世にも珍しい経済学的なエロゲー。チャプター2までは面白いが、以降の話は冗長すぎる。 この作品の失敗は、一本道で物語を書き切ったことにある。
小規模なマネーゲームから始まり、早乙女凪のストーリーまではついていけるものの、
その後の展開には間延びや失速を感じた。
金融の話なので説明的な文章が続いてしまったり、男キャラの滝沢庸介がやり手感を出すため、
チャプター3以降は話が一向に進まなかった感がある。
そして、やはり一本道の構成はダレやすい。
途中でルートがつぐみ・凪・白亜にそれぞれ分岐していれば、冗長性を避けられただろう。
恋愛要素がほぼ皆無というのも、作品にとっては最終的にマイナスに働いた。
とくに凪については、魅力的な金融業者として描かれていただけに、
彼女と組んだ後、そのまま突っ走る未来を見て見たかった思いがある。
キャラクターが白亜以上に立っていただけに、その扱いが勿体ない。
経済特区という狭い範囲で物語が収束してしまい、
冗長な割にラストの失速感も大いに感じられ、ちぐはぐさが浮き彫りになってしまった。
もしこの内容で結城リコが黒幕で登場する話などがあれば、もっと点数を上げていた可能性がある。
題材が面白いだけに、その構成の弱さが残念な作品であった。
【雑記】
個人的には、二丸修一『ギフテッド』を読んでいる感覚でしたね。
尻すぼみ感までそっくりです。