年上にも関わらずルチアがあの体型だったのは「神言」を父オレグへ譲渡させられた結果。成長しない
「約束の言葉」は「神よ、我と共にあれ」
※ルチアルートにおける元凶、アーノルド。ギフトは「精神支配」。過去オレグ/ルチアを操っていた
シャロン
ギフト「収穫の鎌」、未練を断ち切り迷える魂を正しい場所へ送る。またギフト所有者である場合、そのギフトを吸収する(未練を引き受ける)
葬者連盟のエリート、物語開始時には100を超えるギフト所有
※議長のギフト「因果を辿る」、ブルーノのギフト「ギフトのコピー、コピー使用可能時間5分」、ルカのギフト「罪を量る戒めの鎖」
議長がギフト使用した結果(世界に異変を起こしている)から主人公(元凶)に接触した。
ポチ川先生
ギフト「嗅覚」、異変を嗅ぎ当てる
黒川
ギフト「道連れ」、状態の共有。自分の意志、感情をトリガーとする
いつも平静な態度で居たのはギフトの影響。薬を飲んで「心で何かを感じてはならない」ようにしていた。
学園長と協力関係。主人公を監視している。
学園長は天使
主人公がギフトを使用前後の世界を認識できる
※Aの世界で話せてた言葉(単語)がBの世界でその言葉を話しても他者には聞こえない
■共通ルートに関して
主人公が恋と出会った時の言動/モノローグで、どうせ「持ち越す記憶」にセットされるんだろうなーと思った。
まぁ案の定「御厨恋」が憶えておくことにセットされた。
また渦巻特有のTrueがあるならどうせこいつが軸になるんだろ、とその瞬間思った。
※結果的に、やっぱそうだったのね……と閉口した。
早く違うことがセットされないかなーと若干イラつきながらプレイしてた。
プレイヤー視点からすればそんなに恋は魅力的なの?と聞きたくなる。
まだ序盤なのに主人公がそこまで恋に入れ込む程なのか疑問を持つ。
で、場面は進み恋のギフトの影響で主人公が入院し、4日目に目覚めるんだけど
な ん で 恋 の こ と 憶 え て ん の ?
と思った。このシーンを見るまでは"前日"に自身へ対して"○○憶えておく"ということの意識付けをしなければいけないんだろうと考えてた。
セットした後は長期間気を失ったとしても大丈夫という解釈でいいの?まぁ忘れていないんだからそうなんだろうけど。
「御厨恋」をセットしておけば周りのこと(人)をある程度憶えていられるのなら、
だったら「小早川祈」(主人公自身)を憶えておくことにセットしておけば色々忘れにくいんじゃねーの?と、このとき同時に思った。
多分、そう考えてからこの作品を楽しめなくなった。(クリアするまで何度もプレイ中断してた)
※物語当初は「りな」に記憶持ち越しがセットされていたが、りな自身が他人には見えない/話しかけないので周囲の人物のことも記憶しにくいのだと推測している。
■最後に
神と神の子である天使によるドタバタコメディ(嘘)
楽しめる人は楽しめるんだろうなーという内容であるとは思います。
単純に私には合わなかったゲームでした。15周年タイトルだったのになぁ……。
「境界線の向こう側、ありふれた恋の始まり」でゲーム終わるんだけど、変な設定入れず後半文章だけでよかったのよ?あと中途半端にタイトル回収(unless terminalia)しなくていいです…。おそらくそうなんだろうなーというイメージはあるんだけど本当にそういう意図を持っての前半文章なのかどうかは情報/私の知識('古代ローマ関連)が足りないとは思う。
メーカー買い/絵(パケ)買いはこういう事あるんだよなーと思いながらも懲りない私でしたとさ。自分にとって稀にドンピシャの作品もあるからね!