ktwccaさんの「車輪の国、向日葵の少女」の感想

人間関係がオカシイ。世界観も雑。人によっては1時間続けることすら苦痛かも
ちょっと修正。

・本作「車輪の国、向日葵の少女」と「リゼロ」に対する批判的な感想が含まれます。ご注意ください。
・バカみたいに長文ですがネタバレ無しで書きますので、購入検討の方の参考になれば。
・解像度の低さ、起動時にディスク要求などにもご注意ください。


【まえがき】
最も有名な名作エロゲってことでプレイしてみたのですが、どうもこの作品、「粗削りで欠点は多いけど、それ以上にストーリーが良い」ってタイプの作品みたいですね。私は色々な部分が気になってしまって、途中でギブアップしてしました。下では、その欠点についてネタバレ無しで述べます。

ちなみに他の方の感想(特に低評価)にも大体の問題点が書かれているので、プレイ前に目を通しておくことをオススメします。



【本文】
本作で最も悪かったのは、人間関係とその距離感が不自然な点です。私は小説・ラノベ・アニメ・映画・エロゲーなど、どのジャンルも人並みに触れているつもりですが、人間関係の違和感のせいで見るのをやめたのはこれと「リゼロ」くらいです。

具体的に言うと、本作は主人公が少し変わった性格でテンション高めなのですが、その主人公の発言に対する周りの反応が変です。



例えば、初対面で明らかに変に高いテンションの主人公に対して、ヒロイン含む周りの人間は非常に好意的に接します。普通だったら、「初対面なのに、この人なんでこんな態度?」とドン引きしそうな行動・発言にも関わらず、です。

こうして文章にして抽象化すると伝わりづらいとは思うのですが、要は「空気の読めてない主人公」に対して「それに誰も突っ込まない周囲の人間」と「むしろすぐに打ち解ける展開」が、私個人の目には非常に奇怪に映りました。しかもその後も繰り返しこのパターンが続きます。



他作品を引き合いに出して申し訳ないのですが、リゼロでも似た現象が起きています。


リゼロでは、傷を負った主人公がとある貴族の館に運びこまれるシーンがあります。そこで治療をして貰った主人公は当然、館の主人に「あなたはどこの誰か?」などの質問を受けます。しかし主人公はまともに返答せず、ひたすら独り言のようなギャグや馴れ馴れしい態度を続けます。そこでの主人公の発言は、ほとんどが支離滅裂といっても過言ではありません。

正体不明で怪しい人間が意味不明な言動を繰り返していたら、普通だったら周囲は真顔になって、「いやごめん、ふざけないで? これ結構真面目な話だから」となりそうなものです。
ところが、館の主人やそこに住まうヒロインたちは「あなたってちょっと変わってるねー」くらいに主人公の異常性・サイコパス的言動をスルーします。それどころか、むしろ好意的に受け入れて話が進んでいき、結果として宿なしの主人公を使用人として雇用することになります。(その後主人公の排除を狙うキャラは一人いますが)


これも「空気の読めていない主人公の行動」と「それに気づかない優しい周囲」そして「都合よく進む展開」のセットです。リゼロにはこの手の違和感を覚えさせるシーンが非常に多い。本作も同様です。どちらの作品も主人公の馴れ馴れしい態度によって不自然なくらい相手の好感度が上がり、周囲の人間との距離感が近づいている。本来ならドン引きで、むしろ距離をとられてもおかしくありません。




あまり作品外のことを言うべきではないのかもしれませんが、本作のライターは「空気が読めない」タイプの方なのではないでしょうか。


主人公が変な作品は山ほどありますが、どの作品も周りは主人公に対して相応の反応をします。例えばランスシリーズの主人公ランスはかなり変な人間ですが、まわりから「変だけど良いところもある。変だけど」といった認識を持たれていますよね。シュタインズゲートの主人公は周りから「中二病」だと思われていて、なにかとツッコミを入れられている。
対して本作は、無駄にテンションの高い変人主人公がひたすら「天才」「有能」みたいに周囲から持ち上げられている。それどころか、一番変な主人公が逆に周りに説教をする。



私には、どうも主人公が「周りとの距離感が分からないオタクの姿」に見えてしまった。時々いますよね、空気があまり分からず一方的にまくしたてたり、タブーなことに平気で触れちゃったりする方。
本作は、こういったコミュニケーションが苦手な人に「複数人の会話劇を作ってみて下さい」って言ったら出来そうな構図「ナチュラルに空気読めない主人公」と「それに誰も気づかない優しい世界」そのままだと感じました。




【まとめ】
表にするとこんな感じ(好感度MAXを100とする)
 ↓↓
作者の考える、こういうタイプの人間(モリケン)の周囲からの好感度=80ポイント
作中での主人公の好感度=同じく80ポイント
一般的に予想される、こういうタイプの人間の好感度=50ポイント(ちょっと引かれてもおかしくない感じ)


作者の認識(80ポイント)と一般的な認識(50ポイント)のずれが、作中の人間関係に不自然さを生じさせているのだと思います。




ちなみに、リゼロはこんな感じ(好感度MAXを100とする)
 ↓↓
作者の考える、こういうタイプの人間(スバル)の周囲からの好感度=65ポイント
作中での主人公の好感度=同じく65ポイント
一般的に予想される、こういうタイプの人間の好感度=30ポイント(会話が成り立つ方が不自然なくらいな感じ)



まあ、個人の偏見かもしれませんが。




【おわりに】
DMMのセール時に買った本作は途中でアンインストールし、思い切って併せて買った同ライターの「G線上の魔王」は起動すらしてません。これを書くことで計7000円分の溜飲も下がるというものです。

ktwccaさんの「車輪の国、向日葵の少女」の感想へのレス

主人公の変な言動はずっと後ろについてる極刑(誰にも認識されない罰)の姉に対してのものなんですけどね・・
2017年11月01日09時10分35秒
あなたの感想を読んで思ったことは、既知のものに当てはめたが故に、本来考察すべきことを放棄した。というところでしょうか。

この点が外れていたのなら完全にこの指摘は的外れなので無視してもらって構わないのですが、おそらくあなたは「リゼロ」を先に読み、そのあとでこの作品をプレイしたのではないでしょうか。

この主人公森田賢一は、本来はおかしな言動をする性格ではありません。それは地の分や法月との会話、もしくは卯月セピアとの会話などでわかります。なのにところどころやけに言動がおかしい。プレイヤーはこのことを疑問に思います。理性的な思考ができるのに、言動がおかしいというアンバランスさが刺のように残ります。私はそうでした。

しかし、あなたは先にリゼロを読み、スバルという主人公の言動と性格を知ったことにより、「ああ、こいつはきっとスバルと同じタイプだろう」と思い、森田賢一の言動をスバルに当てはめて考え、「スバルと同じタイプなら、こんなわけわからない行動しても仕方ないか」とある種の思考放棄をしてしまったのではと思います。
作品が高評価されるのには必ず、何かしらの魅力があるからです。この作品では5章であきらかになる姉の存在です。そしてそこにカタルシスを覚えるためには、1~4章における「違和感」「疑問」がなければ成り立ちません。そうでなければただの唐突な超展開に見えるからです。

この世界では「極刑」を受けた姉に対し、他者が話しかけるのはもちろん、そこにいることを認識する所作をするだけで犯罪です。

森田の初対面のヒトに対する必要以上のオーバー表現は、姉を目にすればそれだけでほとんどの人間は硬直し、会話を続けようとしないから、オーバーな表現、おかしな言動で強引に姉から意識を自分に戻すためです。しかし、それを姉のためにやっていると思わせてはダメです。森田はかなりの綱渡りをしていたのです。

主人公がおかしな言動しても、周囲がそれをスルーするのは、スルーしなければ犯罪であったからです。主人公の言動がおかしかったのは、おかしな振りをしなければ犯罪だったからです。

ですがあなたは森田賢一を「スバルと類似の存在」として決め付けることで、本来気づくべき箇所を軒並みスルーしてしまった。

これは人間心理としてはおかしくなく、既知のものを当てはめることによって理解を容易にするという当たり前のことですが、これは同時に「決めつけ」によって作品を楽しめなくなるという要素があることを忘れてはいけません。

ですがそもそも森田は「特別高等人」という国家が認定する上級官吏の候補生であるので、それだけで普通の人間とは接する態度が異なるのは当たり前です。言動が似てるというだけで、根なし草であったスバルと同一視してしまったのは早計であったと、私は思います。
2017年11月11日12時31分53秒

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dov