taiki_VAさんの「アメイジング・グレイス -What color is your attribute?-」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

こういう伏線回収で鳥肌が立つ作品をやりたくてノベルゲームをやっている面もあるので本当に満足。
最近は旧作ばっかりで新作を全然プレイできていなかったが、体験版で伏線をいっぱいばらまいており過去作でも実績があるライターとのことで、久々に新作を金曜に購入し土日にてクリアした。


大変楽しめた。特に怒涛の伏線回収は気持ちいい。
とりあえず体験版をプレイして合えば間違えなく楽しめると思う。
ループモノでもあるので、そういった作品が好きな方も是非。

ただ、ベースはキャラゲーであることを念頭においてプレイしないと不満を覚える方もいそう。


…長所が伏線回収部分なのでオススメしようにもネタバレになってしまって難しい。





以下ネタバレあり。



























キリエの爆発好きは演技ってのは分からなかった。
どこかのとっつぁんに「固定概念だな、森田。」と言われた気がした。
ただ、町が破壊された光景についてキリエに質問した際に「何も思うことはない」的なこと言っており違和感があったのだが伏線だったんだな。


とりあえず最も評価したいポイントは「無文字社会」という部分へのミスリード。
落書きについて壁画と言っていたので完全に「抽象絵画」とかではと思い込んでいた。
某小説で実は村人全員が遺伝的な色覚異常だったという内容は読んだことがあったが、まさか「無文字社会」という仕込みを本作でやってくるとは予想外だった。
 しかし、「町」の位置が北海道でアイヌ語が散見していたことからも予見できない内容でないというのがまた悔しい。そういやアイヌ民族って無文字文化だったわ…。


 また、このトリックは「映画」「小説」では難しく、「ノベルゲーム」だからこそという部分は自分の中で高得点。映画ではどうしても町中に文字が無ければ違和感があるだろうし、絵が存在しない小説では言わずもがな。その点、ノベルゲームでは文字の無い「背景」「CG」を用意できれば良し。
実はCGで何枚か違和感あったのよ…。
あまりCGが上手い原画家では無いと個人的に思っているのだが、それにしても華がないなとか。
あれは文字が無かったのも一因だったのだろうな。


そしてクリア後に気づいたのだが、システム面で「音声再生中にテキストを表示する」かどうかを選択出来るのは、この「無文字社会」の伏線だったのかと。プレイ当初に音声設定を行った時に「また珍しい項目の設定があるな」と思っていたが…。文字通り、この設定をオフにするとキャラクターの音声再生中はテキストが表示されなくなる。無文字社会でヒロイン達の言語が視覚的に文字化されるのはおかしいので、テキストを表示せずにプレイするのが本作を十全に楽しむ設定なのかな。まあ深読みしすぎかもしれないが、気になってメーカー前作の「星恋*ティンクル」の体験版でシステムを確認したら、この設定項目が無かったので本作の作中設定の為に付けた機能と思う(たぶん



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(対象に応じた意味を絵画の中で持たせる、そう――)
「文字が読めない人にも、その意味を理解できる約束事。」
「アトリビュート」
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素晴らしいタイトル副題の回収だった。こういう鳥肌がゾワッとする伏線回収作品をやりたくてノベルゲームを続けている面もあるので本当に嬉しかった。



…と絶賛はするし、この伏線回収の為だけでも本作はプレイする価値はあると思ってはいるが、この明かし方が勿体無いと思った。書かれた文章の内容にシナリオとの絡みが薄かったのが残念で仕方ない。本作では文章でアポカリプスが発生することと、協会の真ん中の絵から隠し通路のありかを示すことしか書かれていなかったのが本当に残念。シナリオ展開のブレイクスルーとはなっているがヒント程度で収まっている。もっと「正解は目の前にあったのか!」的な驚きも追加で欲しかった。


ぼくのかんがえたせっていをいかしたさいきょうのシナリオてんかい
「主人公が死の淵で記憶を取り戻し、ヒロインに対して手紙を書いて残すが、ヒロインはその内容を読めずに謎の壁画と思ったままのTruEND。」

主人公の手紙の内容を読んでプレイヤーはヒロインがどういった反応をするかと思っていたら「この壁画はどういう意味?」と戸惑いだして、プレイヤーも戸惑い、そこでゲーム中に文字が一切使用されてないことにプレイヤーは気付き「!?」となり、+αとして文化の違いにより分かり合えない断絶を感じてやるせないENDとなってメッチャ好き。(個人の嗜好です

まあこれをフルプラでやると非難轟々になるのは予想されるので同人作品でしか出来ないと思うけど。





ここからは愚痴タイム。
良い作品だったからこそ勿体ないと感じた部分が多かった。


・原画家のCG構図の拙さ。
立ち絵は文句なく可愛い。表情差分も多く売り物として文句なし。
しかし、一部のCGでは良いなと思うこともあったが大半は「なんやこの棒立ちのCGは…」「重要シーンと思うが、それにこのCG構図って適してない…」と思いまくりだった。明らかにワイド画面の余白を埋めるのに困って同じような構図になっていると感じた。後半のコトハがギドウを説得するシーンのCGとか「どんだけ斜めに書くねん…」と思って内容に集中出来なかった。これだからワイド画面嫌い。やはり800×600が至高(過激派
ギドウが犯人と分かってのギドウのCGも背景が真っ黒で残念過ぎる。美術作品題材にしての犯人判明なのだから、背景とかは名画にしてラスボスっぽく壮大にすべきでは。


・犯人のしょぼさ
ギドウとサクヤが兄妹なのは面白かったが、ギドウの犯行の理由と動機がしょぼすぎる…。もっと狂気な感じが欲しかった。改心も結構簡単にするし。まあ、キャラゲーの側面もあると考えればやむなしか…。無文字社会の衝撃が大きすぎて、この犯人判明の部分が「あ、そう…」と感じてしまった。


・キャラクターに深みがない
こんな歪な世界ならもっとキャラが歪んでいても良いと思うの。そういった場面もあるにはあるがサラッと流されていた気がする。可愛いキャラクターで終わってしまっていた。もっとドロドロしい人間味溢れて欲しかった。作品にかける狂気とか含めて。総じてシナリオ展開は面白いが、それを動かすキャラクターが薄い作品に。サクヤのみはシナリオ立ち位置的に一番魅力的に感じた。「どうしてあのときに終わってくれなかったんですかっ!」はキャラに血が通った名セリフだった。


・ご都合主義
赤りんごと青りんごによるループ
都合よく綺麗に記憶が無くなるミューズ
町を維持する上での運営費
町に対する人道的な見地での世界の反応
ギドウが行う町壊滅を容認するリリィ先生

作品の為の舞台装置と分かってはいる。しかし、他の部分のディテールが大変しっかりしているから余計に「これにはもっとしっかりとした説明はないの…?」と思ってしまう。説明が無くても十分に展開として楽しめるが、納得させる説明があれば更に作品世界に奥深さは生まれたかと。最後の黄金の林檎は明らかな「機械仕掛けの神」で、それは作中で言及されていたから問題ない。




まあ、個人的な嗜好により不満点もかなりあるがシナリオ展開に夢中になれて大変楽しめた。
冬茜トム氏は今後要チェックライターだし、また過去作もやってみたいと思う。
メーカーの梱枝りこ氏の絵だけを売りにした萌えゲーでなく、こういったシナリオに特化した作品を作り出した気概にも拍手を送りたい。



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ブログにて体験版時点での考察をしていた↓
http://taikiva.blog.fc2.com/blog-entry-104.html

体験版時点の考察についてせっかくなので答え合わせ&コメント


●町の場所
→正解。まあオンネトーで検索すれば一発だしね…。


●アイヌ語
→正解。


●アトリビュート
→造形が深かったら無文字社会って分かったかもな…


●最初のユネの棒読み演技
→メッチャ悔しい。まさか演技中の録音音声とは…。やられた…。


●検証(年代などにズレがないか)
→惜しかったかも。ループ期間が敵(サクヤ)とはズレがあったので。


●ドラッグ(ミューズ)
→ルインに100なり500なりの数字がないのに違和感を覚えなかった。悔しい。


●ドラッグ(ミューズ)の副作用
『…この町の人達全員強制的にミューズを使われてるんじゃね?
それにより生徒全員の異常な技術力の向上となり、この町全体も芸術作品を作り出す為だけに造られており、生徒は犠牲者。一部の大人が創作者を管理しており、芸術作品をオーロラの外のパトロンに提供している的な。』
→ほぼ正解。ミューズは使われて無かったが、その他は想像通り。


●学長ワタラセ
→主人公の父親とはなぁ。


●クローザの失楽園
→犯人の犯行動機の重要な絵画だった。


●主人公の名前
→メッチャ序盤で「名字がない」ことについて疑問を提示されていた…。
 これは「ワタラセ」が足りないということか。
 EDで各キャラの漢字表記の名前が分かる演出も好き。


●面談の際の右の絵
→ピカソの「泣く女」で正解。

『この町では「キュビスム」は否定されており、わざと教えられていないのかなー。』
→これについても当たっていた。
 落書きを抽象絵画と予想したのは綺麗にミスリードされた感。くやしい。


●主人公(教師)について
→体験版内だけで主人公が教師として赴任予定だったとは予想は難しいかも。


●アメイジング・グレイス
→予想通りだったけど、曲が流れたのはサクヤの告白シーンだったよ!


●チヴェッタの先生を知っている
→サクヤに監禁されている時に聞かされていたのか。


●ユネの待ち時間
→正解。実際の時間は明記されていなかったが。


●オリーブをくわえたハト
→ルインに100の数字がないのに違和感を覚えな(2回目


●リラ
→正体については他の方の考察を参考にする(考えるのめんどくさい


●主人公と同様にループしている人物は?
→サクヤで大正解(ドヤぁ…
 作中で自分が挙げたシーンが取り上げられた際はテンションあがった。かなり自信はあったが実際に当たると嬉しい。でも考察好きなフォロワーさん2人も「サクヤ」にしてたので分かる方には簡単だったのかも。#あめぐれクリスマスプレゼント
新品/中古アダルトPCゲーム販売 通販ショップの駿河屋

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