えびさんの「ティンクル☆くるせいだーす」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

絵23+文19+音23+他13 独走するシナリオに追いつけましたか? 強靭な精神力で、ゴールされた方、おめでとう。(←ただ、それに要するプレイ時間を振り返って、愕然とされていないことを祈ります)
新ブランド立ち上げから、発売までのスパンの長さ、更に発売延期も乗り越えて、そ
れでも、この作品は、発売前からユーザの期待を一身に受けてきました。そして、な
により『プリっち』という過去作品の、後継として、あまりに高いハードルを押し付
けられた作品なのです。
クリエーターの心中は御察ししますが、だからといって、半端な出来では納得できな
いのが、待ち続けたユーザの心情。
……さあ、待ちわびただけの作品に仕上がったのでしょうか? あるいは――

映像面・・・
立絵の造形は文句なし。一枚絵は、どうにも『お人形さん』っぽさが、私的に微妙な
面もありましたが、間違いなく綺麗なCGではありました。
塗りも色使いも良く、非常に優等生な出来栄え。やや背景があっさりし過ぎなのと、
枚数自体のボリューム不足感は、マイナス評価。
うん、しかし、OHPや雑誌、あるいは商品のパッケージなどなど、あらゆる事前情
報で見せてくれた期待を裏切らない出来のCGでした。それは、予想以上のものでは
なかったという裏返しなのですが……そこは、安定感があるということで、お茶を濁
しておきましょう。

シナリオ・・・
な、なんだ、このシナリオは! シナリオへの入り方が、微妙すぎる。プロローグは
別としても、主人公の自己紹介的なものとか、そういう『枕』もなしに、いきなり始
まるから、スタートダッシュで置いてけぼりをくらう。何時になったら、追いつける
んだろう……
……
……
と、そんな不安な幕開けの、本作のシナリオを、プレイ順の雑感と共に。

<ナナカ>
あー、良かった。パッキーが出てきた辺りで、ようやく上位集団の背中が見えてきま
した。この感じなら追いつけそう。
このシナリオでは、『ピース谷村洋菓子店』のイベントで、やっと2位集団に追いつ
いた感覚。けど、やっぱり、背中の見えないトップランナーが、大会記録ペースで独
走しているかのような不安が残ります。
結局、11月末頃から完全に個別ルートに入る頃になって、オーバーペースのトップ
ランナーがスローダウンを始めるというのが、各シナリオに共通するシナリオのリズ
ムのようです。
シナリオのペースが安定してくる頃からが、このシナリオ本来の持ち味が発揮され始
めます。ベタではありますが、ナナカのキャラクターはなかなか可愛らしく。主人
公・シンとの間の『やきもき感』は、丁寧に描かれています。それなのに、エッチが
ぱっとせず残念。内容自体は、濃さを求めてはいないのでいいのですが、もっと感情
に訴えてくる台詞で演出できなかったのかと思うのです。
さて、『幼馴染は蕎麦屋の娘』って、なんか古典的なベタだったような。うーん、元
ネタはなんだったかしら?(【追記10/12】あー、『転校生』かー、なるほど)
★うーん、このシナリオは、後半の追い上げで、からくもトップをかわした感じ。

<ロロット>
★トップの背中は見えたが、ラストの上り坂でかわせなかった。
ロロットのキャラクターは、なかなか面白かったです。彼女を交えた日常のやり取り
は、雰囲気も良く楽しめました。作品の序盤から、一貫した雰囲気を維持できている
のは、ロロットのシナリオだけかもしれません。(←まあ、作品の序盤が良いのか悪
いのかは……また、それは別問題なのだけど)
ラスト付近が、やや消化不良に思うのは、ラストバトル以降の間延びした展開のせい
かもしれません。『シンが魔王』という設定が、生殺しにされているからかもしれま
せん。または、そもそもこのラストが安直過ぎるからかもしれません。
不満はあるものの、日常にある微笑ましい雰囲気は、それなりに好きなシナリオでし
た。

<聖沙>
★アップダウンの激しすぎるコースに翻弄され、とうとうトップランナーの背中は見
えなかった。完走した自分を褒めてあげたい。
うーん、キャラクターの暴走具合と、シナリオのカオス具合が、かなりイタい。バト
ルの盛り込み方も、ひどく偏っており、シナリオにもバトルにも『ダレ』てしまう。
ゲーム内時間で、2週間もバトル無しというのは、あまりにもバランスが悪いという
か、テンポがむちゃくちゃというか……
パズル的要素を含み、基本的にランダム要素の無い(皆無じゃないが)ゲームってい
うのは、クリアした時の爽快感とか、ハイスコア時の達成感だとか、そういうものを
楽しむものじゃないんだろうか? そういう種類のゲームありきで作られた作品とし
て、コンセプトを根底から揺るがす、大問題なんじゃないのかなー、こういうシナリ
オのテンポの悪さって。
聖沙というキャラは、グラフィカル的にも好みだし、声優さんもまあ好みの方(非公
開ですけどね)なので、期待が大きかった分、落胆も大きい訳です。
しかし、『なかだし/そとだし』の王道な選択肢はともかく、『着衣/全裸』の選択
肢って、すごく久しぶりに見た気がする。ちょっと昔のエロゲだと、この選択肢も王
道だったよなー。

<リア>
★トップとの並走時間は長かったものの、ラストにはきっちり帳尻合わせて、ゴール
できました。
取り立てて、凄い部分があるわけでもないのに、安定感があるシナリオでした。
リアというキャラクターがほどほどのアクと、ほどほどの萌えを備え、ほどほどのテ
ンポで進むシナリオは、ほどほどに微笑ましく、ほどほどに燃える。このほどほど加
減が上手く、本来、ゲームありきでファンタジックな作品としては、こういうシナリ
オこそ求められるんではないかと思います。
全シナリオ中、魔王様、最強だし。

<アゼル>
世界を破滅させようとするアゼルが、世界の記録を写真に収めるという設定は、見事
だと感じました。そして、その葛藤を描く事も、妥協していません。そしてそして、
なによりも……アフターの一文での、あまりにも綺麗な閉め方に感動しました。
本作の各シナリオは、言い捨ててしまえば、『無駄に冗長』が目立ったのですが、こ
のシナリオに関しては、読ませるテキストが冴え、敵味方問わずキャラクターの魅力
を存分に発揮させ、シナリオの長さが苦痛になることはありませんでした。
★結局、満足いくゴールを迎えられたのは、このシナリオだけかなー。

音楽/声優・・・
音楽はなかなか良く、特にバトル向けの曲は全般的に好きです。
特に、ラスボス向けの曲は、力入ってますねー。こういう疾走感に溢れた曲って、シ
ューティング好きの血を騒がせるんだなー。
アゼル向けの『Chant Of Seraph』も好きですが……
バイラスにゃま向けの『One for all,all for one!!』これに尽きます。
……かっけぇ!
一方で、歌モノが、もう少し栄えればなと思ってしまいます。というか、ここまでB
GMに拘りながら、歌モノはベタの一辺倒というのは……。少しくらい作品のイメー
ジから飛び出してもいいので、一曲くらいは『本格的』な曲があってもいいんではな
いかと思ってしまいます。
1stOP曲である、『ユメミボシ★boom!boom!』は、確かに、『本格的』とは対極
のポップさを求めた曲なのですが、作品のオープニングとしては妥当で、ボーカルも
嫌味が無く、よい出来だと思います。
また、2ndOP曲として位置づけられた『Growth of mind』は、曲の入りからして
なかなかインパクトがあり、キラキラ感が魅力的です。しかし、、ボーカルの安定感
の無さや、キラキラ感が次第に盛り下がっていくのが、とても辛く感じてしまいまし
た。
声優は非公開。全般的に質感に偏りがありそうなのに、実は誰も被っていないという
キャスティングの妙。更に、その名前だけで作品を売れてしまえるような、エロゲ的
メジャーどころをあえてサブキャラに振るなど、ボリュームのある作品だからこそ、
実は重要な要素をきっちりと抑えています。しかしながら、そこは惚れた弱みという
か、自分の好きな声優がサブで留まっている事を残念に思う気持ちも、あったりなか
ったりするわけですが。
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