kihaneさんの「金色ラブリッチェ」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

今後エロゲーマーが舐められそうで少し不安。本作で感動とかボロ泣きとか……少し信じられないです。工作を疑いました。

 最近エロゲは食傷気味で、発売日に購入するのも年2、3本になってきていたので、本作も発売日に吶喊するのは避けていました。
 特にサガプラには以前、はつゆきさくらで痛い目を見たので、このメーカーは様子見がデフォになっていたんですね。
 しかし、本作こと金色ラブリッチェはライター違いますし、はつゆきさくらから5、6年も経ってますし、何より凄く評判が良かった。体験版も出来の良い萌えゲーっぽい感じで、最悪感動はできなくとも萌えゲーとして最低限楽しめるだろうな思って購入してみました。

 そして一通りクリアした結果、本当に萌えゲーとして最低限楽しめた程度だった……。



 理亜ルート、これルートロックするほどのモンですかね?
 なんか散々作中で「死んで終わりの物語は云々」とか否定的なことを書いておきながら、理亜ルート死んで終わりって……え?
 高度なギャグですか?
 なんというか、終わった今になって思うと、あれはライターの言い訳のように感じられます。
「死んで感動とか、そういう物語の安っぽさは分かってる。分かった上で理亜を死なせて感動ものっぽくしたんだ」
 という開き直ったかのような主張が感じられました。批判対策だったのかな?

 登場人物たちは普通に可愛いと思います。
 萌えゲーとしてなら及第点。
 ただ、そこに死を中途半端に混ぜ込んだせいで、全体的によく分からない作品になってしまった。
 曲がりなりにも作中で人生や死という重いテーマを扱っておいて、「死んで終わりの物語は云々」とキャラに言わせておいて、結局ヒロインを死なせて終わりって、ギャグにしても滑りまくりですよ。
 萌えゲーなら萌えゲーで終わらせておけばいいのに、なぜ死んで感動という要素を入れようとしたのか……。

 ゴールデンタイムが本作のテーマというか核だから、仕方なく人生や死という要素を取り入れたのかもしれませんが、でも理亜ルートって本作の根幹を成すルートですよね? ルートロックまでして、あの最後を有終の美にしようとしたほどなら、最初から死が必要不可欠であることはプロット段階で瞭然だったはずです。
 私としては、ゴールデンタイムというテーマあっての人生や死という要素ではなく、人生や死という要素あってのゴールデンタイムというテーマに感じられました。だからこそ、なぜこんな中途半端な出来にしたのか理解に苦しみます。死の扱い軽すぎて、感情移入なんて全く不可能でした。
 一番不快というか疑問に感じたのが、最後のシルヴィと結婚して子供の名前はマリアというくだり。
 あれ……必要か?
 首を傾げている間にエピローグが終わり、私はしばらくタイトル画面と睨めっこしてました。



 終わってから気付いたんですが、さかき傘というライターさん、「ひこうき雲の向こう側」のライターさんだったんですよね。
 このサイトの評判と私の評価が著しく乖離していた作品って、「はつゆきさくら」と「ひこうき雲の向こう側」が一位二位なんです。サガプラとさかき傘さんって、私にとって最悪の組み合わせってことになるんですよね……なんてこった……気付くがの遅すぎた。

 一言でも触れましたが、本作で感動したりボロ泣きできる人が少し信じられません。
 まあ感動要素らしき何かはありましたし、「あ、ここで感動するんだろうな」というシーンなども分かりましたし、理性ではなぜ理亜ルートが評価されているのか分からないでもありません。私は全く共感できませんが。

 エロゲはシナリオが全てではないですが、キャラの魅力ってイラストよりキャラクター性=作中での立ち居振る舞いや性格、引いては物語性にあると私は思っています。イラストが微妙な作品でも、シナリオが良ければ高評価でキャラも愛されますが、イラストが良くてシナリオが微妙な作品って大抵は低評価でキャラも愛されません。
 なんといいますか、昨今流行のソシャゲって、そんな感じじゃないですか。イラストありきの作品。客寄せパンダとなるイラストが良ければ、シナリオが多少アレでも大丈夫みたいな風潮ありますよね? 私はそれが大嫌いで、私にとってシナリオ=キャラクター性があってこその素晴らしいイラストであって、その逆はない。ラノベなどでも、表紙絵や挿絵が素晴らしい作品でも物語が安っぽければキャラクターを愛せない。キャラクターを愛せなければ、それは萌えゲーとして成立しない。
 だから、本作は中途半端なんです。
 人生だの死だの重いテーマは扱わず、普通に萌えゲーとなっていれば、本作は良作だったと思います。
 これは「はつゆきさくら」にも言えることで、おそらく私はサガプラの作風と相性が悪いのでしょう。

 上述したイラストありきな萌え。
 これはエロゲー界にとって非常に危険だと思います。
 エロゲでの萌えって、シナリオというキャラクター性があってこそのイラストで、それが高いレベルで融合することより、萌えになるんです。それが萌えゲーなんです。あるいは魅力的なエロシーンがあってこそのエロゲなんです。本作のエロシーンの出来は悪くなかったと思いますが、ミナちゃんが軽々しくエッチしたり、シルヴィとの初エッチが青姦だったり、王族の貞操観念どうなってんだとツッコミどころがあったせいで、なんだかエロシーンが安っぽく感じられることが割とありました。



 久々にこのサイトで長文感想を書いてしまうくらい、私は今後のエロゲー界に不安を覚えました。
 本作のような中途半端な作品が評価されて、本作のような作風のエロゲが増えて更にそれらが評価されていくと、もうエロゲのシナリオレベルがどんどん低下していって、エロゲユーザーが舐められて、今後は安っぽい感動萌えゲーが主流になる。そうなると私のようなユーザーにとっては阿鼻叫喚だと思うのです。

 ユーザーの作品を見る目が、今後生まれる作品のクオリティに響いてくる。
 それは小説家になろうなどが証明していて、あのサイトもどんどん作品レベルが低下しているように思います。小学生レベルの文章力構成力でも人気の作品がありますけど、実際に読んでみると私は全然面白く感じないことが多いです。私の作品を見る目が肥えてしまっていたり、昨今流行の面白さに共感できないだけで、小中学生や高校生には面白く感じられるのかもしれませんが、それでも明らかに作品としてレベルが低いのに評価されていて、あまつさえ書籍化とかしちゃっている。これはラノベ業界にとって不味いことだと思うのです。
 同様にエロゲー業界も明日は我が身で、我々ユーザーの審美眼に今後生まれる作品のクオリティが掛かっている。
 だからこそ、私は本作のような作品に高評価はつけられないです。



 なんだか感想というより持論を展開してしまいましたが、要するに、

 死んで感動とか、そういう物語の安っぽさを分かった上で書かれた「死んで感動もの」でもやっぱり安っぽい。
 その安っぽさが他の良い部分も安っぽくしまうから、インスタントな感動要素は入れないで欲しかった。

 私の本作に対する感想はこれに尽きます。
 正直、理亜ルート以外は普通に萌えゲーとして楽しめましたが、理亜ルートのせいで後味が悪く、作品全体が台無しです。
 「ひこうき雲の向こう側」と本作によって、さかき傘さんの作品は今後回避することになりそうです。

 本作が好きな人には不快な感想になってしまったかもしれませんが、一方で私と同じ思いの人もいると思います。


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