minorityさんの「もしも明日が晴れならば」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

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泣けない泣きゲー。自分と合わなすぎて泣きそうになった。ある意味泣きゲーか。
もしも明日が晴れならば。オールクリア後の俺の心情は大雨というか台風で大荒れだったよ。
シナリオは特異な設定の割に、展開に起伏がなく眠い。
それと全体的にご都合主義がひどい。
人を怨んだり嫉妬することで怨霊になるという設定だけではなく、
ずっと成仏しなかったらそれだけで精神がおかしくなって徐々に怨霊になる又は、
珠美はつばさや日常を犠牲にしてでも霊を必ず祓う信条や背景説明がある等、
幽霊全肯定で制約のないご都合主義展開を阻むような設定があればよかった。
また、個別ルートでの携帯や深層心理、海での秋穂の助け舟連打にはげんなり。
にしても秋穂がいなきゃ、この主人公は何もできないのか。
どのルートも最後まで秋穂に頼りきり。
ここまで主人公に見せ場が全くない作品も珍しい。
また、秋穂ルートは特にご都合主義が過ぎる。
前翼のそらうたみたいなラストだったら、納得いったんだが。

エピローグが蛇足すぎる。
最後に転生オチってなんですか、それ。
こういう死生観の話は、等価交換の設定を取り入れないと茶番にしか見えない。
死に関して、重みが無さ過ぎる。
2章の妖怪や4章の幽霊で設定破綻して、話が陳腐化した。
死者と生者の立場の違い、認識できない苛立ち、存在する代償等、
こういったことに苦悩する展開を期待した俺が馬鹿ですかそうですか。
というか設定的にどろどろとした展開になるのが必然のはずなのにね。
人間の生の感情を丸出しにしないところはどうにもしっくりこない。この題材に人としての品性を求めてはいないんだけどな。
それと秋穂や主人公が千早と和解する展開の唐突さは意味不明。
自分が死んだことに未練たらたらで喚いていたはずなのに、殺されたことが発覚した際
しょうがないよと不自然なまでにあっさりと割り切る秋穂、彼女を殺した相手をたいして悩まずに許す主人公。
そして、その後何事もなく疫病神とも一緒に暮らし始めましたとさ。
いやそのりくつはおかしい。
違和感ばりばり。
秋穂だけではなくどのキャラもいい人というか、誰にでも必ずある負の面を意図的に排除されていてキャラに歪さを感じた。
後、制御不能な嫉妬で簡単に人を殺せるたやつと安易に同居とかありえない。
ましてや彼女殺した相手が攻略できるとかなんの冗談だよと思った。
不遇な過去や前世の話でお茶を濁されても、全く納得いかんのです。

というわけでキャラが好きになれない。
主人公は秋穂と恋中である関係上、秋穂ルート以外ではどうやっても不誠実になるから扱いが難しい。
秋穂を死んだ人と認識し、きっかりとけじめをつけ、他ヒロインに心が移る心情の変化を巧く書くのが
ライターの腕の見せ所なんだけど、書き方に失敗して主人公が優柔不断で鈍感へたれキャラになっていた。
にしても共通の4.5話はどう見ても蛇足というか害悪レベル。
5章の秋穂との約束が共通なのもありえない。
その後、秋穂としっかりと決着をつけずに、流されるまま他ヒロインとやりだす主人公。
さらには関係をうやむやのままにしたり、攻略対象外のキャラにまで手を出しかける始末。
秋穂がいる目の前で、他ヒロインといちゃつく無神経ッぷりには脱帽。
たびたび出る主人公の口癖「僕にどうしろと?」
思考放棄のこの言動には殺意を覚えるレベル。
こんな主人公に好感を持てる人いるのか。
無自覚で悪意がない分、誠や孝之よりある意味で性質が悪い。
この主人公は恋愛面もそうだけど、日常でも何考えてるかわからない。
2章や4章で除霊のたびに阻止しようとする主人公の横やりには反吐が出た。
ヒロイン勢「優しい、お節介、でもそれでこそカズちゃんだよ!」
いやそのりくつはおかしい。
そうか。イケメンだから何やっても許されるのか。それとも母性本能か。ふぅ。

ヒロイン達も好きになれなかった。
秋穂やつかさは言わずもがな。
善人すぎてひくレベル。思考もお花畑でついていけない。
共通ルートで、主人公勢(4人)は無能で解決策もないくせに、駄々をこねてばかりの偽善者ぞろいでイラ壁すぎた。
本音を吐かせることが、必ずしも善とは限らないと思うんだが。
それと秋穂やつばさとの過去描写がほぼ皆無なのは頂けない。
こういう感動ものって、キャラに感情移入させることが何より第一だから、背景語るのは必須だと思うんだけどな。
まあ過去描写云々以前に、そもそも感情移入できるようなキャラが全くいないからどうしようもないか。
千早は設定的に死の重みが激減するので、存在自体害悪。
唯一主人公達と死生観が違い、諭せる立場だったはずの珠美は主人公達に毒されたときには心底がっかりした。
毎回幽霊見逃すし、本当に祓い屋かと思うほどのいい加減な仕事ッぷりに絶望した。
どのメインキャラも好きになれないというある意味貴重な作品だった。
脇役の委員長が一番人間味があって可愛いってどういうことなの。
八重歯イイネ。
当て馬扱いだけどこの主人公とはくっついてほしくないので、攻略不可で正解。
他に、日常がだるいのにクリック連打してもホイール滑らせまくっても、表示がとろくてイライラが増した。スキップも激遅でうがー。
ここぞと言うときの挿入歌、演出、テンプレ成仏の展開で泣かせようとしてくるけど、全く泣けない。
むしろ泣かせようという製作者側のあざとさが垣間見えてしらけたのは俺だけか。
自分と合わなすぎて泣きそうになった。ある意味泣きゲーか。
評価が高いからといって、このゲームに手を出すのは非常に危険。
ましてや現在何故か12kまで値段が高騰してるから、購入はよく検討したほうがいいと思われ。

以上

主人公やヒロイン勢が総じて歴代トップレベルでイラッとするという残念なゲームだった。
後、死生観のPOVトップレベルだったのに死生観が軽すぎた。これに尽きる。

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