feeさんの「群青の空を越えて」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

夢から覚めた後、果たして彼らに何が残ったのか。
ゲームを終えた後どっと疲れた。グランドルートのエンディング、よりにもよってあんな終わり方とは。

社が格好良く演説を決め、拍手喝采の中、新たな希望「円経済圏」が動き出す。そんな未来を夢見ていたのに。せっかくのグランドルート。エンタメとしてはそれくらいの盛り上がりが欲しいところ。


だけど。そうならなくてほっとしたところもあるんですよね。
このゲームはまず第1にエンタメじゃない。本当の意味での、反戦ゲームというか。
「私たちは何のために戦っているのでしょうか?」。空しさが強調されるという意味では、良い締めだったようにも思う。
結局、ヒーローなんてどこにもいなかった。


最初の3ルートでは、理想のために戦い、散っていく若者達の生き様が描かれる。戦局を少しでも有利に運ぶため、という理由での「有意義な」死。
もっとも戦後情勢のための捨て石だとか、要領を得ない社の戦う理由(何かというと親父親父で、自分の戦う理由がそれ以外に言えない)、一向に明らかにならない円経済圏の実態などから、
本当に関東政府がそこまで崇高な理想を抱いていたのかについては、既に疑念はあったわけだけど。


圭子、夕紀ルートでは関東政府の実態が露わになる。
掲げた理想が変質し、既得権益維持という正反対の方向に腐敗が進んだ関東政府。そして明らかになる本当の、円経済圏理論。


最終シナリオ、グランドルートでは、正しい円経済圏理論を説いて戦争を終結に導くという筋で物語が展開される。
この流れで言うならば、歪んだ円経済圏を選び悲劇の種を蒔いた関東政府に代わって、正しい円経済圏理論が日本を解体し、新しい時代へと導いていく。
のかと思いきや。
結局導き出された答えは、「システムは人を幸せにしない」「私たちは何のために戦っているのでしょう?」。


関東政府は間違った円経済圏理論の元で、破滅への道を歩んだわけだけど。
元から正しい円経済圏理論を掲げて進んだところで、「システムは人を幸せにしない」し、戦争終結後、日本が円経済圏体制に移行しても、別に誰も幸せになりはしないのだ。
ならば、円経済圏という理想社会を夢見て戦っていた人々は、一体何のために他人の命を奪い、自分の命を捨てたのか。


それが徒労感の正体。戦争って本当に虚しい。やっている間は夢中なのにね。

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