najuさんの「Fate/stay night」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

Fate stay night18禁版です。
過去にPS2版をプレイしてハマりにハマったのでかなり今更なのですが、
FGOとか劇場版HFの影響でまた読み返したくなり改めて18禁版をプレイ。
クリアしそれなりに年月が過ぎたのでただでさえ忘れやすい設定や展開を懐かしみながら、
他の積みゲーよりも優先してプレイしてしまうほどに熱中してしまうことに……。
長いシナリオのはずなのにダレることなくプレイ出来たのは凄い。
クリア済前提での感想なのでネタバレ全開で行きます。

・プロローグ
開始時のモノローグがエミヤ視点と解釈した後に読むと、これまた感慨深いといいますか……。
アーチャーがペンダントを凛に渡すシーンで「……もう忘れるな。それは凛にしか似合わない」ホントこのセリフの意味合いが初回プレイと大違い。
あっさりに見えるけど、やっとのことで返すのには時間かかったものだなーと。
そして最後の桜ルートtrueでもまさかの役割が。

各ルートとヒロインについて
・Fate セイバールート
「貴方ならわかってくれると思ったのに────」
デートイベントにあったこのセリフが凄い突き刺さりました。
その後に出るセイバーの切ない表情の立ち絵も。多分この立ち絵って一回きりしか使ってないのでは。
再読すると、本当に士郎とセイバーは似てる……というか、合わせ鏡みたいな関係だなと気づくことに。
どちらも自分を蔑ろにしてでも目的を達成してみせる(正義の味方、王国を救う)所なんてそのまんま。
だからこそ自分の思想に疑わないし、逆に互いに「そんなの間違ってる!」と怒り合っている。
プレイヤーからみたら正直お互い様にしか見えないのにね。でもこの喧嘩があったからこそ二人は強い絆で結ばれたのは事実。
地の文でも士郎はセイバーに対し「人間味が欠けている」の一文が確認できました。
……このセリフ、セイバーの前で口にしたら「貴方が言えたことか!」とか凄い剣幕で怒鳴られるでしょうね。
FGOプレイ済だと度々回想シーンで出る円卓の騎士の名前に感銘を受けることもしばしば。
初回プレイ時は騎士名なんてガウェインとランスロットくらいしか知らなかったという無知ぶりでしたハイ。
(アポクリファが世に出る前だったので、この時点でモードレッドは男でした)
強制的に聖杯戦争に巻き込まれて戦闘は素人同然の士郎、敵が強すぎるせいで最初は足手まとい気味だったものの、セイバーとの修行や凛の指導を受け素晴らしい強さを見せつけることに。士郎は師匠二人にかなり恵まれてるよホント。
ギル戦でカリバーン投影時の「自分の命を優先しないことで空席が出来たけど、その空席に救いたいと思える奴がいる」という一文が最高。
あの過去を経験して狂った士郎、ギルガメッシュ戦2回目の後にセイバーを想って少しだけ泣いてたんだね。
18禁版として見たら、セイバーの魔力維持って食欲、睡眠欲、そして性欲全てを必要としているんですね。狙ってやったのかも。
よくSNと矛盾してると批判対象になっているzeroですが、セイバーが鞘の在り処に気づいた時
「切嗣は正しかった。彼は、私を裏切ってなどいなかったのですね」という言葉でzeroの悲しい結末に救いがあったなーと。
ちなみにセイバーは人を巻き込む、襲うことはしない等、SNの頃から騎士の誓いに反することはしないとありました。
よく「zeroはSNと矛盾してる!」と何故か議論になるので。
当時セイバーは聖杯がどれだけ危険なものか知らず切嗣の令呪で破壊することになり、モヤモヤしたまま強制退場したので。
この聖杯戦争にセイバーが勝利しても報われないことに気づき、それだけでもどうにかしたいと奮闘した士郎、
教会地下で綺礼による「聖杯であの冬木市が炎に焼かれた過去を帳消しにしないのか」と甘い誘惑を断ち切り、
それがエピローグのセイバーの安らかな表情に繋がる……。当時プレイした時は報われない気持ちが大きかったのですが、
かなり救いのあるシナリオだということに気づけたのは良かった。
あの災害で心が壊れた青年が、一人の王様の心を動かしたというのがまた凄い。
初回プレイ時はアーチャーの正体も明かされないまま終わり消化不良としか思えなかったので。

・Unrimited blade works 凛ルート
「それでもわたしは、あいつの甘いところが愛しいって思う。
あいつはああでなくちゃいけないって、ああいうヤツがいてもいいんだって救われている」
とにかく初回プレイ時も再プレイ時にも燃え上がるルート。
セイバールートで士郎は「闘うな」とセイバーにつっかかりましたが、
このルートで止めようとしなかったのはやはりセイバーが恋愛対象にならなかったからでしょうね。
凛が間桐邸でギルを目撃し士郎に見つかっててんやわんやなシーンがあったものの、
その後に「もし余所の家に養子に行くとしたら、その後はどんな気持ちで育つのかな?」
「いいところなら文句ないし、悪いところなら文句あるんじゃないかな」
これは一度クリアしてから再読してやっと隠された意図が判りますね……。
士郎は桜が養子なことに、凛は士郎が養子だということにお互い気づいてないという。
しかもこの姉妹の関係、このルートではなく次でやっと明かされるんですよね。
凛は、アーチャーとのリンクによる夢を見てあの幼い頃の士郎をぼんやりながらも無意識に知りました。
そしてその過去を現在の士郎と重ね、己の命を顧みず突き進んでいく士郎に本気で「怒る」んですよね。
城内でイリヤの悲劇直後に士郎の涙に気づき、彼の闇に凛は踏み込んでいきます。
本気で怒ってくれたからこそ、士郎は凛に恋をしたとしっかり書かれています。
何気に、ここまで踏み込んだのはセイバーも桜にも出来なかったと思うんですよね……。
背中くっつけての告白とか、魔術回路移植のシーンとか、やけに初々しいシーンが印象に残ってしまうという。

・Heaven's feel 桜ルート
「先輩。もしわたしが悪い人になったら許せませんか?」
断言します。
私のfateキャラで一番お気に入りのヒロインです。
個別ルートに入る前から言動に先輩好き好きオーラ出しまくりで脳髄溶かされます。一途なヒロインにホント弱いんです……。
桜は前二人のヒロインが優秀過ぎる分一番人間としての弱さが見えるのもまた魅力。
事前にキービジュアルで桜とライダーのツーショットを見かける、慎二に従うライダーがあまりにも弱すぎる為、
ライダーの真のマスターは桜だろうなと初回プレイの時点で薄々感づいてはいました。
というか、士郎って桜にかなりべったりしてる。本人のルートだけじゃなくてもプロローグの時点で桜を女性として意識するようになったり、
巻き込まれないようにと身を案じる士郎の内面描写でいくつも見かけるくらい。
桜自身が無理矢理封じ込んでいた闇を受け入れなければならない、尚且つ己が見ていた夢を裏切るのではないかという
葛藤に悩まされる茨の道以上に厳しいルート。
人によっては「士郎が正義の味方を諦めた」と否定的な意見はありましたが、このルートは士郎が正義の味方を諦める分その苦しみを背負う葛藤も書かれて、
尚且つ士郎が正義の味方という呪いから開放されるという意味もあります。
やはり2ルートと違い選択肢を選んだ理由は、桜の存在だけでなく綺礼から切嗣が目指した正義の味方の在り方を言われて
理想が破壊されたことも大きいのでしょう。
2ルートでしぶとく生き残ったランサー、ギルガメッシュが敗退したり、逆にライダーが生き残る等、
前2つのルートの負ける順番が逆転してるのが目立ちます。
PS2版の凛と美綴の怪しいシーンが実は元々凛の18禁シーンだというのには驚き。
臓硯の刻印蟲は不気味さが凄い。全年齢版だと刺々しいデザインに変更されてたのにまだ此方の方がカッコいいと思えるくらい。
何度見ても雨の中桜を抱きしめるシーンは切なくなってきます。事前に土蔵で桜は士郎に「私が悪い人になったら、許せませんか?」
「ああ、桜が悪い奴になったら怒る。きっと、他の誰よりも」
との台詞がありました。初回プレイ時は意識してなかったけど映画版の影響でハッとなりました。
この言葉は普通の主人公だったら「桜は悪くない」と言うのはありがちでしょうけど、そう言わなかったのが衛宮士郎なんでしょうね。
というか、事前に誰よりも怒ると言いながらそんなこと言ったら台無しになるのはほぼ確実。
終盤の熱い展開はモノ見事としか言えません。投影能力でナインライブズ、宝石剣ゼルレッチ、ルールブレイカーを上手く使う分
士郎の体も記憶も摩耗していく状況に絶望感がありながらも闘い続ける姿は凄い……。
彼女のnormal endがあまりにも切ない理由は「償い」を意味しているのかもしれません。
間桐桜はこのheavens fellという物語でヒロインでありながらアンリマユの黒化があるとはいえ、悪役も兼任しています。
被害者でもあり加害者であります。
最愛の人である衛宮士郎と永別し、自分だけのうのうと生きているのは幸せではありませんよね。
このnormal endが無かったら今でも行動に賛否分かれている桜はもっと叩かれていたことでしょうね。
だからこそtrue endは大団円と言えましょう。
幼い頃から植え付けられた痛みを乗り越えつつ、味方になると決めた桜が「貴女、幸せ?」の問いかけに躊躇いなく「はい!」と言えるのはもう……。


ヒロインのルートにはいないキャラのお話を何名か
・衛宮士郎
「俺の前でだけ笑えた少女。未来のない体で、俺を守ると言った彼女が────。
俺以外の前でも、いつか、強く笑えるように」
再読して改めて異常と痛感できた主人公
士郎は結構主人公として見てもかなりお気に入りな方(ネット上でダメ主人公扱いされて怒ってた時があるくらい)なんですけど、]
改めて見返すとやはり歪さや感情の可笑しさは感じました。
普通の神経なら慎二の仕事押し付けとか断りますよ。あと上記のセイバールートのような良くも悪くも棚上げ発言もかなり見かけます。
命を狙われたイリヤに対しても「もしも怪我した時に……」と彼女に過剰なお節介精神も見せます。
どのルートの士郎もカッコいいけど、やはり桜ルートの士郎はとにかく勢いが凄い。セイバーの鞘の加護が無くなるだけでなくセイバーが敵に下り、
アーチャーの腕という時限爆弾を抱えることで追い詰められていく展開。そしてヒロインが抱えた大きな闇を受け入れるか否かを強いられる緊迫感溢れる展開。
そしてtrue endにて自分の命を勘定に入れてなかった士郎が初めて「死にたくない」と願った瞬間、やっと人間になれたのだなぁ……と。
この物語は、衛宮士郎が主人公でないと成り立たないものですね。

・アーチャー
「────さらばだ、理想を抱いて溺死しろ」
もう語り尽くせないくらいカッコいい奴。
3日目で令呪を使いアーチャーが無事だと入るので、アーチャーが士郎抹殺計画をセイバールートで実行出来なかったのは、
やはりセイバーの先手でしょうか。
事前に凛や士郎の発言でセイバーの関係者疑惑が浮上したのもあり、彼の正体は円卓の騎士の誰かと考えたらまさかの……
製作者側はミスリードを狙ってたのかも。
再読したら凛が電話で士郎の声をアーチャーと聞き間違える、
序盤のバーサーカー戦で士郎がカラドボルグの矢に違和感を覚える、
柳堂寺前キャスターとの会話で「貴方たち似た者同士ね」と言われる、
等の正体を示唆する伏線も。
最期の英霊エミヤの笑顔は何度見ても泣きそうになってしまう。
同一人物でありながら呼び名を「凛」か「遠坂」か分けてたのはラストシーンの為でしょうね。

・イリヤ&バーサーカー
本当にこの子は惜しかった……!統合ではなく個別ルートがあったら凄いことになっていたのかも。
やはり外伝でイリヤは今としては日常の象徴に近いくらいのキャラのイメージが付き纏っていたけれど、
彼女はヤバイ存在だということを忘れてはいけない。
ただ士郎の保護対象と見せかけて導き手となっているイリヤが自分の中でのイメージ
あとイリヤがバーサーカーに「犯しなさい」となかなか乱暴な指示をしてたのにはちょっと驚き。
作中だとあくまで中ボスなんだけどバーサーカーの化け物ぶりは本物

・葛木&キャスター
とにかくキャスター組の夫婦関係はお気に入り。候補にはあったらしいものの、キャスタールートは入れなくて正解でした。
気になったのがセイバールートでは、キャスターがギルに殺害される前に「自分のマスターは無能だったから殺した」との発言があり、
この時点では彼女のマスターは葛木先生ではなかったのか?という疑問が残りました。
嘘であろうとキャスターが愛しい旦那を無能呼ばわりするとは思えないし。
なんかhollowのイベントで葛木先生がギルに殺害されるシーンがあったような……(異なるルート?)。
もしかしたらこの時点はキャスターが前任の戦いを傍観するしか出来なかったマスターを殺害し、葛木先生と未契約のままだったのかも。

・言峰綺礼&ランサー&ギルガメッシュ
「その傷を切開する。さあ────懺悔の時だ、衛宮士郎」
fateを語る中でも特に欠かせないキャラ。
言峰綺礼の士郎の傷に塩を塗り捲るような行為、そりゃ士郎も初対面でとげとげしい反応しても仕方ないかと。
ただ、彼の序盤で士郎に言った「喜べ衛宮士郎」のくだりは凄い考えさせられる。正義の味方には悪の存在が必須ですからね……。
切嗣のことを語る時普段以上に饒舌になるのがシュールだし、時折士郎にアドバイスしたり協力してくれると凛以上に頼りになるお方。
麻婆シーンは初見時はほんと大笑いしました。ただ敵に回ると懺悔の時間と称して躊躇いなく人の心に土足で踏み込む容赦ない奴。
教会地下での問答シーンはなかなか考えさせられました。
桜ルートの真アサシンで黒鍵を武器に闘う姿、最終決戦の殴り合いは何度見ても素晴らしいの一言。
ランサーは今だと頼れる気さくな兄貴分なイメージですが、初回の恐ろしい形相で追ってくるシーンは余りにも怖い……。
ギルガメッシュもまた外伝作品ではかなりの見せ所がありますが、元はこういう人間だということを改めて思い知らされました。
無害な子供なら優しいけどイリヤの心臓引き抜くシーンはゾッとします。

・間桐慎二&ライダー
「ハ、いいじゃん今の声!いいぜ、この前の続きをやってやるよ衛宮」
とにかく初回プレイだとヘイトを溜め込むキャラ。私も桜に対する仕打ちや言動で凄い苦手なキャラでした……が、
ホロウやエクストラ、そして劇場版の影響で考え直すようになりました。
慎二は聖杯戦争に関係のない、間桐の人間でなかったらもう少し許せるキャラだったのかも。
再読したら上記のセリフに凄い重要な意味が篭ってたことに今更ながら気づきましたね。
慎二、士郎に構ってほしかったんだろうな……。
玄関前で士郎が怒った際に嬉しそうな反応していますが、今まで見せてくれなかった士郎の怒りをやっと見つけることができたのが嬉しいのでしょう。
ライダーは当時出番が限定されてましたが、後にホロウで眼鏡美人お姉さんで株が爆上げなことに。
桜ルートのセイバーオルタ戦では士郎のローアイアスの補助もあったおかげでセイバールートのリベンジを果たせましたね。

・藤村大河
「えへへー。その時は士郎がお嫁に貰ってくれるから安心かなー」
虎なんていらねえよ・冬
ダメ姉を体現した存在。でもちゃんと先生したりお姉ちゃんしてたりする。
士郎にとって最優先すべき存在で、危害が及ぶなら憧れの存在である遠坂でさえ対象になるほど。
正直おまけでいいし、すぐ終わってもいいから藤ねえルート欲しかったよ!

総括
改めて再プレイしましたが……やはり凄い作品ですよこれ。
スピンオフ作品がかなり多く、ファンの濃さなどでとっつき辛い苦手な人もいるのは当然ですが、やっぱり興味があるのなら触れて欲しい作品です。
新品/中古アダルトPCゲーム販売 通販ショップの駿河屋

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