あのペガサス組をもう一度
色々と壮大なお話だった前作のFD。前作の疑問点にアンサーを出しつつ、テーマを発展させた上質な作品でした。
【先に不満点を少々】
・舞台がほぼデルタと深層のみだったこと:せっかくノヴァ大陸にはまだフォーカスされていない場所が広々とあるので、各地を見て回りたかったです。
また、これに関連して、フルプライス分の文量を確保するためと思いますが、バトロワ要素で物語の濃さを希釈している印象を受けました。基本的には戦闘も面白かったですが、やっぱり深層/デルタ以外でもう一波乱欲しかったです。
・一部戦闘シーンでご都合感あり:ルクリナ戦とか。
・ルビイの見せ場が皆無:ペガサス組ではないとはいえ……
・オフィーリアさんとルクリアさんが攻略不可:どうして
【キャラに関して】
前作に引き続き、ペガサス組の魅せ方がとても良く、和気あいあいとした雰囲気や信頼しあっている関係性を楽しめました。特にベルカさんには今作一とも言える見せ場があり、大変格好良かったです。
他のキャラも、カーラを始めとして、確かな意志を感じられるキャラ揃いでした。シズマさんマジイケメン。
そして!何と言ってもメアですよ。ジュエハ後半の甘々アクアマリンメアに元来の棘々しさが合わさり、最強と化していました。どデカい見せ場こそ無かったものの、出番は多く、メア成分を終始堪能できました。
【トリックに関して】
続編なので、世界全体を利用して引っ掛けてくるようなトム先生お得意のトリックは控えめでした。ルクリナさん関係とか、ソーマ君の眷属偽装くらいでしょうか。
とはいえ私自身は、トム作品の魅力はキャラの意志の強さや、訴えかけるような勢い強いメッセージ性にあると思っているので、そこは無問題でした。
【テーマに関して】
虚酔病を象徴とした未来への希望に関する話は、超越して全能となったアリアンナの全能故の悩み……に収まりませんでした。闘争を乗り越え、絶滅の危機を脱した人類に突きつけられる議題として本作の核となっていて、それがとてもしっくり来ました。そして最終的に、『意志』を絡めてこのテーマに対して回答を出してくる熱々展開のおかげで、終盤は大変盛り上がれました。
ソーマが『二周目』なこともあって、記憶関係をどう扱うのか、期待9割不安1割の気持ちで挑みましたが、しっかりと楽しむことが出来ました。
まだまだ意志の世界を味わい足りていないので、FD続編、とまではいかなくても、ノベルやドラマCDあたり…どうですか?おねがいします。待ってます。
【おまけ】
キスだけでイかせるシチュ、過去作にもわりとありますよね。好きなんでしょうね。私も好きです。
好きキャラ順
メア>アリアンナ>カーラ≧ベルカ>ミリア≧キャロライナ>ルビイ≧プリリッコ