「言いたいことが、届けばいいのに」
これは、小柄で内気な少女の一つの願いから始まる、再会と本心の物語。
というわけで、買った当時は半分くらいはネタのつもりで買ったDCシリーズの乙女ゲーである本作。
正直、ゲームとしては初めての経験だったので、どうなることかと思ったけど、予想以上にスッと入り込める物語だったように思う。
曲がりなりにも(?)DCシリーズを名乗っていることもあって、舞台はもちろん初音島は風見学園。
時間軸的にはDC2の約4か月前、夏休み直前のお話となります。
シリーズの共通登場人物としては白河ななか、杉並、朝倉純一が登場。
でも正直、杉並はホントに一瞬しか出てこないので、これなら出てこない方がマシだったかも。
肝心の本編の話は、夏休み直前に同じクラスに転校してきた双子の少年たちを含む4人の美男子兄弟の四ノ宮兄弟をはじめとする美少年+好青年とのお話といったところ。無難に無難といったとこでしょうか。
長さとしては全体的に短めかつ共通部分が多いので、一周終わってしまえば他の5キャラは各1時間もあれば終わってしまうんじゃないかな?
ただ、その短さが決して悪いわけじゃなく、むしろ、物語のテンポを最大限に生かす長さになっていたのがこの作品の最大の長所だと思う。
変なところでだらだら話を続けず、しっかりメリハリよく話が進んでくれたのは物語を面白いと思えた大きな理由だったと思う。
個人的には稜平√が王道かつ最良の出来だったように思う。次点で渓、孝明かな。
話だけだったら龍之介も好きな話だったけど、あんまりキャラを好きになれなかった。
航平は普通。蒼は……うん、何も言わない。
DCシリーズとして見るなら稜平、龍之介はシリーズらしい話なのでおすすめ。
あとは、これは男目線だからやもしれませんが、主人公が健気でかわいいです。
孝明ルートでお兄ちゃんお兄ちゃんと甘えてる感じもまたかわいかった。
男なのについつい感情移入しちゃって稜平くんにお姫様抱っこで運ばれてるときとか悶えてましたわ(キモい
というか、稜平√全体悶えてました。
ただ、マイナス点は多くはないけどちらほらある。
・一部ルートの親友の大瀬の言動は正直許せたものじゃない。ちょっと恨むくらいなら構わんしそれでピリピリする分には構わんけど、あれはやり過ぎ。
他ルートでいいサブキャラだっただけにすごくがっかり。
・蒼ルート全般。
飄々とした蒼の性格は悪くなかったと思うんだけど、いかんせん話の流れが他のキャラに比べて急すぎる。この√だけ唯一、短めの量で終わるべき話じゃなかった。長くすればいいって話でもなかったとは思うけど。
とりあえず、乙女ゲーに興味がある諸君や、DCシリーズの異色な作品を愉しみたい人々には、十分おすすめだったと思います。
PSP版にはアフターがあるとかなんとか聞いたので、その内回収してプレイするやもしれません。