C2Uで炉鋤マニアを唸らせた赤ちゃん倶楽部のスタッフが、新生ブランドで送る第2弾。ちなみにブランド名が変ったのは指導が入った模様です(笑。モノホンの炉です。ぶっ飛んでいます。つるつるぷにぷにピンクのお○○をこよなく愛する人にお薦め。ただし相変わらずの凶悪鬱ゲーなので要注意。
ちなみに、”お○○=おまた”ですからね(笑。
これは炉ゲーです。
ゲームシステムはADVですが、実質的にはNVLです。テキストが中心です。
パッケージには「ADG風コミック」とありますが、「コミック」というのは無理がありますね。ゲーム前半のドタバタはそう言って差し支えないんですが、後半ヒロイン分岐したあとは完全にNVLです。
また、これは鬱ゲーです。炉利炉利したCGに騙されてはダメです(笑。ま、C2Uをプレイしたことがある人間なら見当つくでしょうが、今回もかなり陰惨な展開です。
そしてこれは一種のビルドゥングスロマンです。少年少女の成長の物語です。
大抵の炉利ゲーはプレイヤーの分身である主人公は成年男性なんですが、これは主人公も奨学生。つまりプレイヤーは自分の少年時代に立ち戻ることを求められている訳で、「可愛い少女にハァハァして何したい」というスタンスでプレイするのは難しいでしょうね(笑。
ところで、ビルドゥングスロマンには幼少年期が面白いやつと青年期が面白いやつとがありますね。
”ポートレイト”なんかは幼少年期型でしょう。青年期は話が観念的になりすぎてちっとも楽しめない。この件に関しては色々御異見がございましょうが、ここではこれ以上触れません。話をエロゲに限定します(笑。
さて、その幼少年期が面白いビルドゥングスロマンを目にしたとき、「それなら幼少年期だけで一本立ちさせたらエエやん」と、まん中でばっさり切断してその前半分だけを完成した1つの作品として提示したもの。本作「たんぽぽ」の印象はこうです。
もちろん、実際にそのような発想で構想されたわけではないでしょう。そもそもここは炉専ブランドですからね。青年期の話なんてスタッフには端から興味がなかったはずです。
私が申したいのは、スタッフたちが自分の創作意欲にあまりに正直に開発し、自分たちの興味が及ぶ範囲でのみ物語を語ってしまったため、本来はもっと続くはずのストーリーがえらく尻切れトンボのまま無理やり終りにさせられていると、そのことであります。
同じスタッフによる前作、C2Uの場合、卒業と進路選択という少年期の大きなイベントを、これから大人への扉を開く少年のイニシエーションとして終盤のクライマックスに巧く据えていたため、鮮やかに物語を終えることができていました。
「彼らはこれから大人になります。でもそれは別のお話です。このお話はここで終わります」って按配ね。
「たんぽぽ」にはこのような仕掛けがありません。だから、どうしても話が上手く閉められないでいる。
そのことはライターも自覚していたようで、エンディングのあとに、後日譚をエピローグとして追加しているのだけど、これははっきりいって逆効果。エンディングの中途半端さを却って強調してしまっている。
なんか、幼少年期の後、本来あるべき青年期をすっぱり省略して結末だけ付け足したような感じ。正直これならエピローグは無い方がましですね。
え、それだと話がこの上なく暗く、救いようがなくなるんじゃないかって?
その通りだけどさ、もともとこのゲームは救いようがない話なんだよ。それをキャラたちが救済されるための具体的な方策を一切講じないまま救済しようとするからおかしくなるんでね。取ってつけたようなハッピーエンドはいらん罠。
しかしプレイヤーを選ぶというか、ほとんど人に勧めようがないゲームだね(笑。
炉ゲーったって最近の炉利萌プレイヤーはこんな鬱ゲーは拒否反応示すだろうし、普通のエロゲーマーはあまりにいびつな趣味になおさら拒否反応だろうし、これで商売が成り立つのか? と心配になるが、このブランド、スタッフ2人しかいないからね(笑。ほとんど同人の延長でやってるから、何とかなってるんだろうな。ま、とりあえず次作がリリースされることを希求しておきます。
ネタバレを含む一言
のえるの自殺未遂の動機が非常に取ってつけたような理由でかなり変。
これ、後から修正を入れたのではないだろうか?
そうだとすると、もともと動機として設定されていた原因は何か?
推測に推測を重ねる話なのでちっとも信憑性はないけど、あのストーリーの流れからゆくと妊娠だと思うんだけど?