アマオト

アマオト(ボーカル有り)
再生時間 00:04:17
初出日 2007年03月20日

商品

画像商品名カテゴリ
12 Storiesアルバム
CUFFS SONGS BESTボーカルコレクション
アメサラサ オリジナルサウンドトラックサウンドトラック

音楽得点分布

得点度数グラフ
10016
90~997
80~893
70~790
60~690
50~590
40~490
30~390
20~290
10~190
0~90

→ 得点ごとのコメントを見る

コメント(新着順)

恋の話じゃなくて、雨の歌みたいだと思うのです。

 Duca・黒須克彦による名曲ですね。これが発表された頃というのは、わたしがエロゲソングをよく聴くようになり、新しい歌から昔の歌まで、とにかく次なる歌へと、渇きを満たさんとばかりあさっていた時期でした。『12 Stories』に飛びつき予約して、発売日を指折りかぞえて、やっと届いたダンボールをおごそかに開封すると「特典ディスクの梱包がショボい!」って笑ったことごとも、つい昨日のように思い出されます。エロゲソングに今よりもずっと飢えていて、みずみずしい体験であった頃に出会った歌だから、いまなお記憶は鮮やかなまま。

 そうした思い出補正ゆえかもだけど、わたしの耳のなかに、ものすごく熱っぽく響く歌なんです。この曲でのDucaボーカルからは、器用さとか技巧といったものがすべて引っ込んで、ただもう熱量のみが満ちてくふうに聴こえてしまいます。とってもハングリー。ふりしぼられる歌声が、渇ききったところから響く叫びが、「アマオト」の魅力をかたちづくっていると感じるのです。
 雨の匂いがしないサウンドだと思います。ギターの響きはカラリとした空気を伝わってきて、シンバルだって水切れよく、ピアノも湿った情緒をつけたりしません。ここではボーカルも楽器も、初夏の大気みたいにさばけており、声が嗄れるほどまで熱中して、じりじりボルテージを上げていく。ぜんぶの音が気持ちよく渇いてます。だからこそ雨がくる予感へと武者震いしてる歌詞はたまらなく、からだに沁み込んでくるのですよね。
 この歌のなかでは雨が恋を象徴しているのだけど、湿気らないサウンドによって雨は遠ざけられたから、恋の話のジメジメしたところはきれいに脱水されることに。乾ききったグラウンドに立つと、たっぷり水分を抱えた夏雲がやってくるところを仰ぎ見ているようで。視線が上を向いてます。恋をつらつら語ってしまうことなしに、空に浮かべたものへ思いきり叫んで、憧れをふりしぼるから爽快です。

 ところで、わたしは恋愛とかやるの苦手だし下手くそなほうでした。あれは本当に素晴らしいものではあるけど、ときどき痛痒くて、しんどくもあって……まぁリターン相応には難儀なものだと思うのです。
 だからエロゲみたいにして "恋愛そのもの" が存在しない世界を眺めているときに、ちょっとホッとして人心地ついたりするわけで。ここで待つのはあくまでエロゲヒロインであって、女の子じゃないから、彼女たちのことを大好きになってしまいます。いっしょにご飯とか食べたい、デートしたい。ふつうじゃ許せないくらいダメなところも知ってみたい。愛とか交わしてみたいし、なるだけ親切でいたいと思えます。
 エロゲに限らず恋物語というのは、当たり前だけど "恋愛そのもの" でないからこそ存在意義をもっているわけで。恋が雨によって象徴されながら、サウンドからはきれいに水気を飛ばしきった「アマオト」が胸の奥にまで響くのは、そうした在りかたに素直だからかもしれません。喉をカラカラにふるわせながら恋のみずみずしさを歌うと、夏の雲みたいにくっきり、その美しさをなぞってみせようとする一曲です。

>>
雨は慈悲を象徴し、日光は慈善を象徴しますが、雨と日光は、慈悲や慈善よりも優ります。さもないと、それらは象徴する対象を引き下げることとなります。
<<
Ducaの代表曲の1つの雨ソング。最近のそつのない完成されたDucaも良いけれど、この歌の頃の心に響く情感のこもった歌声はまた格別。
どんなに年数が経とうとも色褪せない。名曲が多いducaさんの歌の中でも屈指の名曲

検索