説教を多くされるゲーム
Age20thBOXを買ったので、初めてのAge作としてプレイ。
愉快なキャラが多く、共通ルートは基本コミカルなのに、内容も社会の厳しさを教えてくれるような台詞がちりばめられたなかなか熱い作品になっていたかと。
リメイク前未プレイですが、本編でも触れているように説教される機会が多いゲームを改編した模様。しかし、それでも目上のキャラからの説教が多かったので、そういう意味ではヒーリング効果は特にない。逆に得る教訓はそれなりにある作品。「恋人と仕事どちらを取るのか?」がメインテーマになっていて、その裏には「幼馴染からの脱却」も多く詰まっていた。またNY行く前の話とNY帰還後に分かれていて、行く前の話は基本的に全員流れは同じである。またNY帰還後は4人の伊隅シスターズそれぞれ季節が違ったシナリオになる。
初回DL版ではないため、「風間・宗像ルート」シナリオは未プレイ。
プレイ順はあきら→美沙→みちる→やよい→優莉→まりか
好きな順番は①まりか②美沙③みちる④優莉⑤やよい⑥あきら
①伊隅やよい
シナリオ A-
キャラ S
天使。正直このゲームの評価の高さは彼女の健気さが大きい。以下に個別でヒロインの事をつついていくと思うが、各々のヒロインが良く言えば人間味があり、悪く言えば欠点まみれの存在だったにも関わらず、彼女は彼女の問題点に怯える事もなく、やつあたりをするような事もなかった。それでいて、自立心が高いと思いきや、庇護欲を掻き立てられる素敵なヒロインだった。また問題解決の時間も長すぎずイライラせず読めた。他のヒロインは仕事と恋愛の両立を苦難点にしているのに対し、彼女の場合はクラスメイト、家族の絆を追求するものが多く、君いたで書きたかった物とは少し違ったものの、ハートフルな話であった。また川田、三島、男子クラスメイトが好きな自分にとってはコメディ面でも楽しめるシナリオだった。季節もNY帰還後は冬なので、冬特有のイベントがシナリオの質を向上させていたように思う。
②相原美沙
シナリオ B-
キャラ A+
あきら√の派生√。ファーストインプレッションも良く、個人的には今作一番のヒロインだと思っている。彼女の落ちていく様は本当に心を痛める苦しさがあったものの、結ばれた瞬間からは本当に彼女のいい意味での弱さが垣間見え、そこからの下克上感はよかった。「リセット!」はとても良い名シーン。まぁ問題は結ばれてからが圧倒的に短いという事。
③伊隅みちる
シナリオ B
キャラ A-
主人公の悪い部分をしっかり分析できている故に、彼女の発言や指摘はどの√でも基本的にとても心に刺さるものが多い。照れが見え始めるのも晩期で、不意に現れる照れにはグッとくる。唯一の眼鏡キャラではあるが、その眼鏡の存在意義もエピローグ含め、とても彼女らしくて良かった。NY帰還後(秋)は文化祭に関しての話になるが、悩みに関しての沈黙が長く、主人公が解決までに紆余曲折し、周りの人間に馬鹿にされるため、少し苛立ちを感じた。ただ、説教される機会の多い君いたにおいて、この√の主人公の最後の説教シーンはその紆余曲折し、いつ終わるのかという苛立ちを払拭させる程の爽快感はあった。
④遠乃優莉
シナリオ C
キャラ A-
やよい√の派生。彼女√か、二股√を選ぶことができる。
彼女の√は彼女目線で進むことが多々あり、やよい√後にこういう未来があったのだという楽しみができる。あきら同様、カメラマンとしての将来にかなり影響を与えるシナリオであった。エピローグまでも特に恋人というような描写は少なく、やよいさんの事もあり、なかなかヘビーな√になっている。二股√ではアナルエッチも見れる。愛されていることを求めた彼女の弱弱しさが意外とツボだった。
⑤伊隅やよい
シナリオ C-
キャラ B+
この√の終盤までの主人公がクズとキモさ両方兼ね備えていて、なかなかに読むのに苦労した。特にNY帰還後(春)は理由はあれどかなり傲慢になっていて、やよいさんという抱擁力あるヒロインであったからこそ招いた傲慢主人公なのかなと思ってしまった。スウィーツ姉妹のくだりは演出も含め、コメディ路線に富んでいて面白かった。前述にもあるように終盤の主人公の行動は光るものもあり、年上だが弱い彼女の√だからこそ「大人になるという事」にしっかりフォーカスの当たった良いシナリオだと感じた。
⑥伊隅あきら
シナリオ D
キャラ C-
彼女のNY後の姿も相まって、写真に関して近い距離で触れられた√。
ただ付き合うまでの流れは本当にロマンの欠片も無く、ガキとガキの恋愛の末端を見せられた。
またNY帰還後(夏)もその傍若無人っぷりは酷く、些末な原因故に、夢に対して「なんでボクがこんなことで悩まなくちゃいけないんだよ」の一言。仕事に対しても「仕事がどうなっても、ボクが元気であうことを優先して欲しい」との一言が鼻についた。相手を乗せるのが上手いという評価をストーリー上でされているが、自分にはただ思っている事をなんの考え無しに吐き出す性にしか思えなかった。ストーリーもなんか終盤「一週間会えなくてしんどかった~(笑)」みたいなのからお涙頂戴テキストで寒気がした。
あと手コキシーンでチンコを凄い面白い表情で意気揚々と握ってたり、重力に逆らった抱きつき方は面白かったし、プールでの性行為は超次元過ぎて笑えた。
ここまでこき下ろしたが、美沙√の彼女の言動は少し惹かれるものもあった。またプレイヤーに変わって怒りを露わにする描写などはある意味ガキみたいでウザいと思う反面プレイヤー目線に立ってくれる良いキャラのようにも思えた。
誤字・脱字など目立ち、ちょっと主人公に苛立ちを感じるシナリオはあったものの、内容のないものには感じなかった。
彼女たちがマブラヴでも見れると思うと今から楽しみでしょうがない。