波に乗ってきたその手はより闇を求める
四部作ならばちょうどの折り返し、物語としても面白く“承”を描けたなと。
イッキと琴子をはじめ萬屋兄妹、それにメリルと雨紋会の面々・・・あらゆるの因縁がより深まり、ますます
目が離せない展開になってきたわ。
辰也の兄貴は完全にイッキに一目置き、良き相談役・友人としての地位を不動とした。前回序盤の侮蔑したような眼差しは消え失せ、お嬢さんを落したイッキに「さん」付けするくらいの信頼を向けており、文字通り頼れる相棒だ――それだけに死亡フラグがビンビン見えるのは気の所為だと思いたい。
一方妹・ひなは今回脇役に徹した。当然か、此度の獲物は勅使河原琴子である。ここで某スクイズのように話を拗らせる器の小さなオンナじゃない。アホなふりして鋭く各人を見やり様は変わらず、ここぞという時にストレートに背中を押してくる作品世界の潤滑油だ。
潤滑油といえば栞ちゃんとコージの二人も外せない。
兄妹が生の両輪ならば、こっちの二人はさしづめその車輪にへばりつく汚泥そのものといえよう。現状は朗報であるが、事故中コージくんはその馬鹿猪っぷりで最期まで周囲に「はぁ~つっかえ」と思われながら一足先に地獄で待っていることだろうさ?
対して栞ちゃんはヤることヤって舞台袖に引っ込んだ模様。まだ彼女には喘ぎ声以上にデカイ役割が眠っていると期待している・・・願わくばイッキらとは一丁外れた路地で爆発してもらいたいもんだが。
爆発といか暴発してしまったのは東雲か。どうやらオヤジとは別の思惑があるらしく、よもや舐め腐っていたイッキがお嬢さんをヤりこめ、組に喧嘩を売ってくるとは想定外だったろう。一目置き出したのも本音ならば、ガキが調子のんなやッ!と苦々しく思ったのも偽りはない筈。さて次回のイッキorメリルの動き次第では謀反の狼煙を上げそうで楽しみな男だ。
一方こちらは完全に見込みある奴と内心ニヤニヤが止まらぬであろうオヤジ。本当は琴子にゃ真っ当な道を進んで貰いたいんだろうが、親ガチャならぬ家ガチャを間違い無事に極道者で生きる覚悟を見せつけられてしまう。親としてオヤジとして、そのどっちを選ぶのかはまだボーダーの真上。 辰也の兄貴とは別種のフラグが薄く刺さってそうだ。
メリル。相変わらず影の実力者となっている彼女の素性も憶測で解ってきた。情が移ってきてるのを自覚している彼女が次回、どこへその暴力を向け穿つのか・・・極上のJOKERは未だ誰の息もかからず盤上で静かに佇んでいる。
さてメインティッシュの琴子さんの話をしたい。
よもや下にしか使わぬつもりの薄い紙を上にまで運ぶことになろうとは・・・前回よりも枚数が多かったし。まぁCVがいおんなんでね嬉しい放出だったわ。
紙よりも薄々で気づいていた諸々の非仁義。彼女もまたひなとは違うベクトルで聡い者だ。見て見ぬふりというヴェールをイッキに貫通させられた琴子は、これから手を選ばずに壮大な反抗期を繰り広げるだろう。イッキ達に心強い味方が増えたが、相変わらず敵はデカイ上に最悪マフィアとも事を構える次第となりそうだが・・・やっぱ後2回で畳む気配せんわコリャ。
正直、今回がマズかったらそっぽを向かせて貰うつもりだったが、新球種を投げてきた紫に心配はいらなそうだ――さぁて青春フラジャイル再プレイすっかな