asteryukariさんの「夜、灯す」の感想

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ホラーに期待すると肩透かしを食らうが、登場人物達の動きに注目するとそれなりに楽しめる。また、絵と音楽も良いものが揃っているので、その辺も含めるとそこそこの作品にはなるかも。
初めに旧校舎にまつわる昔話をしつつ、その後現代の物語へと続ける。シンプルでわかりやすく、これから始まるであろうホラーの話に向けた準備もできた。だから部長がなくなった時は不謹慎にも「始まったか…」と少なからず気分が高揚した。ただ、最後まで読み切って感じたのはホラー要素の薄さ。

選択肢を間違えると悲劇が起こる点はホラー感があって良いが、逆にそこくらいしかホラーを感じられる場面がなかった。また、その根源たる人物についても、その人自体はいい人(しかも一番可愛い!)なのであまり緊張感がなくて、オチを見ていてポカーンとしてしまった。最後の章くらいもっと尺をとって丁寧にやってくれても良かったのではと思う。

ただ、箏曲部内の話はわりと評価していて、箏という普段見慣れない楽器に着目した点は面白いと思うし、何より部活動らしさが出ていて良かった。最初は一匹狼だったような少女が段々と周りに溶け込んでいき、やがてはメンバー全員で料理を作るようにもなる。その辺かがとても心温まるものだった。

有華が変わったというよりは周りが受け入れたというべきか、元の芯の強さはそのままで周りがそれについていこうとする。そしてそれは当然演奏にも表れてくるのが非常に良いい。そう、コンクールに向けた活動自体は本当に良かった。だからこそ、そのコンクールを放棄し、なんちゃってホラーに力を入れたのが残念で仕方ない。勿論、この作品のジャンルが「ホラーアドベンチャー」であることをは百も承知なのだが、そっちがダメだったので...。いっそのこと「百合×音楽ADV」にしてほしかったなと。

百合に関してはあっさりめだが、若干一名やばい子がいたのが個人的に面白くて好きだった。その異様な執着心から仲間に「これは病気が重くなっているわね…」と言われたりも。どうしてこうなっちゃたんだよこいつはと笑いながら彼女を眺めていた。

総じて中途半端な感じの作品ではあったが、部活の話はそれなりに良かったし、箏についての話もなかなか興味深い。鑑賞モードで「水の変態」を聴き入る時間があったくらいにはハマっていた。また、この作品を手に取るきっかけとなった絵柄については、実際に綺麗だったし、ヒロインについても美しく描けていた。だから可愛いヒロイン同士の百合を楽しむくらいの気持ちでこの作品を読んでいくと良いかもしれない。

いくつか不満点を書いたが、好きな点も書けたのでそこそこ楽しんでいたのかなと思う。



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