エストさんの「BLACKSOULS -黒の童話と五魔姫-」の感想

マッチ売りの少女は母親に殺され、ヘンゼルとグレーテルが森から帰ることはなかった。狂った童話の世界を渡り歩くダークメルヘンファンタジーRPG。陰惨かつ狂気的な雰囲気作りが非常に上手く、久しぶりにのめり込んでプレイした一作となった。題名からわかる通り「デモンズソウル」「ダークソウル」などのソウルシリーズをオマージュして作られた作品なので、ああいった仄暗い雰囲気が好きな方は手に取ってみてはどうだろうか。
○概要
・ボリュームは全エンド制覇で8~10時間ほど。一部進め方を誤ると周回するしかなくなる仕様なので周回するならもう少しかかるかも。
・オープンワールド制を採用しておりストーリーの進行順はプレイヤーに任されている。一つの大きなストーリーではなく、各地で展開される短編形式の童話をモチーフにした物語をプレイヤーは追っていく。情報は断片的であり、各地で入手できる「童話」アイテムから読者がその地で何があったのかを想像していくスタイルで物語が展開される(イストワールなどに近い)
・戦闘システムはオーソドックスなコマンドバトルRPG形式。各地で仲間に出来るヒロイン達を戦闘中に召喚でき、最大4人パーティーで戦闘を行う。ソウルシリーズの影響から「回避」と「パリィ」が実装されており、物理・魔法を完全に無効化することが可能。ボス戦ではこれらを駆使し、普通なら絶対に勝てない強さのボス達との戦略的な戦闘を楽しめる。(公式曰く本作は心が折れる難易度らしいが正直そこまで難しくないのでここで二の足を踏む必要はないと思う。)
・他にも経験値が「ソウル」だったりチェックポイントが篝火だったりソウルシリーズ的要素がちらほら。
・ヒロイン含めNPCは全員殺害可能。自由度が高くTRPG的な面白さが味わえる。またイベントによっては容赦なくヒロインの命が散る展開もあり、狂気的な雰囲気の演出に一役買っている。本作はマルチエンド制を採用しているのだが、TRUEエンドではこの殺害システムもストーリー上重要になっており、細かく作り込みが為されている。

◯感想
正直世界の謎が解明されるTRUEエンド含め、ストーリーについては絶賛するほど凄いものではない(最近の18禁RPGでは凝った設定なのは間違いないけれども)
本作の最も魅力的な部分は、作り込まれた硬派で暗澹とした雰囲気だろう。マップチップは通常のツクールのものなのだが、川を歩けば水の音がし、砂を踏めば砂浜を歩く音がするなど、とにかく作りこみが細かい。またスプラッター的描写も読者の意表を突くように計算されて作られている。これらが狂気的な童話の物語に思わずのめり込んでしまう程の迫力を与えていたように思う。中編程度の作品だが、「次はいったいどんな童話の世界に迷い込むのか」「この狂った童話の世界はいったいなんなんだ」と常に先が気になり一気にプレイしてしまった。
また戦闘部分の作り込みに関しても、ソウルシリーズのオマージュ要素が上手く活きており、他作品にはない新鮮な面白さがあった。普通は攻撃が10ダメージしか通らないとかなら諦めるところだが、回避・パリィと状態異常を上手く組み合わせれば倒せてしまうところが面白い。アクションゲームであるソウルシリーズの要素をコマンドRPG的に上手く取り込めていたと思う。
絵が少々特徴的なので敬遠されがちな所もあるとは思うが、総合的にゲームとして素直に面白いと言ってよい良作だと思う。容赦なくヒロインが死んだり、むしろ積極的に殺害しなければならない場面があったりと人を選ぶ作品だとは思うが、この鬱々とした雰囲気に少しでも惹かれた方はこの機会にぜひプレイしてみてはどうだろうか。

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