昨年リメイク版が出ましたが、これはシナリオに重大な改変が加えられています。ストーリーの核に関る重大な設定が削除されているので、このゲームのシナリオの真価は旧版でないと判りません。
余り人気のないゲームです。(笑
グロい、ゲキムヅ、CGが・・・。そして、何より根本的な問題として、このシナリオは人を選びます。もし琴線に触れるならトゥルーエンドでは非常な感動を覚えるでしょう。しかし、このエンディングの美しさ、儚さが感受できなければ「一体このストーリー、何が面白いの?」ってことになります。
断っておきますが、「このゲームの面白さが分かんないやつはダメだ!」みたいな思い上がったことを言うつもりは毛頭ありません。
しかし、物語には、ある種の気質・感覚を持った人間だけが感受することができる美しさってのが現に存在するんです。それが人を選ぶって事です。
これはホントに合うかどうかだけの問題で、感受性の優劣の問題ではありません。
小説で言えば「歌行灯」とか「トニオ・クレーガー」とかですかね(ちと褒めすぎか)。
このゲーム、攻略が非常に難しく、自力で攻略するのは極めて困難です。
そして選択を誤るとすぐに殺されてしまいます。もしくは殺すか。それも非常にグロいです。気の弱い人は夜にプレイするのは堪えるでしょう(笑。
しかし、それでも自力で攻略してください。もし攻略情報を見てトゥルーエンドを見てしまうと、このゲームの面白さは半分も分からないでしょう。
なぜなら、バッドエンドを1つ見るごとに謎めいた登場人物達のキャラクターや人間関係や、その背後に控える謎を、1つづつ感知することができるからです。そして全部のバッドエンドを見て初めて、この物語の世界像が見えてくるわけです。
つまり、このゲームの難しさは「一通りのバッドエンドを見てからトゥルーエンドを見るべし」という制作者の意志なわけです。
「痕」みたいに「バッドエンドを見ないとハッピーエンドへの選択肢が出ない」というゲームもありますが、個人的にはこっちのほうがゲームシステムとしては正道のように思います。
というわけで、ここは制作者の手に乗って、「殺され殺され死に殺し」して下さい。
そして迎えるトゥルーエンド。私はやられました。まさか最後の最後であれが出てくるとは。
あのたった1枚のCGで物語の謎が全て解け、同時に言いようの無い喪失感と虚脱感と、そして、ここで初めて見せられた物語の本当の構図の美しさに対する陶酔感、一言で言ってしまえば、大変な感動を覚えたってことです。
おかげで、あのトゥルーエンドに流れるエンディングテーマは未だにHDDに残っています。
強くは薦めません。
しかしこの推薦文を読んで、何かしら惹かれるものを感じるというかたは試してみてください。外れても責任は持ちませんが(笑。
なんか今日は饒舌ですねぇ(笑。なんせ、さっきから焼酎がばがば空けてるからなぁ(爆。