farmelさんの「CROSS†CHANNEL」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

自己愛性パーソナリティ障害
自己愛性パーソナリティ障害

ありのままの自分を愛することができず、
自分は優れていて素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込む
パーソナリティ障害の一類型である(wikipediaから引用)

決めつけでしかないけど
このCROSS†CHANNELを愛する人はこれに該当する人が多いと思うし
今作のキャラクター全員もこの障害を抱えているものだと思う

この感想の筆者は幼少期から虐げられて生きてきた身であり
それが募り募って爆発し逃げてきた存在なのだが
今作をプレイしてわかったことがある

『人は人から与えられた影響で自己を創造する』ということ

過度なネタバレは避けるけど
今作が一番伝えているメッセージはただ生きてくださいってことじゃない
文だけを意識しても、正直、人に与える影響は半端ないとは思うけど
本当のメッセージは誰かしらどんな形でも
愛を捧げてくれる人がいるということを覚えておいてほしいということ
そう思う理由は
人は生きていくうえで他者と何かしら共存関係が結ばれているからである

今この感想を読んでるあなたが何か飲み物を所望していたと仮定してこの質問を投げかけよう
コーラでもコーヒーでもドクターペッパーでもなんでもいい
その飲み物は自分で作れますか?
無理でしょ?
水だって水道が引かれてなきゃ飲めない
誰かが原材料を作ってそれを元に出来たものをあなたは口に含んでる!

人は人から与えられたものでしか人を作ることができないのである
これは真理

では、かといって本当に孤独な人はどうだろうか?
答えは簡単でそんな人はいない
人間が生まれてくるには父と母が必要であり、
誰しも両方、または片方(少なくとも母親は必ず存在する)から愛を受けるのだから
どっちか死んでも今は手助けする施設もあるし
祖父母・親戚などからしか愛を受けてない人もいるけど
人間は記憶の中でしか自己を創造できないし記憶によって自己を創造できるから
本当に孤独な人なんていないんですよね

今作の主人公、黒須太一は自己愛性パーソナリティ障害不安型・狂信的ナルシストに該当するだろう
ただ黒須太一は本当に幸せだと思う
だって彼は物語の主人公なのだから

他者の認識に寄り添い
それを理解して正しい方向に導きあるべき世界への解放を行うことができる
ただ彼には自己愛性パーソナリティ障害だと決めつけることができる症状がある
他者に対する共感が欠けていること

彼は数々の登場人物を様々な形で愛し、
そのキャラクターの問題を解決に導きあるべき世界への解放を行った
だが、数々の登場人物は彼に対してどう思っていただろう
物語の最後に数々の登場人物が出てくるが皆同じ感想を思って聞いているだろうか?
答えは否である

抱える思いは様々で、なぜ様々なのかというと、
黒須太一が解決した問題は数々の登場人物から生み出されたもので
それぞれが抱えてる問題に対して適切な解決を導いた
好きといった形は登場人物全員が抱えているが、その方向性は様々なのは、
皆が同じ悩みを抱えていなかったためである
そのため最後のシーンを読み終えた時は何か味気なさを感じた

というかほとんどの感動できるエロゲのキャラは
自己愛性パーソナリティ障害を抱えていると思うけどね
というか田中ロミオ自信がこの障害を抱えてると思う
田中なんてありふれた名字にロミオなんてかっこいい名前をつけるなんて
自分に相当の自信がなきゃつけられないですもの

と、ここまで書いたはいいものの他にいい言葉や説明を書く気力もなくなったので
今作『CROSS†CHANNEL』のすごいところを書いていきたい

・シナリオ

ループものの概念を築き上げたといっても過言ではないと思うくらい
今作のループシステムは良くできていると思う
1週目は主人公の楽しい記憶で完成されたシナリオで
2週目は楽しさだけを求めた結果のあるべきシナリオで
3週目以降はキャラクターたちの問題に取り組みながらも
他キャラクターたちの問題に取り組めずただ葛藤と道筋を示すシナリオで
最後はキャラクターたちを解放してあるべき世界へと戻し
自己満足に満ちた世界を創造するシナリオ

こんなシナリオで主人公に愛着が持てないわけがないじゃないか!

・プレイヤーへの認識力を試すために意図的に仕組まれた文章と知識の数々

ぶっちゃけ今作のすごいところはここ
プレイヤーが今作から与えられた最初の刺激(主に1週目)はどんどんプレイするごとに変わっていって
最後はこういう意図があったんだと理解することによる新鮮さは計り知れない
エロゲーというものが最盛期を迎えようとして自由であった頃に今作が作られたことは奇跡といってもいいでしょう
今じゃこんなエロゲーは売れないよね
というか作る技術といい人員といい制作費といい
今じゃユーザーも求めるものが様々すぎてこんなの作っても売れるわけないですやん
あと知識力もすごい
まぁ~最果てのイマに比べたらこれは比較的理解できる
というか文をそのまま読んでて辞書を引くほどの単語が出ない
出たとしてもなぜか自分の中でこの言葉はこういう意味があるんだと勝手に定義しても読み進められる
ほんとすごい

・学園モノという舞台で繰り広げられた青春物語であること

このゲームには授業という言葉は何回か出てくるけど授業そのものをしているシーンはない
これは意図的なものではないかと思われる
というのも授業はつまらないものだから
登校時・食堂・部活・下校時・放課後は楽しく過ごすところだから
だから余計に今作で繰り広げられた青春は鮮やかなんだと思う

今作をもっと早めにプレイしたかったと常々思う
実はまだEXTRAは読み始めなのだけど
読めば読むほど今作が好きになっていくのがわかる

もう一度こんなゲームに会えるのならどれだけ幸せだろう
広くいろんな人に読んでもらいたい作品です

自己愛性パーソナリティ障害については
『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田尊司(光文社新書)を読むのが一番だと思います
正直なことを言って僕の中ですごい自分の説明書のような本でした

田中ロミオ作品(特に『CROSS†CHANNEL』と『最果てのイマ』)を読んで
人類同士で敵はいないにせよ、自分を傷つけたりバカにしてくる輩は敵でしかないと思いました
真の敵はイメージによって作られた虚像を映し出しそれを信じて疑わないものすべて
今年もあと半分
全人類に対し優しさを放ちながら未来に向けて生きていかなければ・・・
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