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Atoraさんの9-nine- ここのつここのかここのいろの長文感想

ユーザー
Atora
ゲーム
9-nine- ここのつここのかここのいろ
ブランド
ぱれっと
得点
79
参照数
2088

一言コメント

単純に販売方法と作品の相性が悪い。一話完結型のエピソードでない作品を分割したために、本来は無用であったはずの批判を招いている。一時的な外見でも、現時点では中身の一番外側になる。露出した部分に、より気を遣うべきだ。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

この作品は、物語が連続しているタイプの作品である。
所々に伏線を張りながら、クライマックスを経て、結末へと進んでいく。

おそらく、物語は作者の中で完結している。
ドラマやアニメのように打ち切られなければ、順当に作品が発売されることだろう。

              *

一歩引いて見るに、作品の批判が集まっているのは、その販売方法にあるようだ。
プレイしなければ感覚が掴めないと思うが、たしかにあの幕引きでは消化不良が募るであろう。
伏線はいくつもばら撒かれているが、我々は餌に群がる鳩ではない。
今後、それらを拾うも拾わないも自由である。

この事態を招いた責任は、制作者サイドにある。
物語の行く末がどうあれ、単一の作品を分割している事実は隠しようがない。
そして、前にも触れたとおり、この作品は、物語が連続しているタイプである。
それを分かって提供するのであれば、分割して露出した部分には、一層気を遣うべきである。
ささくれに等しい断面を見て、読者がどう思うか。容易に想像がつくはずであろう。
整地の印象が非常によろしくない。

物語が一本の作品として完結すれば、かような批判は引き潮のように引いていく。
一般的な読者が、作品全体を見て批評するようになるからだ。
その頃になれば、木を見て森を見ない批判は、それこそ無益だと誰もが知っている。
分割の可否を殊更に指摘する感想は、現時点における一過性の感想にすぎない。

しかしながら、これらの感想は、ありのままの事実を述べている。
そのことを、制作陣は重く受け止めるべきだと思われる。
後続の作品への期待を高めるために、手つかずの章末を読者の目に触れさせてはならない。
第二部あるいは第三部と続いていくならば、その点に心を砕く方が賢明だ。

              *

個々の連続するフラグメントが集結し、一本の作品として独り立ちすれば、断面も見えなくなる。
だが、今は露頭のごとき章末を、限りなくスマートに見せるべき時期であろう。
これは、単一の作品を分割した際に起こる、ひとつの弊害である。

一時的な外見であっても、それは時に、中身の一番外側となりうる。それを忘れてはならない。

制作陣、とくに文章まわりを担当している方には、次回作での配慮をお願いしたい。



【雑記】
18禁要素も気になります。コスプレえっちがほしかったですね。
あと、すごく個人的な要望ですが、低価格にアニメーションは求めてません。
枚数やシーン数を充実させていただいた方が、今はうれしいです。

(完結していない作品には、点数を投じない方針です。そのため、得点欄は空欄です)