minorityさんの「天使のいない12月」の感想

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天使というより悪魔のいない12月にしとこう。
いやだって心と身体がイコールにならなくても
主人公とヒロインが視ている方向は繋がったんだから。
各々のEDの後には希望があると思いたい。
天使のいない12月にもかかわらず、EDの際に各々の悩みや人生観、関係性を
天使がいなくても変えることができたんだから、人生捨てたもんじゃないよってね。
というわけで、天使のいない12月っていうのはプレイヤーの俺のことを指してるのかと思ったけど、それも違う。
なぜなら、主人公の名前変更機能があるから。
感情移入できない主人公を自分の名前にして嫌々最後までやったプレイヤーにまで救いがあったというわけで、
タイトルは俺へのアンチテーゼじゃなかったのか、よかったよかった。
冗談はおいといて雑感。
シナリオは展開が唐突な点が多い。
話は短く、終わり方がどのルートも尻切れトンボ。
エピローグすらない。
いやそこがこの作品のいいところでもあるから一概に否定はできないけど、やっぱり製作者側の答えが欲しかった。
それと展開と心理描写をあまりにもはしょりすぎていた。
もっと深く掘り下げていれば、面白い作品になったろうに勿体無い。
ただ生きていれば誰もが一度は考えたことがあるようなテーマなので、心に訴えてくるものはある。
キャラはみんな病んでる。
そして、貞操観念がナッシング。
いやテーマ的にしょうがないけど、見ていて辛い。
パッケージのメイン二人はルート的にもキャラ的にも微妙。
他のヒロインもピンとくるような好みのキャラが一人もいなかったのが残念。
以下キャラとルートごとの雑感。

・眼鏡
まず、メインヒロインの眼鏡がひどい。
会話もままならず、日常生活に支障をきたすレベル。
恥ずかしがり屋、口下手にしても限度があると思う。
うじうじしていてすぐ謝るし困ったら泣くし、行動やしゃべり方が拙い。
自分の努力しだいでどうとでもなる環境なのに、何もしないので自業自得。
酷い過去や境遇だったら、もっと共感できたかもしれないので設定的に惜しい。
にしても始まりが眼鏡とのHだからしょうがないけど、このキャラがどのルートでも関わってくるのがきつかった。

・榊
榊は人の話を聞かずにすぐ手が出る面倒くさいタイプ。
作中では委員長でしっかりしている人格者とか言われてるけど、それはない。
殺すとか死ねとか安易に言いすぎなのも気になった。
後、裏切りの代償としての行動が手首を切ることというのも唐突すぎた。
眼鏡に過保護な理由を過去の回想で補うなり、詳しい心理描写をするなりしてくれないと説得力に欠ける。
説明が少ないので、メンタル弱すぎなのか、あるいは、最初から壊れてるとしか思えなかった。
俺が見たいのはこれじゃないんだよね。
いきなり壊れた結果を見せられても共感できないし、鬱にもならない。

・須磨寺
自殺願望がある人。
主人公はみせかけの張りぼてだけど、この子は張りぼての上に鎧を身に着けている。
主人公が雪緒のように本心を硬い殻に篭らせていたら、さぞかし話も面白くなっただろうな。
最初の屋上のCGは反則。
惚れ惚れする美しさだった。
このルートだと妹が不快。
妹は他ルートのおまけ的な立ち位置だから映えるんだよね。、
心底、妹のルートが無くてよかった。
あの罵倒を堪えられられるほどのM属性は俺に無かったようだ。
シナリオは須磨寺の壊れた動機が弱い。
とりあえず、須磨寺や主人公は自殺する前に残された家族のことを考えてほしかった。
でも、自殺が失敗した後に殴ってくれるあるいは泣いてくれる人のシーンがないのが泣ける。
意図的にそうして現実を見せ付けたんだろうけど、悲しすぎるよな。
物語としてはよくできてるけど、認めたくない話だった。

・明日菜
暗い話に援交ネタもわりと定番になってるね。
とりあえず、主人公の仮面をめたくそにしてくれてありがとう。
さっぱりした。
ただ、あの展開はやっぱり唐突だった。
まあどのルートもそうだけど、2周目をやればまた見えてくるものも違うだろうし、
伏線や話し方などで新たに気づくこともありそうだけど、俺はこの作品を2周する気力はないなあ。
それでも数年後にやれば自分の考え方や見方も変わっているだろうし、いつかもう一度、再プレイしたいとは思う。

・真帆
セックスしたいから恋人になる。
恋人に喜んでもらいたいから、セックスする。
この感覚の違いをお互いに理解するのは難しいよねって話。
どれだけ相手のことを思いやって信じられるかによるかな。
むしろ付き合い始めて幾分か経過してもセックスしようと言い出してくれないのは
自分のことを魅力に感じてくれないから、と悩むのが一般的な気がする。
それはともかく結局、真帆は功を信じられなかったってだけの話。
どのルートでもそうだけど、若いんだからそんなに結論ばかり求めたり、生き急がなくてもと思うけどね。

・主人公
ヒロインに思い入れがなかったため、そこまでイラつかなかった。
ただ、基本的にどのルートでも残念な立ち回りだった。
主人公は思考がすれてるのは別にいいけど、なんだかんだでHしすぎだったのが頂けない。
序盤のすれた感じは好きだったので、その考え方を突き通すか、そのまま外道街道を突っ走るかしてくれればいいのに。
期待だけさせて、奈落のそこに落とすなんてがっくし。
中盤以降、最初に考えるべきことに対してうだうだと悩みだしてへたれるのは見ていられない。
ただ、こういう性格じゃないとこの作品のテーマが成り立たないから悩ましい。
それでも主人公の性格が歪んだ過去の描写くらいは入れてほしかった。
ヒロインたちの設定も、恋愛で身体と心が同義にはならないことをテーマとする話だから
こうなったんだろうけど、もう少しなんとかならなかったのだろうか。
不快指数が高いキャラばかりで、やってて辛かった。
俯瞰的に作品の本質を見れればいいんだろうけど、
俺はキャラありきで感情移入してしまうんだよなあ。

・豆知識
犬にたまねぎは毒だってはじめて知った。
いや犬飼ったこと無いからさ。

以上

作品を通して考えさせられることが多い。
ただテーマだけではなく、ヒロインの魅力にも拘ってほしかった。

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