良い部分と悪い部分、どっちも激しく前面に出てきて評価が難しい作品でした。ただの萌えゲーと思って手を出すと火傷する、かも。
タイトルやビジュアルを良くも悪くも裏切った作品。
想像以上にシナリオに力が入っていて、攻略順にルート固定すらあったのは正直驚いた。
物語性とヒロインの魅力のバランスから名作になりえる可能性があった作品だったと思う。
しかし、悪い部分が非常に目立つしんどい作品でもあったため最終的な評価はやや控えめに。
以下、不満と感想をだらっと箇条書き。【ネタバレ要素強め】
・ 乃々香ルート以外は個別が冗長。
本編とも言える恵・古依ルートはなかなか物語が進展しない足踏み感が強く、天音・ 瑞希ルートは要らないイベントを詰め込み過ぎに感じた。
瑞希はもっと本編と切り離してシナリオを作っても良かったんじゃないかな・・・。
・本編の物語の畳み方がかなり強引。
ほとんど事故レベルの展開で事態が好転してしまうのは如何なものか。
特に恵ルートは重く、辛いシーンを乗り越えた先にある結末があれでは今まで何だったのかと。
と言うか、恵はちょっとシナリオが不憫過ぎませんかね・・・。
・流石に瑞希・古依が主人公に対して暴力的過ぎる。
主人公もいらない事を発言する事はあるものの、それでも不憫に感じずにはいられない。
攻略した際のギャップとかは流石にここまでしなくても作れたと思う。
・ヒカルが気持ち悪い。
天音は好きだけど、天音ルートはヒカルが一番絡んでくるので物凄く辛かった。許さんぞ貴様。
この辺りが個人的に無視が出来なかった非常にしんどい部分。
絵や音楽は勿論、Hシーンも頑張っていて総合力の高さはあるため可能性は感じた作品でした。
余談ですが、こういう重いシナリオにたまにある「救えるヒロインはひとりだけ」感は結構好きです。(乃々香・天音はそういう雰囲気じゃなかったけど)
個人的には瑞希があまりにも放っておけない気持ちにさせられたので、瑞希ルートを個人的な正史としました。