数年ぶりに感想など書いてみました。正直な話、ファンは長い感想読まない方がエエよ(笑。
オレはこのゲーム、エロエロだと思う。
プレイ中からそのエロエロぶりにクラクラしながらのめり込んでいた。
ところが、みんなは「加奈」をプレイして泣いたという。感動した、心が洗われる、このゲームに18禁要素は必要ない、いや加奈と隆道の愛情を描くには必要なのだetc。
・・・あー、オレって変?(笑
山田一のシナリオってば、みんな巧い巧いというけど、オレは大して巧いとは思わない。
ニトロの虚淵玄とか、「好き好き大好き!」のTAMAMIとかは巧いと思うけどね。
普段、小説とか戯曲とか、いろんなフィクションの文章を読み慣れてる人間なら同じような判断を示すと思う。
文章力は低いし(エロゲライターの標準から言えばマシな方かもしれんが)、ギャグセンスはずれてるし(これは力一杯言うw)、ストーリーテーリングはベタベタ(だからウケるという話もあるが)。
褒めるところはないようにも見えるが、しかし彼にもスゴイところがある。たった一つだけある。
それは視線だ。対象を見つめる「私」の視線。これは巧い。
特にその視線がエロエロであったとき。これは掛け値なしにすばらしい。
例えば、ケガをした隆道の傷に加奈が口づけて血を吸う。とびすさる隆道。とまどう加奈の顔を見ると唇には自分の血が付いている。その血に染まった唇を見つめる隆道。
これ、エロエロだよ! 文章で描くエロってのはね、こういうモンなのだよ!
入れたとか出したとか、そういう直截的なのはね、誰でも書けるの。こういうのが玄人の技なのよ。
圧巻は風呂場で倒れた加奈を介抱する隆道。
意識のない裸の加奈の体を必死にタオルで拭いながら、その肌の感触と皮膚の下のぬくもりを感じている隆道。その、消え去る寸前の埋み火ほどのぬくもりに涙しながら、しかし彼の妹の裸体を見る視線は情欲を帯びている。
これがエロ! クラクラするくらいのエロ!
今にも死にそうな妹の裸に欲情するなんて人の道を踏み外していますが、それだからこそすばらしくエロなのです。
「人倫にもとる行為だ、悪いことだなぞ、ガキでもわかっちょる。わかっておるがやめられないとまらないのがエロの道なのじゃ。それでこそエロはすばらしいのだ!」と、かの本居先生もおっしゃっています(笑。
妹の肉体への執着が彼女の残り少ない命への哀惜と重なり、本来自分の遺伝子を後世に残す行為であるはずのセックスが、倫理的にも運命的にも(病気のことね)何も残すことが許されない。唯一残される思い出も決して口外することができない(といいつつ病院で夕美にバラしてるなぁ、隆道。このへんが隆道がヘタレと非難される所以だなw)。こういう「哀切なエロ」が「加奈」という物語の本質だと思う。
加奈の闘病とか、生と死を考えるとかいう要素は、この「哀切なエロ」を表現するための手段に過ぎないというのがオレの見立て。
今日は何時にもましてテンションが高い。ズブロッカ空けたからなぁ(笑。