yumekuiさんの「娘姉妹」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

64娘姉妹
攻略対象が実子である事を理由に主人公の言動をキモいと断じることはできるが、実子に限らなければ誰しもが一度はやってしまったか、やりたいと思うような男の性がありありと描かれているので、ノーマルな性癖の持ち主でもブーメランをくらう可能性大。
当時は凌辱かハーレムロリが蔓延していたのかもしれないけど、
それらは成人の主人公とロリヒロインの関係性を描くのを、
セックスにまでこぎつけながら頑なに放棄していたのではないだろうか。
言ってみれば制作サイドにおいて、ロリは題材ではあっても作品の素材でしかなかった。

だが本作は、親子というもっとも密接な近親関係においてそこらへんを放棄していないように思う。
序盤からリード文が正常な思考で読み解くのを阻害してくるものの、
「主人公の言動があまりにも作品のテーマの核心を突きすぎていて受け入れられなかった」ような気がしてならない。
このゲームをプレイしてこいつ(主人公)は本物だと思ったユーザーは多かったと思うが、
果たしてそれは称賛と侮蔑、どちらの言葉なのか。
私はどちらでも構わないと思う。
なぜなら、それは作品をプレイし終えてからテーマに賛同できたかどうかの意思表明にすぎず、
親子愛そのものへの直接的な否定ではないと思うからだ。

親子でセックスしたらいけないと一般論で簡単に否定することはできる。
だがそれを乗り越えて簡単にセックスにこぎつけるのがエロゲーの世界線で、このゲームを手に取るぐらいの人間ならば、
ゲーム内であれば「どんな状況下で登場人物たちがセックスしようと」そこまで驚かない。
もちろん、こんな状況でおっ始めてんじゃねーよアホという心は半分くらいあるが、
そこでプレイを投げ出すことはエロゲーマーならしない。
だから、どれだけぶっ飛んだエロシーンでもエロゲーマーはあくまで否定はしないスタンスなのだ。
実の親子でHしてもまあ仕方ないといってるも同じなのだ。

そう考えると、「いやーないない、これはないわ実の娘に対して」
が序盤から連続するこのゲームはエロゲーマーの目にどう映るだろうか。
普通のロリゲーであればただの属性ゲーだとプレーヤーが判別して、
これはロリゲーですねと断定する。
それはある意味、属性ゲーという範疇に入れることで
そのゲームが持つ価値や意味を決めてしまったも同じだ。
さて、本題は娘姉妹のことだ。
本作を「ロリの風雲児」と評すれば板につくが、
「ロリの定番」と評すれば個人的にしっくりこないのはなぜだろうかと思う。
つまり、娘姉妹にはただのロリゲーと一筋縄にくくれない何かがあるような気がしてやまないのだ。

どんなゲームにおいても日常とその崩壊の境目みたいなものがあり、
どこからエロシーンに移行するかの駆け引きがある。
凡百のエロゲーだとその境目は急なんだと思う。
例えば主人公もヒロインもいい子ぶったりカッコつけてるゲームが大半だが、
いざその時になれば性器同士の熱い衝突が始まる。
お前ら厨二的な喋りをあれだけしといてそれかよと。
一体何の必要性に迫られたのか知らないが、それが彼らの本業である。

それに対し本作は、日常と崩壊の境目がスタート地点だったことがよかった。
こちらが○○ゲーなんだなと断定する前にふいうちをしかけてくる。
開始早々、自分の娘の写真を表示した携帯に射精したり、実娘の使用済み下着を抵抗もなく日々の糧としている。
こんなスタート地点を誰が想像しただろう。

ただ注意してほしいのは、そんな最悪の人物像を提示しながらも、
過程をすっ飛ばして直接事に至るようなゲームではないということだ。
プレーヤーが唐突に突きつけられる父親の変態っぷりに反してストーリーの運びは非常にゆるやか。
登場人物間のストーリーの崩壊は娘たちへの小さないたずらの積み重ねでしか描かれない。
あくまで家族視点では父親と娘たちの新生活がスタートである。

プレイ開始時点から最悪の人物像を提示することでプレーヤーの思考を縛り、
そのまま凌辱にもっていくというゲームは多々ある。
だが、そういったゲームにおいてプレイヤーはその人物像に納得しているわけではない。
問答無用にそう読むことを強要されている。
本作は、主人公の性格はあれだけどどう見てもストーリーの運びは「娘たちとの生活」が主題だ。
それがどういう方向に向かってしまうかはさておき、
娘姉妹をやって父親も悪くないなあと思った人は少なくないと思う。
だから親子愛への直接的な否定ではないとした。
地の文さえ何とかすればシナリオゲーが好きな人でも読んでいて普通に楽しめる。

主人公の下劣さとほのぼのとした生活のギャップを半笑いで見ながらも、
主人公のダメは悪いダメからだんだんいいダメになってくる。
主人公が表面的な行動はわきまえた父親であること。
娘に気づかれない範囲で至る所で射精してしまう甲斐性のなさ。
十代前半の頃に誰でも興味を持ったような、
発育途上の女の子の体へのワクワクドキドキ。
そういったものがこのゲームには少なからず凝縮されている。
ただのロリゲー、近親ゲーと断じるには早計と言わざるを得ないくらいに。
男の性がある私は完全に主人公を否定できなかった。
そういった面でただの属性ゲーと揶揄することにブーメラン要素がある。

また、不満点もレビューを見る限り散見される。
小鈴√がいまいちとか、主人公についていけないとか、変態度の減少とかご都合主義とか。
実際自分も同じように感じ、その点に関しては減点した。
だが、この親子愛を否定している人は少ないような気がした。
実娘を対象としたエロゲーには家族愛など踏みにじる凌辱も多い中で、
このロリの風雲児が実娘への頑なな愛を貫き通したという証拠ではないだろうか。
本作はそれ故に愛が歪んだと結論づけたい。

この娘姉妹はプレーヤーの不満点が共通してみられるし、
誰もが身を譲ねられるほどの壮大なテーマを扱ってもいない。
故に名作とは言えない。
一方、どんな人が読んでも否定しがたい本質のようなものを、
他にはない切れ味で描いた傑作ということは出来るだろう。
名作が得意とする壮大なテーマや、ひたすら驚かされる展開とは異なるが、
意識に浮かんでこない部分を浮き彫りにしたり、
読んだ人の胸に残るような、
分かる人には分かる深い心情が描かれている。

補足:
√によってはただの快楽主義のご都合展開だったりするので、
あくまで共通部分の進行に絞って見て頂ければいいかと。

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