空気力学少女と少年の詩

空気力学少女と少年の詩(ボーカル有り)

音楽得点分布

得点度数グラフ
10084
90~9914
80~899
70~793
60~690
50~590
40~490
30~390
20~290
10~190
0~90

→ 得点ごとのコメントを見る

コメント(新着順)

夏に聞きたくなる曲ベスト5にランクインする曲。
この「素晴らしき日々」のOPの音楽感想は、ピクシーズ「Alec Eiffel」との比較をしてます。テーマはひとつ。「空気力学(エアロダイナミクス)」とは。


#1)ピクシーズの詩、ブラック・フランシスの屈折

「モエかん」の昔から、すかぢはピクシーズというバンドから言葉を引用します。
実際すかぢは以前Twitterでバラしておりましたが、この「すばひび」もピクシーズからの引用があります。そう、空気力学。

ピクシーズというバンドがいます。アメリカはボストンで結成され、爆発した狂気の轟音、金切り声をぶちかましたと思えば、時に奇妙に抑制したり、また変なネジくれたユーモアをかますバンドでもあります。一言でいえば、変なバンド。
リーダーでギターでボーカルは、ブラック・フランシスという……まあ、当時はパッと見、パッとしない、ちょいオタクっぽくて鈍そうにも見える青年でした。服装もカッコ悪い。(その後、物凄い禿頭の巨漢になる)
そんな青年は、変なものをやたらと摂取します。SFや、スペイン文学や、古い音楽や映画。それが彼の妄想頭脳のなかで、発酵して科学反応して、異様な世界を作り出します。
ていうか発想からして、着想からして違う。「Alec Eiffel」の歌詞ですが、こんなふうに残響は意味を把握して、訳してます。


Pixies 「Alec Eiffel」
(作詞作曲・ブラック・フランシス)
(訳・残響)

空気力学のパイオニア
(チビのエッフェル、152cmのエッフェル!)
皆は彼をマジ頭良いと考えてる
(チビのエッフェル! クソチビのエッフェル!)
アレックが「大きい」って考えてるものを、
皆はそれを男根崇拝って呼んでる
(ちっけえエッフェル! Little Effel!)

アイツら皆、彼のパノラマ的な視点なんて分かりゃしなかったんだ
チビのエッフェルはアーチ通路の下に立っている。

身を低くし続けることで意味なんか生まれやしない
いつか民衆は、ごっついクソみたいに密集するだろうさ
アイツら、塔なんて求めちゃいない。
でもアレックは他のやり方で塔を作る。

(小さなエッフェル、何がそんなモノ残るもんか!)

身を低くし続けることで意味なんか生まれやしない
身を低くし続けたら感覚能力は消えてしまうんだ!

小さいエッフェルはアーチ通路の下に立っている。


アレクサンダー、君の立つ姿が、空気力学のアーチ橋の下に見えるんだ
俺には見えるんだ、君の立つ姿が、
空気力学のアーチ通路の上に……
見えるんだよ…………アレクサンダー!



ーー「アレック・エッフェル」とは、パリのエッフェル塔の設計者、アレクサンドル・ギュスターヴ・エッフェルのことです。
この歌詞、かなり意訳しています。(   )内は全部「Little Eiffel!」っていう掛け声コーラスですから、意味を取ろうとするとかなり意訳になります。

しかし、屈折してます。その後パリの代名詞ともなるエッフェル塔の設計者、のちの空気力学(航空力学)の先駆者だったエッフェルの人生に、何かを見出して、何かを語ろうとしています。

エッフェル塔は、1889年にパリで行われた第4回万国博覧会の目玉として建築されました。当時(としては)、この奇抜な高層建築は議論を呼びました。パリの美学を損なう、みたいな。モーパッサンはメッチャ嫌った。グノーも嫌った。しかし、やがてこの塔の価値は、今やもう確定ですね。近代建築の粋のひとつとして。
また、この塔は鉄骨のみで組み立てられたトラス構造の塔ですが、それはつまりは力学の表象といえました。力学……そう、これは、「ただ石を積み上げて高く高く」の建築ではなく、力学の理論を基にした近代建築であります。ようするには、個人の思考による意志、意志による思考が導いて、世界にひとつの成果を打ち立てたものです。
空気力学の。


#2)すかぢの詩、空気力学

ディレイのきいた、不思議な歪みの高音ギターからこの曲ははじまります。しかしドタバタしたドラムです。ベースはどこまでもまっすぐに。ああ、ああ、これこそが「オルタナティヴ・ロック」! そこにはヘヴィメタルの重音はないけれども、どこまでも虚空を貫き、空を駆けるかのような音がある! ピクシーズ、ソニック・ユースなどのバンドが切り開いてきた、細い音が無限に世界を駆け巡る、美の表れ……ノイズの中に人間性と自然性を見出し、哲学や文学性すらもギターノイズと共に語っていく、それが「オルタナ」です。決してメジャーではない。常に影の存在、常に「もう片方」というか、「王道とは違う別の価値観」。王道には王道たる所以があるとわかっていてもしゅぷれーむ、という感じです(わかるか!)

正直、自分、エロゲソングを聞き始めたとき、趣味に合う曲はほとんどありませんでした。でも、この「空気力学少女と少年の詩」だけは別です。本物のオルタナだ。バンドサウンドは線が細く、それでいてどこまでも切れ味が鋭い。始終ドタバタするドラムなんか「これでなくちゃ!」と思わせるし、エフェクトかけまくったギターは「これなんだよオルタナギターの美学は!」という魔法です、魔法がかかってるんだよこの曲には!

「歌い上げる」と「語りかける」の中間でありながら、浮世離れした空気感のはなの歌唱は、もうこの曲にどうしたって欠かせないものです。「この歌詞なんなの?」と思うと同時に「意味わかんねえけど格好いい!」と思わせる。深い哲学的意味性をめぐって、この曲の考察をしているすばひび読者は今日も生まれ続ける。

もうちょっとこの最初のディレイギターについて語りましょう。メインのフレーズ(タラララララララ、タラララララララ)は、「孤独だろうが、その先が孤独だろうが、理解されなかろうが、自分はこの音を空に放つんだ! 世界に響け!」と音楽モノの漫画のように意思表明するかのごとく高音が放たれます。決して演奏的には高度なことはしていない、おそらく開放弦を使ったトリル奏法の単音フレーズ。けど、ショートディレイや、おそらくファズを使ったエフェクターの音作りなどは、高度すぎるほど高度で音楽的。そのバックで、アンプを歪ませてコードをストロークしているのが、メインのフレーズと同期させてふしぎな厚みを得ています。ふつうこういうバッキングだと、もっさりした「音の壁」ができてしまうのですが、この場合、どこかその壁感が薄い。でも、その薄さには意味がある。これをシャープな音といいます。それが描いてるものを言い表すのは難しいですがーー孤独な存在性を、保証してるというか、「これでいいんだ」って言っているというか。ドラムもそれに承認を与えるかのように、スネアを裏打ちでスッタンすったんと響かせます。不思議なほど人懐っこいキャッチーでありながら、どんな夏であろうとも「さわやか」では言い表せないほどの冷たい疾走感があります。青春? そんな手垢表現など、まみれの天使!
もうこの最初のディレイギターでヤラれたもんです、わたしは。

歌詞のことについて今は深くは語りません(いずれすばひびについて語るときのために)。ただここでも、のっけから「空気力学」と歌われます。それに意味がないはずがない。
しかし、「この曲流のダウンビート」というか、サビ前で落ち込むところがあります。そこで「空の青 水に変わり 溺れる人々 世界で沈み」という、矛盾した表現でありながら、この表現でしか洗わせられない世界。「輝く翼で 水をかき分けて 行くんだ」……この表現はなんでしょう?

ここで空気力学です。もっとも、「Alec Eiffel」における空気力学(エアロダイナミクス)とは、正確には「航空力学」で、空気力学の中でも航空機を対象とした領域のことです。ここで揚力や、ヨー軸やピッチについては語りませんが……w いわゆる飛行機の先端フォルムが「魚」に見立てられてることはよく知られたことです。流体力学ですね。そういう方向から見たら、魚と鳥はむしろ近い。

さらに補助線を引くならば、聖書における「生」を象徴しているものは、魚であるという見解も。(イエスの最初の弟子ペテロは漁師でしたし、少量の魚とパンを無限に増やすって奇蹟も)。ただ、イクテュス・シンボルの方向から見ると、これは初期のキリスト教徒の隠れシンボルだからこそ、十字架的に輝いてもいず、世界に対してマイナーであった、という風なシンボリズムでもありました。

そういう風に、メタファー上の補助線を引いてみると、この曲の矛盾表現の美学がよりわかってきます。この詩は単なる幸せなんか歌ってなくて、ひとつの孤独な精神が、世界から疎外された精神が、それでもどこまでも飛んでいくんだ、という詩です。っていうかそのことってこの曲のファンだったら誰でも知ってるっつうの!

だからもっと深く読まなきゃならない、ここまで文を重ねたからには。
で、空気力学、航空力学のことですが、「空気をかき分ける」というのは、今ここでニューリン、もといニュートン力学はやめときますが、何らかの空気抵抗を受けるということです。空を飛ぶということは、何の抵抗もなく理想環境下で飛べるという抵抗なしのものではありません。だからこそひとは空気力学でもって抵抗を減らそうと考えます。

その抵抗を減らすということは、「身を低くし続ける」ということとイコールなのでしょうか。あるいは、身を低くし続けることを良しとして、日々を暮らし続けることをどこまでも肯定するのでしょうか。
この歌は……そうではない、と言います。いくら自分がエッフェル的に世間の無理解だったり、男根崇拝と揶揄されても。ブラック・フランシスが奇妙な妄想を抱き続けて、それでも空気力学のアーチ橋の下に立つ小さな偉大な男に自らを重ね合わせたように。すばひびのキャラは……すかぢは? それはここでは語りきれないけれども、ある程度わたしが言いたいことっていうのは、ちょっと伝わったかなぁ、って思うのでありました。空を飛ぶことは無抵抗条件では決してありえず、水の中で溺れるような感触さえありますが、それでも空を飛ぶことの意志と、空を見続けること。孤独のなかで病むことと、それでも孤独の中の美しさを見出すこと。

それらを全部踏まえた上で、そんな空気力学少女は、少年と出会うっていう、ね。そんな詩です。
哲学をモチーフとした作品の世界観にマッチした歌詞と、疾走する美しい旋律が否応無く気持ちを昂ぶらせてくれます。
はなさんのvoとキャッチーなメロディーが 聴きやすいです
イントロのエレキが印象的な、ポップで軽快なオープニングソング。スパマタる直前のざくろちゃんが歌ったような歌詞でもある。やべこれ本当の意味(?)で電波なソングじゃね。
szakさんを初めて知った楽曲。
綺麗なシャボン玉のような透き通るような曲調ではなさんが歌うメロディーとギターが素晴らしい。
ゲームに沿って書かれたすかぢ氏による作詞もゲームをやり直したくなり感慨に浸れる。
もう何回聞いたことか………。本編をプレイする前もプレイした後も変わらずに名曲でした
ゲームをよく表現してる。曲調もミステリアスな感じ!!
イントロから惹かれる。そして、透明感のある歌声も秀逸。

ログイン






検索