残響さんのさよなら君の声の入力情報

さよなら君の声(ボーカル有り)

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得点
150点
感想
同一のメロディ。それを何度も繰り返し、大事なところでグワーッと聞かせる。8分音譜でタラララ、と下降する音型は、まさに流れる涙を表現しています。と同時に、もう取り戻せないんだよ、という「零れ落ちる感覚」をも。

この8分音譜の主題メロの構造は、「さよなら」でトレモロ、「きー」のところで一番伸ばしレガート、そこから「こえ」でとどまって消える、みたいな「落ち込み型」の音型です。飛翔しているように歌い上げますが、実はその先に行くのが喪失であったり、闇のようなものであります。

「さよならきみのこえ」の主題メロディ。まず最初にピアノでもって、この8分音譜。次に独白のような形で、歌唱でもって「さよならきーみのーこえー」。続くヴァースでは、感情を抑えつつ、高める。ぎりぎりの心情を、ぐっとこらえながら、こらえながら。
そして、次の「さよならきみのこえ」8分音譜で感情決壊。いやあエモーショナルな展開です。

ひとつの短編小説を読んでる感じと申しましょうか。それは、ポップソング歌詞に対する最高の賛辞なのですが。メロディにしっかり「食い込む」詩であります。それは音韻の質感においても、意味においても。

スコアで書くと、最初のヴァースでは、最初の一音からコーラスに至るまで、常にクレッシェンドでもって音量低めから大きめへと、長いディレクションでもって。「一度感情を落とし、感情をサビに向けて高めていく」という構造です。
ピアノとvoの構成、弱めのバンドサウンドと歌唱の構成、意外とドラムスが大きく叩く感じのサビのバンド構成。これを繰り返すのがこの曲のサウンド構成です。様式美といって差支えはない。
とはいっても、シンフォニックメタルのようなバンド+オーケストラ、のようにはなってない。実はいままでこの曲、少しはストリングス入ってるだろ、と思っていたのですが、炸裂するバンドサウンドが、音響面で非常な広がりをもっていたのですね。それくらいオーケストレーション感のあるバンドサウンドの感情決壊です。。
エモーショナルに聞かせるバラード寄りの歌でありながら、エモーションの表現はすごく直接でまき散らしタイプ。

サビ(コーラス)のことを言えば、もうほんとエモーショナル、という、グワー感。まさしく涙の決壊です。感情を決壊させる、ということ。ほんとにこの歌の主人公は耐えて耐えて、でも心の中でエモーションは全然死んでなく。
歌詞も、大人しく別れを受け入れよう、とする「きちんとした」部分と、「もう泣くしかないじゃないっ!」というどことなく幼さを感じさせる部分ががあります。というかこれは歌手の表現力ですね。泣くとは、感情を決壊させるとはそういうことなんだよ、と。

しかしそれにしても「もうなーいてーも、いーいよね」とレガートの極みでもって哀切の感情表現にはまいりました。ほとんど泣き出しそうな歌声です。そこから翻るかのように「強くなんかないよ」と流れるようにリズム感をキープしながら歌う。ここにまた決意のようなものも見えるわけです。それでも今だけは泣かせてほしい。この感情を墓標とするから、みたいな。混乱こそが我が墓碑銘……ってそれキングクリムゾンやないか!

まーーったくどうでもいい話、今Twitterで2009年何してた、ってタグが回ってきて、そういえばこの曲のエロゲであるとこの「ましろ色シンフォニー」で、数年間やってなかったエロゲに復活したんだなぁ、あれからそんなに時間たったのかいな、と結構がっつり時間性に衝撃を受けたりしてます。

そんなふうに、しばらくエロゲにもエロゲソングにも触れてない状態だったもので、この曲聞いたときに「うわっ、演出も曲も進化してるー!」と驚いたものです。まずはその「鳴らし方」。バックにストリングスのアレンジをほどこしてる感じすらした、と思うほどの臨場感あるギター、ドラム、ドラムの鳴り。そして非常に生々しいピアノ。それに比べれば楽器ソロは案外印象が薄く、なにしろ基本となる音の迫力がすごいので。説得力というものがある。メロディは確かに流れるようなメロディアスですが、そこに感情と説得性を持った歌詞、歌唱がのればもう満点ですよ。

そもそもこの曲は、みう先輩とぱんにゃの白き別れのところで、ここぞ!というところでまさに「挿入歌」というベストタイミンで入る演出であります。

「もう泣いてもいいよね 強くなんてないよ」
シーンもそういうものでした。いやー、演出ってすごいな、歌詞と音楽とゲーム内容(みうルート)をここまでリンクさせるか、という。それは「エロゲはアニメ文化発祥なんだから、アニソンのせておけばいいだろ」的な考えとは全く光年離れているものです。
とはいうものの、当時からこれは思っていたのですが、ぱんにゃとの別れ、というゲーム内容に自分はいまいちノれなかったのですね。だから、ここでこうやってエモーショナルにグワーっとアゲられても、どうにもテーマにノれない以上、そのシーンでグワーの号泣にはなれなかったです。しかしそれはゲーム内容と自分との個人的齟齬な話であって、ゲーム内容にぴったり感性がドはまりしてしまった人は、そりゃあこの曲をゲームとの相関性において、神曲認定しますよ。

ゲームとの相関性における神曲認定ですが、これ難しい問題ですよね。少なくともわたし自身、「memories are here」はカタハネあっての歌ですし。もちろん曲自体がいい、っていうこともありますし、このさよなら君の声にしたって、もともとの曲がいいし、シナリオもいいらしいし(まだ言う)、そういうどっちにしたって三ツ星レストランのメインディッシュなモンなのですから、そりゃあ神曲にもなりますよね、って話。すべての挿入歌、OP曲、ED曲が、本来そうあるべきなんでしょうけど。
もちろん、微妙な齟齬があってこその挿入歌道、OP道なのだ、と言われたらそれもそうかな、と思わなくもない。そこんとこは、また微妙な齟齬をきたしてるOPの感想とかでやってきたいとは思いますが。

ともかく、2009年の時点でこのような曲に触れていた、というのはエロゲ再復活体験として、かなり贅沢な経験をしていたんだなぁ、と感慨新たにするところです。それを思えば、今のエロゲにおいても、良い曲、よい演出というものはありますよね。なにしろ2009→2017であります。時間って経ちましたね。うわー8年かよーと思います。いつのまにかわたくしもアラサーっていうか来週32になるけどさ。それでも、この曲を語るにおいててめえが懐古してる……ようで、実は音楽を虚心に聞いて未だに「おおぅ」みたいに新鮮な気づきがある(なにしろストリングスの件でありますw)っていうのは、この曲の力でもありますし、やっぱり自分はエロゲが好きなんだなぁ、っていう話でもあります。キープ・オン・エロゲであります。エロゲをやったらやっただけ、その「自分エロゲ史」は、きっと自分をあたためてくれるものだ、と思うのです。たとえその時は「この記憶なんになんのかなぁ、無駄になるんじゃねえのかなぁ」とは思っても、時間を経ってみれば、案外そうでもなかったり。ここでこういう文章書いてるようにね。だから、キープ・オン・エロゲであると同時に、もう少しだけ生きてみる価値もあんのかな、って思ったり。そんなわけで、もうちっとだけ、このエロスケにおける「さよなら」を先延ばしにしたいですね。まだまだ皆さんのレビューと言う「声」も聞こえてきますしね。
得点(200点~70点) 120点~200点は100点として集計します。
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