くるくすさんの「ヘブンストラーダ」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

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ウ●ザードリィみたいな3D-RPG。剣と魔法のファンタジーなのだけど、ちょっとSFっぽく凝った設定が目を惹く。設定倒れに終わってしまったのがとても残念だ。
[シナリオ]
 SFっぽいファンタジーといった感じですかね。とあるフロアの扉の文言にもあるのですが、上層階へと昇るにつれて、この塔がかつて誇った栄華の欠片を偲ばせるような雰囲気があります。( 本当は「かつて」ではありません。誰も知らないだけなんです。 ) ロストテクノロジーとかオーパーツみたいなネタがお好きな方だとタマランのではないかな~と思います。
 かつて核戦争 ( ? ) で絶滅しかかった人類は、争いごとにはもう充分懲りたはずなのに、隠遁先でまだいがみ合っています。環境制御システムを創りだせるほど技術が進歩しても、人の本質はさほど変わらないものだ、と暗に示しているあたりには、神秘的・魔術的というよりもSFテイストを感じます。
 RPGにしては気合の入った設定になっていて、要は「青い空への道」をめぐる両陣営の対立 :

■主人公側 : 「青い空への道」を開いて、みんなでエスターテを脱出しよう!
■黒幕側 : 新しい世界に行ったらエスターテの民は単なる難民で、生活に何の保証もない。しかも ( 黒幕側は ) 貴族の地位を失ってしまう。一方、辺境の異民族さえ見殺しにすれば市中心部の人民だけは助かる。だから9割を切り捨て1割を救うプランを採ってでも、今までの安寧を保つべきだ。

が基軸となっています。本作は黒幕に「貴族の地位が云々」と言わせることによって彼らを「悪玉」扱いしてますが、黒幕側の主張も一理あります。一市民ならともかく政治家なら、「民衆のために」 ( なるお題目で ) 利己主義に走るのも致し方ないですし、むしろそうあるべきなのかもしれません。どちらが正しいのかは判断しかねますが、いずれにせよ本作ではシナリオを理解するための最低限の描写に留まっていて、説明・肉付けが足りない「骨組みだけ」の状態なので、どうしてもプレイしていて薄っぺらさを感じとってしまいます。話は進むのだけど、思い入れを持ちにくいとでも言いましょうか。RPG向けのシナリオではなかったのかもしれません。
 繰り返しますがRPGにしては気合の入った筋立てになっているのには間違いありません。結局サリアって何者だったんだ? 空気過ぎないか? とか、「何かスゴイ能力を持ったアイテム」が問題をあっさり解決しすぎじゃね? など、色々不満もあるのですが、まぁ投げ出したくなるほど酷くもなかったかな。


[システム]
 もっと戦略を練れるようなシステムにして頂きたかったです。
◆殴る、魔法をかける、アイテムを使う、防御、逃げる、と一通りのコマンドが用意されています。装備品もそれなりに揃っています。ただ、本作ならではといった工夫がありません。テンプレっぽい感じは否めません。
◆戦闘中に武器を持ち替えられないのには不満を抱きました。せっかく属性の概念があるのでしたら、弱点を突くにはどうすればよいか……とあれこれ作戦を立てたかったですね。
◆自軍後列のキャラは(飛び道具以外の)物理攻撃ができない設定の方がよかったのではないでしょうか。現状のままだと後列の方が絶対お得ですし、飛び道具のありがたみが充分に発揮されていません。っていうか説明書ではそうなってたような。
◆隊列を戦闘中に変えられたらなぁ。
◆7F辺りからレベルアップが異常に早いです……バランスが悪いと思いますよ。
◆レベルの上がった時にHPとMPが回復するのはちょっとなぁ。攻略が簡単になりすぎています。


[萌え度]
 サリア >> その他
 ちょっと頭が弱そうにも見えますが、特にキャラデザに関してはサリアがかなり好み。


[余談 : 主人公&サリアのふたり旅]
 通常プレイではボタンを連打していれば簡単にクリアできてしまう本作。しかしプレイヤー側で工夫すれば楽しめなくもありません。例えば「主人公&サリアのふたり旅」なんかはシナリオにも沿えていて面白いんじゃないかなと。ルールは
■主人公とサリア以外はできるだけ戦闘に参加しない。
■魔法の巻物を使ってはならない。
■マッピング100%を目指す。
■クリアに関係なくても、可能な限りサブイベントもこなす。
の4つ。
 但し、ルリアとクリスがパーティーに参加 ( 生死は問わない ) していなければ、1F北東の隠し通路を発見できません。従ってふたり旅を実現するためには、ルリアとクリスを仲間にした上でその身ぐるみを剥ぎ、最初の戦闘で彼女たちを前列に出して暗殺してから、主人公とサリアのふたりきりで冒険を始めることになります。勿論終盤で勝手に参入してくる「ヴァルディ」「みっちゃん」も直ちに暗殺します。なお自室や宿屋に泊まって回復した場合、ルリアとクリスも復活しているので、再度殺しなおすことになります。本作は味方を攻撃できないシステムとなっていて、彼女たちを暗殺するのが非常に面倒くさいので、できるだけ宿をとらない方針で進めるべきです。また全体回復を行うとルリアとクリスも蘇生してしまうので、これを禁止とします。 ( やってもいいんだろうけど、また彼女たちを殺さないといけないので面倒…… )
 なお、敵を倒して得られる経験値は、パーティーメンバーが何人であろうと変わらないようです。DQ3 ( FC ) のような「『打倒した敵に設定されている経験値の総和を、生存メンバーの頭数で割った商』を生き残った各人が経験値として得る」システムではありません。このあたり、少人数プレイならではの旨みは全くないのですが、まぁ後半はトントン拍子にレベルが上がるので、あまり気にしないことにします。また、死んでいるはずなのにイベントでは何故か登場するルリアとクリスですが、同じく気にしないことにします。FFで言うところの「戦闘不能」扱いなのでしょう。ふたりきりでイイ感じなのにどうして邪魔をする ( 以下略 )
 ……参考までに主要なチェックポイントでの到達レベルを記しておきます。
■Lv05 : 1F 盗賊の鍵を入手した。
■Lv10 : 2F ケルベロスを倒した。
■Lv11 : 3F 通過した。
■Lv16 : 4F レッドドラゴンを倒した。
■Lv18 : 5F 通過した。
■Lv23 : -- ゲリラのアジトを発見した。
■Lv26 : 6F ルシファーを倒した。
■Lv31 : 7F 通過した。
■Lv40 : 8F アマテラスを倒した。ここだけは主人公 vs アマテラスのタイマンとなります……
■Lv44 : -- ラスボスに挑んだ。
 ラスボスを倒してレベルが2だけ上がったので、結局Lv46でクリアしたことになりました。終盤は主人公の回復魔法「レスト」では回復量が小さすぎて、被ダメージに追いつかないので、HPを全回復する「奇跡の薬」を多用しました。「奇跡の薬」を禁止にすると難易度は上がりそうですが、どうやらレストの回復量は「『術者のLv』 + 30」のようなので、クリアするのはチョット厳しいかな。なお、最上階ではあっという間にレベルが上がってしまうので、実際はもう少し低レベルでも充分クリアできると思います。
 前述の通り自宅に戻るとルリアとクリスも復活してしまうので、できるだけ回復はレベルアップ時の全回復と、主人公のレストだけで済ませたいわけです。というわけで、序盤は主人公を前に出してひたすら防御させ、後列からサリアがAKで狙撃……という「肉壁作戦」を取りました。ただ、中盤以降は全体攻撃魔法を連発してくる敵が登場するので、主人公にも初っ端から攻撃させました。MPにも余裕が出てきますしね。
 序盤はともかくとして、上記の通り6Fあたりからは油断していると敵の魔法で直ぐに全滅するので、中々スリルを楽しめるかなと。主人公は基本的に前列の敵しか攻撃できませんが、サリアは後列の敵も銃砲撃できます。敵の習性を把握して、どの敵から殺していけば被ダメージを減らせるか? と作戦を探れるような、それなりに面白い制限プレイでした。「逃げる」を禁止にするとか、セーブ&ロードにも一定の縛りを設けたりすると、緊張感が出てさらに楽しめそうですが、そこまでやりこむゲームでもないかな?

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