ベラドンナ -Atoropa belladonna-

ベラドンナ -Atoropa belladonna-(ボーカル有り)

音楽得点分布

得点度数グラフ
1000
90~991
80~892
70~791
60~690
50~590
40~490
30~390
20~290
10~190
0~90

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コメント(新着順)

ここまで楽器隊が目立つエロゲソングは珍しい。抑揚のない消え入るような歌声とは対照的に、これまたまぁ、後ろはガヤガヤ、ドンドンうるさい。特になんですか、素人が思いっきりふざけて叩いたようなドラム…………かっこいいやんけ。エロゲソング史において一際異彩を放つダウナー系ソング
かさぶた掻きむしるようなスクラッチ音。きもちいい。

 たぶん個人的な感じ方とは思うけど、聴いているうちアルコールがまわるようにして、気分の落ち着く曲調となっております。ただ、アルコールなので実際の疲労回復効果とかではありません。聴いてるあいだだけ疲れを認識する神経に被膜がはっていき、ささくれだったものとか鈍麻していく感じ。かわって副交感神経がきゅんきゅんしてくると、だらだら何時間もこれだけ永久ループで聴き続けちゃって。やがてヘッドホンを外したときにドッと疲れがおしよせて後悔するんです……。クセになりますっ。

 まるで銅板でも叩きつけるようなドラムの抑揚ない音 (こいつが疲れる原因かも)。昼さがりのサスペンスドラマみたいに、やる気のない悲鳴を上げるギター (こいつも地味にダメージ蓄積させていくふう)。そのなかで、気怠げというか投げやりに口ずさまれる歌。それら全てがうるさいのに、薄ぼんやりと膜がかかったような音づくりで焦点ぼやけているから、いつしか包み込まれているみたいで。ベースが長く伸びたときのくぐもった音と、そこで弦から弦へと渡るときの音色模様などには惹かれます。羊羹色・蝋色・羊羹色・蝋色・羊羹色・濡羽色とでもいうふうに、ほとんどモノトーンだけで移り変わっていく音づかいです。
 そんなふうに楽器たちから見放されているからか、ボーカルラインにも盛り上がりや聴きどころを作ろうとする意思がなく、どうしようもなくダウナー。ザラザラしたひとりごとを呟き続ける。そこへとギターのだすスクラッチ音がからみつくのが最高に気持ちいいんです。ザラザラしたものをひっかく音は、かさぶたを掻くときみたいに快感でして、健康にはならずとも今だけは気分がおさまってゆきます。

 ほんのりネガティブな表現ばかり並べたけど、別に当てこすりたいわけじゃなくて。ちょうどわたしが安心できるくらいに、おどろおどろしい色合いをしているという話なのです。小さな頃に『スヌーピー』のアニメで、ライナスがハロウィンの夜にかぼちゃ大王を延々と待ちつづけるお話を見てた記憶があるのだけど。そのときの、不気味なものと隣あわせになってもぜったいに物語の登場人物たちは傷ひとつ付かないとわかってた頃の感覚というか。
 「ベラドンナ」のおどろおどろしくあやふやな音のなかに、ヘッドホンにこもりたくなるのは、あの毛布にくるまれている安心が恋しくなるからだと思うのです。あれです、アロちゃんみたいなんです (蜜音がもってたアホロートルのぬいぐるみ)。ギュッと抱きしめたまま連れ歩きたくなる触り心地をしてるんです。お気に入りの毛布とか、ぬいぐるみとかは、なんかカワイソウだから洗濯できないまま、どんどん薄汚れていって愛着とか染みついてゆくものじゃないですか。そんなふうにくたびれるまで聴いて耳になじんだ、お気に入りのエロゲソングのひとつです。

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