シリアスがキャラを引き立てている古き良きエロゲ
CGは基本可愛かったので満足です。天音とエナの傾いている立ち絵が特に好きです。
BGMは14種とかなり少ないのが気になりました。印象に残るBGMもありませんでしたし、もう少し欲しかったところです。OPとEDはそれなりに好きです。
UI関係はだいぶ弱かったです。大手メーカーじゃないならこんなもんなのでしょうか?
姫川美朋
唯一の一般人枠。一般人の立場でありながら人形(ヒトガタ)に優しく接するところが最大の見せ場でした。立場上仕方無いことですが、他ヒロインのルートではだいぶ空気化していました。もう少しオタク属性を推しても良かったと思います。
では美朋ルートで持ち上げられていたかといえば、そんなことはなく。自身のルートの割には美朋ageが足りていない感じがありました。逆にトワが蔑ろにされていなかったり、天音やエナ・友紀にも大きな見せ場があったりと、美朋ルートはキャラ間の扱いのバランスは良かったです。
駒久利天音
付き合った後もツンを忘れないタイプのツンデレは素敵だと思います。萌花ちょこさんのツンデレ演技は初めて聞いたのですが、とても好みなやつでした。ありがとうございます。
本人の暴力性が高めでしたが、トワがそれ以上に突き抜けていて暴力に正当性が生まれていたのが面白かったです。トワを飼い慣らせない友紀は殴られても仕方ないです。
天音ルートは天音の生き方や珠璃との関係を主軸にして、綺麗にまとまっていました。本作では一番王道展開だったと思います。エピローグのおんぶCGにはうるっときました。
トワルートで顕著なように、友紀が主人公補正を使って理想をおし通すタイプなのに対して、天音は不可能な理想は切り捨てつつも最善を尽くそうと努力するタイプでした。よくある天才型と秀才型の対比ですね。そして、こういう秀才タイプは私の大好物です。意地っ張りを貫く姿が素敵でイチ推しになりました。
エナ
青葉りんごさんの演技がドハマリしていました。口調もビジュアルも可愛くて性格も良くて、間違いなく一番人気なんだろうなと分かる娘でした。
エナルートは阿須葉さん関係のお話やエナの宿命もあり、全体的にしんみりとした雰囲気になっていました。そのためイチャラブ成分が薄めだったのは惜しいところですが、終盤のエナが身体を移ってからの流れは儚くてとても好きです。
エンディングはいわゆるメリバ?転生後のエナがどの程度「エナ」なのかで、ビターかハッピーかが大きく変わると思います。エピローグでも「御主人様」呼びなのに、えっちシーン中に「ともき」と呼ばせる演出がニクいです。
トワ
看板ヒロインにこんな強烈なキャラを置く制作の度胸が凄い。日常会話の大半がトワと天音のプロレスだったと思います。行動基準が主人公第一なところの徹底ぶりが良かったです。
トワルートは「理に反してでもヒロインを助ける」系。友紀は全体を通して青臭いキャラとして描かれていたので、とても自然な締め方だったと思います。友紀がトワの愛情に応えられるくらいの重い感情を持ってくれて、お似合いになったことが嬉しかったです(エナ・天音ルートではトワの扱いがだいぶ軽くなってしまっていたので……)。
トワと母親を引き合わせる場面。あまりの無鉄砲さに萎える気持ちと、それくらい愚直な人間の方がトワには合うんだろうという気持ちが同居して複雑でした。友紀の覚悟を表したかったにしても、流石に無責任な気がしました。素直に感動したかったです。恐らくですが、何かあった時のためにエナが陰でスタンバってたと思います。
あと、理知的が故に妹との離別に立ち会えなかったお兄さんを救済してあげて下さい。
[ハーレムルートは好みじゃないので評価対象外]
全体的に
全体を通して、行間を読ませる文章に感じました。全てを語らない文章と言いますか。主語や目的語が(意図的に?)省かれていたり、何に対する台詞なのかが曖昧になっている文が度々登場していました。悪く言うと「読みにくい文」ですが、自分的にはこのくらいの方が想像力を刺激されるので好きです。
プレイ前に想像していたよりもシリアスな作品でしたが、それがキャラの良さを引き立てていたと思います。最近はシナリオは軽く軽く……が萌えゲーのトレンドな気がするので、丁度良いシリアスを味わえて良かったです。
好感度ランキング
初見
エナ≧天音>トワ>美朋
クリア後
天音>エナ>トワ>珠璃>美朋>吉野