マルセルさんの「_summer」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

79_summer
良くも悪くもHOOKの最高傑作だと思う。少なくとも今回は何とかファンブックとかで「今回は制作に時間がなくて・・・」と拙い弁明をしなくても済まされる出来ではある。相変わらずの鎮静剤ゲーと言ってしまえばそれまでだけど「鎮静剤シナリオに出来ることは何か?」という点をきちんと考えて物語を紡いでいるぶん、これまでの作品より納得のいく内容には成っていると思う。
・シナリオB-
★ゲーム全体(へっぽこ先生は未クリア)のクリック数(以下栗数と略す)
合計栗数40522 プレイ時間に関すると14~18時間ぐらいだと思われる。
既読スキップ使用、テキスト速度ノーウェイト、演出&エフィクトなしの環境下での測定で、
基本的には1センテンス=1栗だと思う。誤差があるとするなら、沙奈シナリオの途中で抜いたので
300栗ぐらい大目にカウントされているくらい。

・本編
初回14915栗 千輪ルート(内体験版部分は5263栗。共通ルートも多分それくらい)
二周9415栗 信乃ルート
三周9946栗 若菜ルート
四周6912栗 小奈美ルート
五週9108栗 沙奈ルート

・おまけシナリオ
フナムシ連続殺人事件888
_summer286

この栗数を見ただけで最悪の事態は避けられたとHOOK信者は思うだろう。
わざわざこんな事を書き立てるのもアレだが、所謂「やっつけ仕事シナリオ」が今回は無いのが素晴らしい!まぁ先生シナリオはやってないんで断言は出来ないんだけど、攻略ヒロイン中半分が量的な時点でダウトだった前作に比べると凄い進歩だ。
勿論各シナリオには不出来があるし各自の好みもあるだろうが、誰から見てもこのシナリオは駄目!というようなダウトシナリオは今回は無いと思う。ま、これって極々当たり前のことで、逆にこんな事で褒められるのってある意味貶されると同じなんだけど、それでも進歩は進歩だと思う。

さらに言うと、今回は自分のメーカの「売り」をきちんと自覚している、言い換えれば自分達が今まで「何処でコケテきたか?」という弱点をちゃんと復習しているという点でも(相対的に言えば)ポイントが高い。端的に今までのHOOKのシナリオの弱点を言えば、W構造の二番目のVの時点で大抵コケテいたという事に尽きる。大雑把に図式的に言えば、最初のVの時点―主人公とヒロインが出会いエッチするまで――の段階ではそれなりに巧く書けるんだが、次のV――――表層的にヒロインと結ばれた主人公が「真の」試練に直面しそれをクリアしてハッピーエンド――――の時点で大抵こける。
具体的に最近のアニメの例で言えば、ヒロインが途中で火葬されてしまい、その後知らぬ間に三角関係に巻き込まれて、最後には皆とキスしてハッピーマテリアルみたいなシナリオである。いや最後は一応纏まっているんだけど、途中の三角関係のアレいったいナニのつもりだったの?みたいな。

なんでこういうことが起こるかというと、HOOKの場合最初のVの所で物語内の材料を使い切っているんだよね。だから、そこから先物語を続けようとすると、つまんねー奇跡ネタを持ち出したり、「ここは笑うところですか?」レベルのシリアスなネタを持ってきてテンション上げようとするんだけど、初心者以外のユーザはその辺軽く見抜いちゃうから、良くて「萌ゲーだし仕方ないか」か悪くて「糞ゲー」扱いされてしまう。まぁ、凡作萌えゲの典型的パターンですな。キャラは悪くないんだけどシナリオが・・・ってやつ。


だから・・・なのかは知らないけど、今回はなんかその辺開き直っちゃったみたいだ。今回は大雑把に言って、最後のVの部分の話をバッサリ切ってしまっている。実際このゲームのシナリオのピークは総テキストの四分の三ぐらいの挿入歌が流れるところにあって、そこから先は殆ど話が進まなくなってしまう。比喩的にも物語的にも「夏休み」に入ってしまって、終着駅に向かう電車のように物語はスピードを落とし、ゆったりと定められたゴールに進んでいって、そのまま脱線を起こさずに無事ハッピーエンドにたどり着く。まー、最初からまったりゲー以外狙ってませんよ?ってことなのかな。他の作品のように「最後の山場」の部分を期待している人にとっては糞ゲ決定だろうけど、どうせやっても失敗するなら「やんない」というのも僕は一つの手だと思う。


さて、となるとアンチクライマックス、すなわち「竜頭蛇尾」っていういやな言葉が思い浮かぶけど、この可能性はまず消し去ってもらって構わない。だって最初の部分はあんまり面白くないんだから竜になんてなれないw。ここの部分を体験版にしたのは「解る奴だけついて来い!」というHOOKの挑戦状だろうか?そりゃまぁ「シナリオ重視」の方に下手な因縁吹っかけられたくないのは解るが、だからといってこれは眠たすぎる出来だと思う。現にメインヒロイン級の沙奈なんて殆ど寝ている場面しか出番ないじゃん この点、いつもHOOKに比べると「掴み」が少々弱い。序盤にキャラ紹介をきっちりやりたいのは解るけど、そこでユーザが脱落してしまっては何の意味もない。

とはいえ、これが後々ボディブローのように効いてくるのも事実だ。この平凡な日々が共通以降のシナリオのキャラの配置転換に面白みを与える。大まかにシナリオの傾向を分けるとするなら、若菜・千輪グループと小奈美・沙奈・信乃グループにわけることができる。設定見れば解ると思うが、これは初期状態の主人公との親密度を規準にしているわけですな。前者はそれが低く、後者は始めから高い。前者のグループは馴れ初めから徐々に相手を理解して友達から恋人へ・・・という正統的で直線的な恋愛物語になって、後者は、始めから好感度が高いのに主人公がへタレなんだがインポなんだが(以下略)を克服するという「萌えゲ的には」正当な恋愛物語になる。

取りあえず、前者のグループのシナリオはそこそこ面白かった。良い意味でHOOKらしさが出ているシナリオだと思う。この手のシナリオのメリットは素朴な意味で「先が読めない」ことだ。これはヒロインの両親を殺したのは誰か?というような問題系ではなく、
そもそもヒロインがどんな行動・言動を取るのか、初期設定では曖昧にされているので、多少ヒロインがぶっとんだ行動を取ってもシナリオ上結構容認できちゃうということである。その意味で言えば若菜はわりと普通のお嬢様シナリオだが、千輪の行動と言動は常に期待の斜め上を行くので中々面白く、けれども基本属性ははツンデレなので、退屈せずに萌えることが出来た。ベタで申し訳ないが、表がシニカルで裏が炉璃ってキャラに僕は結構弱くて、藁人形をあちらこちらにばら撒きながら「嘘つき」なんて涙目で言われると一発で降伏してしまう。その後にじわりじわりと主人公を篭絡する健気な手段も中々エロくて、僕的には結構萌えられたシナリオですた。ラストのCGも良い感じに決まっていたし。


で、残りの三人は・・・・イマイチなのが一つ、笑えるのが一つ、ニヤニヤしっぱなしなのが一つ、ってところかな。まずは笑えるのからいこう。とはいっても、ライターは「笑い」を意図していないだろうけど、僕はかなり笑わせてもらった。そのシナリオは信乃ルート。さて、この三人に関しては基本的に「鈍感主人公」という萌えゲーには必須の技法が使われる。「ヒロインが主人公に好意を寄せているのは主人公以外誰の目から見ても明らかな」状況下で、主人公はヒロインが別の男に恋をしていると勘違いしているってやつですな。で、信乃シナリオはこれを二時間ぐらいずーっとやるわけですが、この主人公の鈍感ぶりがなかなか凄い。信乃と主人公がいる状態で第三者から「お前鈍感杉」と説教くらっても、「ああ、信乃はやっぱり誰かが好きなんだ」と解釈して勝手に鬱たりっするツワモノだ。しかも最後は主人公が自分で気がつくんじゃなくって、友人と喫茶店のマスターから「良いか。匠よく聞け。お前の感じている感情は(中略)しずめる方法は俺が知っている。俺に任せろ」って感じでかなり強引に説得されて信乃に告白する。主人公のカッコ悪さ100%のシナリオである。ま、悪く書いているけど、主人公の犯罪的な鈍感さに翻弄される、素直になれない幼馴染の姿に萌えるという悪癖をお持ちの方には結構良いシナリオだと思う。

ニヤニヤしっぱなしってのは沙奈シナリオ。いや・・・本当のところ言えば僕がベタ義妹シナリオに飢えていたってだけなんだけど、この妹が可愛くて仕方がないのだ。明らかに精神年齢が11歳ぐらいってのがミソだろうか。これがヒロインルート以外は、小奈美や主人公が連れてきたヒロインにもすぐ懐き「お姉ちゃん」と甘える、本当に元気で素直でちょい馬鹿な妹にしかみえないのだ。欺瞞的な言い方に聞こえるかもしれないが、直接的に性的魅力をあんまり感じさせない安全な妹キャラに見える。しかし、これがヒロインルートに入ると・・・僕は沙奈がプリンでキスの練習をするシーンであやうく射精しかけますた。またこれが上手いのが「あからさまに」媚びる行動を絶対にさせない。妹のオナニーなんてもってのほかだ。そうではなく、何時だって誘惑は無邪気さという形を持って襲い掛かってきて、しかもそれが特別なシーンなんかではなく、日常の一部として普通に描かれるのだ。そして知らぬ間に兄貴は妹の掌中へと落ちてゆく・・・この何気なさを装った妹萌えは結構凄い。この沙奈シナリオは他に比べて起伏が少なくかなりあっさり気味なんだけど、それでもここまでハァハァ出来たというのは描写の勝利と言えると思う。お話しもシンプルながら、母親ネタを絡めてちゃんと兄妹の問題をストレートに描けていたので、個人的には二重丸を付けて良い出来かなと。まー、最後にやったっていうのが大きいかもしれませんが。

で、イマイチだというのは・・・・へっぽこ先生と言いたい所ですが残念ながらメインヒロインの小奈美たんです。なんつーか、シンボルの操作が上手じゃないのだ。キャラクターとしては小奈美は良いキャラだと思うんだけど、シナリオとして灯台を使った過去話はあんまり上手じゃない。場面設定は良いと思うんだが、そのやりかたがこなれてない。まず過去の描写が弱すぎると思う。これって主人公が「思い出す」までの過程がポイントだと思うんだけど、あくまで現在形の会話のヒントがメインで、夢とか記憶とかの断片的イメージは殆ど出てこない。だから「急に」思い出して、そこで二人で灯台に行ってまた「急に」思い出して・・・っていう何だが慌しいまとめ方になっている。メインヒロインだから何らかの主人公との過去設定を作っておきたかったのは解るけど、キャラクターを動かしてシナリオを作る他ヒロインのやり方の方が僕には魅力的だったなぁ。


エロC

うーむ。この点では前作の方が良かったと思う。大まかに言うと、基本は一人三回ずつで一回につき三枚ぐらいのエロCGを使っているんだけど、これが「取りあえず、やっとけって言われている事はやっときました」って感じの、なんだかぬるいエッチなんだよねぇ。愛着というか拘りがない。この感が強くなるのは、どのキャラも似たようなエッチ傾向だからだと思う。一回目の少女喪失は仕方ないとしても、二回目は大抵フェラで、
三回目はコスプレエッチかせいぜいあっても足コキくらい。二周目ぐらいからこのパターンが解ってくると、なんだかあまり興奮しなくなっちゃうのだ。ちょっと良かったのが、沙奈が朝フェラというか朝這いをしてくれるシーンで、これは意外性があったので抜けんたんだけど、それ以外はあんまって感じ。これだったら池沼幼馴染の結未たんの方が僕はエロくて好きだったなぁ。
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