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Andemon_LV7さんの古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~の長文感想

ユーザー
Andemon_LV7
ゲーム
古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~
ブランド
Yatagarasu(八咫鴉)
得点
79
参照数
169

一言コメント

荒削りな部分も多いが面倒な攻略をする価値はある作品

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

凝りすぎて攻略が面倒になっているシステム関係についての感想は、他の感想でも散々言われていると思いますし、合う合わないがあるので割愛します。

一番不満なのは、行人が帽子屋になる理由が弱く感じられたところです。サキへの想いが不自然に強すぎるとも言い換えられます。
あの感情の出処は「本当は妹だったから」という理由が一番しっくりきますが、それはそれで銀髪のサキに拘る理由が弱くなる気がします。それに「あの時出会ったサキ」を好きになったことを強調したそうな雰囲気でしたし……。
「この主人公感情移入できねー」という気持ちをプレイヤーに抱かせるのも、主人公≠プレイヤーというギミックの伏線だったのかもしれません……?

一番好きなところは、咲がサキに嫉妬していたシーン全般です。
咲も気難しい気質はサキと同じなはずなのに、サキに対抗するために素直に好意アピールをしてしまうところがとても可愛かったです。あと単純に見た目も咲の方が好きです。

体温38℃を超える死の寸前の病気ックスは普通に辛いだけな気がするので、キスハグだけで済ませても良かったのでは?と少し思います。咲さんのやりたい気持ちは尊重したいですけど。
…と書いていて気付きましたが、実際はアレの後生き残ったんですよね。病気ックスで生存の可能性を潰してた可能性もあったということで……咲さん、やはりやらない方が良かったのでは……?

和奏は初見で私の好きになれないタイプかと思いましたが、理論派なのに超常現象に対して知恵を絞る姿が健気で応援したくなりました。
一葉もそうですが、上手く使えば終盤で熱い展開を作れる立ち位置でしたのに、蚊帳の外だったのが非常に惜しかったです。ついでに男友人二人にも中盤終盤に役割を与えてあげて下さい。

美月さんは、運命の輪を戻した後でもまた過去戻りし初めて笑いました。この人全く凝りてないなと。
(あの狂った三月うさぎになるような人が途中で諦める方が肩透かしなのでむしろ褒めてます)


もの足りないと感じる部分もありましたが、咲ルートに入ってからはずっと楽しめていましたし、ギミック、例の破滅ルート等光る所も結構あったので、高難易度なシステムを突破する甲斐のある作品でした。


 推しキャラランキング
  初見
サキ≧一葉≧舞>和奏≧美星>美月
  プレイ後
咲>サキ≧和奏>一葉>舞>美星≧美月