moulin rougeさんの「あると」の感想

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90あると
大きな感動や刺激が少なくスローペースな感じですが、恋の予感を感じさせる秀逸なOPに加え、あらゆる面において丁寧に作り込まれているのが好印象でした。学園生活とバイトの両立により、定番な舞台でありながらも他の作品にない魅力や独創性を強く感じました。恋人になる前後の恋愛過程も非常に現実的且つ自然体で、学園純愛ADVとしては完璧に近い完成度。恋愛のドキドキ感も直に伝わります
ちょっと点数高めにつけましたが、本作について感じたことを語りますと…。(ちなみに翔子のシナリオは、ちょっと例外として話を進めます)



見ての通りですが本作、幼なじみ、義妹など、美少女ゲーにはもはやデフォともいえるべき「実世界においては反則的キャラ」という、存在がいません。そして主人公とヒロインは恋愛に初という、誰もが初めはそういう状態であることから、思春期の恋愛物語を表現するにおいて、今まで女の子と接点がなかった主人公が恋をして、恋人になるということは、普通に感情移入しやすいのではないかと思いますので、ある意味恵まれた条件かもしれません。


「学園生活+部活」なら「with you」とか「はにはに」とか結構ありましたが、今まで「学園生活+バイト」で恋愛が成立していくという、学生生活を表現してきた物語は意外にもなかったように思えるので、ある意味新鮮でした。突然女の子が家に押しかけてきたとか、ご都合主義とかでなく、バイトをして偶然恵と職場が同じだったから仲良くなったりとか、非常に身近に感じる出会い方が良い感じ。


そして、一日一日の描写がとても丁寧で、女の子との恋愛を体感させる描写が非常にすぐれています。朝起きて登校して、昼食べて、バイトして、家に帰って、就寝したり。あとはバイト帰りにヒロインと一緒に帰るシーンとか、何度も何度もそれを感じることで、徐々に心が変化していく様は、見ていて微笑ましかったです。途中でダレることもありますが、それだけ日常描写が丁寧に表現されているのかなあと、思ったり。



美少女ゲーにありがちな「つん→でれ」とか、「告白し(され)たらすぐH」とかいうことはなく、呼び方が「成瀬先輩→将人先輩→将人さん」と少しずつ距離が小さくなっていくのを感じられたり、「手を繋ぐ→腕を組む→キスをする」とか、そういう段階をきちんと踏んだ非常に恋愛描写が丁寧で、付き合う前と付き合った後の気持ちの変化も、少しずつ感じ取ることができるような、現実味のある恋愛描写がとても良かったです。シナリオにもよりますが、主人公の女の子に対する心境の変化も非常に丁寧で、君が望む永遠の1章、Clover Heart’s1章(白兎×玲亜)並みに青臭く、丁寧に表現されていたのが好印象でした。



また付き合いだした後のヒロインの心境や悩みも非常に現実的で、事故とかで無理矢理方向を変えたりすることもなく、例えばヒロイン側の家庭のゴタゴタとか、主人公にとって間接的なものでなく「2人が恋人になり、好き合ったから」こそ悩み出したものが多く、恋人としての気持ちをとても大切にしています。EDでも「こうして2人が出会い、恋人になれたから夢が叶った」的な幸せを描いた終わり方はロマンがあって、かなり好きです。



それらを考えると、本作はまさに無駄のない、特上の恋愛物語と言えます。


以下は、主観による勝手なキャラ雑感


 橘恵 キャラ萌え:★★★★★★ シナリオ:★★★★ せつなさ:★★★★★
恵との恋愛は、かなり良かったです。学校では普通に接していても、バイトでは名前で呼び合ったり「2人の空間」というものを強く感じられます。学校のみんなは、こうしていちゃいちゃしてることを知らないだろうなー。とか、学校内ではちょっと優越感に浸ったりも。学校内で名字で呼ぶようにしても、雰囲気に流されてボロがでてしまうのが面白かったです。。「私達の噂がたたないように、普段の言動には気をつけないとね」とか言っておきながら「将人」「恵」で呼び合って自爆したときは、思わず大笑いしました。他にはデートに誘って、それでOKした後の恵は顔がにやけたりとか。観覧車の告白は、個人的名シーンです。あとは自転車2人乗りで、恵が後ろから抱きつきながら帰ってるシーンとかたまらなかったですな。


 橘沙織 キャラ萌え:★★★★★★ シナリオ:★★★ せつなさ:★★★
「一色ヒカルさん+年上」は個人的に最高の組み合わせです。お姉さんの魅力満開で、ラブラブになれた後の描写に大満足でしたね。お気に入りシーンは、恵に屋上で告白され、沙織さんが慌てて飛び出したシーン。あとは球技大会で怪我した沙織さんをナイトの如く助けたシーンですね。沙織さんの慌てぶりが、たまらないですなあ‥。声優は一色ヒカルさんなので、初めてのHでも淫乱なのはご愛嬌ってことで‥。


 若菜千歳 キャラ萌え:★★★★★ シナリオ:★★★★ せつなさ:★★★★★
恵に「成瀬先輩にお休みのキスをした」とか「お兄さん以上の関係になってくれるって言ってくれたのに…」とかで、恵を挑発してきたり、かなり積極的な女の子です。雨の日にデートして「秋色恋華」を見るというのは、なんか新鮮みがありました。(今思えば、葵が懐かしい‥)最初は鈍感さにちょっと呆れた主人公なんですが千歳を好きになっていく描写が、かなりよくできてました。デートしてるときに嬉しそうにしている顔を見て心が安らいだり、雨に濡れて下着が見えてしまって女の子として強く意識し始めたり、風邪をひいてお見舞いにきてくれて、千歳の優しさを感じたり…。いいね~、こういう恋が芽生える瞬間のドキドキ感が!


 鳳瑞穂 キャラ萌え:★★★ シナリオ:★★★★ せつなさ:★★★★★
個人的には、あまりタイプじゃないです。が、千歳とは逆境の立場にあたるので、千歳で鈍感ぶりを見せていた将人と、瑞穂先輩が恋を知らなくてアタックする将人を比べるのが、なかなか面白かったりします。瑞穂が将人を好きになっていく過程がすごく自然でした。最初は表情が硬い感じでしたが「私を、将人くんでいっぱいに…将人くんだけの女の子にしてください…」とか、お互いが徐々に大胆な言葉を言うようになります。全く恋に興味なかった女の子が、次第に男の子を好きになっていく物語ってあまりなかったように感じますから、気に入る人はかなり気に入るシナリオではと思います。EDは、かなりせつないです。


 加賀美翔子 キャラ萌え:★★★★ シナリオ:★★ せつなさ:★★
キャラはそこそこですが、このシナリオは明らかに異質!!個人的には悪いシナリオではないのですが、他ヒロインと比べて、恋愛描写のプロセス、結ばれた時のドキドキさせる感覚、せつない気持ちが沸く雰囲気の醸成に差がありすぎます。唯一せつなくなったのは、翔子が球技大会で将人を応援してて将人が格好いいところを見せて、翔子が頬を赤らめて無言になったときですかね。翔子と京佳の近似については、まるでマナカナみたいでした。恋の悩みは「彼氏(主人公)への依存と自立の関係」に関してですが、どうも悩みが軽めです。まあ、バカゲーみたいな軽いノリで割り切れば、かなり楽しめます。



唯一残念に感じたのは、サブキャラも魅力的なのにラブラブになれない事くらいですね。ファンディスクか何かで、美春と美貴さんのラブストーリーを希望したいところです。



そして、ED歌の『Destiny』の歌詞も非常にせつなく


「それは私たちだけの、放課後内緒の帰り道」
「笑う貴方、微笑む私、それだけで幸せを感じる。」
「2人を結ぶ赤い糸はもう、切れることはないから。」

のフレーズがとてもお気に入り。出会いは偶然でも、今思えばそれは運命と感じさせる純愛物語でした。
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