脱祖父厘を旗印にしたインディーズブランド「アナログファクトリー」の第一作。当然、内容は反祖父厘一色。インセストタブー、猥褻語の連発、陰毛・肛門・排泄物は「性器にあらず」とモザイク無し。その志やヨシ。
しかしねぇ、これら「反祖父厘的要素」を一旦棚上げした上で客観的に見ると、ゲームとしてはあんまり誉められたもんじゃないんだよね。
背景CGや演出、システムのしょぼさは、まぁ、勘弁できる。一応最低ラインはクリアしている。
ADVとしてもそれなりに作り込んである。一応自力コンプしたが、予想していたより遥かに面倒で、厄介な分岐もあった。
ただ、その作り込みの努力が空回りしてしまっている。
繰り返しプレイが必須の作りなのに、HappyEndを1つ見てしまうと全ての謎が明かされるので、その後のプレイ意欲が大きく削がれる。
案外複雑な人間関係にもかかわらず、その掘り下げが足りないのでドラマ性が貧弱。ヨウヘイ・ヨウコ・○○○の愛憎とか、シュンスケ・ナツミ・ユキの相克とか、いくらでも掘り下げ様があったはずだし、ここを掘り下げてこそ映えるテーマだったはず。
全ての設定は上にあげた「反祖父厘的趣向」を盛り込むために案出されたもの。物語の鋳型としての内的必然性がカケラもない。これではストーリーがつまらんのは当然だわ。
このゲーム、プレイヤーが楽しめるのは「今まで祖父厘に禁じられていたことを堂々と表現する」爽快感のみ。しかし、これって、はっきり言っちゃえば、子供が「ちんちん、うんち、おしっこ」って人前で連呼して喜んでいるのと同じなんだよな。(;´Д`)
とは言いながら、個人的には楽しめたし満足したのも確か。
オシリスキーとしては、「モザイクのない浣腸・排泄(まぁ、退く人間の方が多いわな(笑)」とか、「モザイクのないお尻にバイブ」とか、「モザイクのないお尻にちんちん(こっちはモザイクかかってるけど)」が見れただけで元は取れたよ(笑。
あと、アネスキーとか、お兄ちゃん属性とかの人もそれなりに楽しめるでしょう。マユちゃんは15才(ゲーム中で16歳になる)、高校一年生だよ。ちゃんとそう書いてある(笑。これだけのことが画期的なんだから、なんだかなぁ。
つまりは「反祖父厘的要素がツボにはまれば抜きゲーとしては及第点。しかし、その割には攻略が面倒だじょ」ってのが妥当な評価だろうね。
でもねぇー、これもねぇー、成人コミックだったら、もっと進んでる訳ですよ。「今さら、こんなもん見ても、騒ぐようなもんじゃねぇよなぁ」と冷静に判断する自分もいる訳です(笑。
しかし、それでもオレ的には評価するし応援しますよ。こういうのはコロンブスの卵みたいなもんだからね。ハタからは色々突っ込みようもあるけど、最初にやると言うのはやはり大変なものだと思います。その心意気は認めなきゃ。
ただねぇ、「涜祖父厘的爽快感」でゲームが作れるのはこの第一作だけですよ。次は内容が伴わなければ誰も相手にしてくれません。
アナログファクトリーとしては次が試金石でしょうね。
んー、応援するつもりで感想を書き出したんだが、なんか変な具合になったな。困った(爆。
いや、マジで応援してるんだけどな。