akn_rtsさんの「BALDR BRINGER」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

ようこそ『バルドスタンプラリー』へ!BALDRシリーズ最終章にして従来作からの変化も大きい挑戦作。プレイ前から「受け入れられない」と忌避するユーザーはさて置き、80点以上を付け好評する方の気持ちも、途中でGiveUPないし完走してなお低評価を付ける方の気持ちも分かる。そんな作品。以下、発売決定後のニコ生、体験版公開、発売と順に眺めてきた筆者の感想(※2017年11月10日追記)
 


ついにやってきてしまった 戯画/TEAM BALDRHEAD が送るBALDRシリーズ最終章となる本作。
公式HPだったかニコ生だかで、それぞれ担当イラストレーターの異なる全11人のヒロインが公開されたとき、筆者が第一に感じたのは、

「めっちゃくちゃソシャゲっぽいな!」 ということだった。


前作の【BALDR HEART】から既に予兆はあった。

BALDRシリーズではおなじみ、主人公らが操るネット上仮想空間内での戦闘用ボディである【シュミクラム】
その火器管制を担当する【兵装少女】の存在が巷に溢れるソーシャルゲームじみていたから。


本作もメインヒロインとなる【エリス】を除いた10人のヒロインらがそれぞれ1種ずつ武装を受け持っており、
彼女らの管理するエリアに踏み込み、彼女らを倒して仲間にするとその武装が使えるようになる、という流れだ。
ストーリー上では彼女らの担当するエリアの管理者権限を移譲してもらうだとか、他の目的もあるのだが今は横に置く。


この 「ソシャゲっぽい」 というファーストインプレッションは、後の体験版リリースでもってより確かなものとなる。
本作のシナリオは従来の作品とは異なりミッションクリア方式を取っていることが分かったからだ。

ミッション、つまり読み進めたいシナリオを選択すると会話やイベント、戦闘があり、クリアすると次のミッションが解放される仕組みだ。
ソーシャルゲームのイベントからスタミナによる行動回数制限を排すれば似たようなものになるかと思う。

プレイヤーは本筋のシナリオを進めてもいいし、いつでも好きなヒロインに関するミッションを進めてもいい。
そういった意味では気軽さがある。
だが、ミッションが終わる度にミッション選択や武装の交換を行うメインメニューに戻されるせいで、ぶつ切りに感じ没入感は損なわれる。


体験版のリリースで確かになったものはもう一つ。
公開されていたPVから予測できていたのだが、アクションパートの大改変だ。

高度の要素が廃されたので当然空中コンボはない。というかコンボという概念すら消えた。
セット可能な武装は大技のスキルを除けばメインショット、サブショット、近接の3種のみ。
武装を繰り出すのに必要だった熱量(ヒートゲージ)も撤廃され、残弾数による制限が設けられた。
敵に近接攻撃等を当てると弾数が回復し、敵を倒せば装備している武装に対応した武装がドロップするチャンスがある。
敵がドロップする武装にはノーマル~アンノウンといった4等級のレアリティが設定されており当然レアリティが高いほど強い。


つまるところ、

従来BALDRシリーズのような ” アクションゲーム " から
" ミッションを繰り返し、敵を倒して自機のLvを上げ武装を揃えるハクスラ要素付きシューティングゲーム " になった。

ということになる。


この時点で「受け入れられない」と憤るシリーズファンが出るのは仕方のない話だ。戯画サイドも承知の上だろう。
個人的に今作のアクション改変は 「残念だけど、これはこれ」 と割り切れば楽しめるものであったし、
元々ハクスラゲーを嗜んでいたこともあり、レア武装目当てに敵を狩るハクスラ要素もすんなり受け入れて楽しめた。


しかしながら不満がないわけではない。

個人によって感じ方は異なるだろうが、今作はとにかく 移動が遅い。
ブーストゲージを消費するブーストダッシュを使ってなお遅い。

ゲーム中でF2キーを押下することでゲームの動作自体が早くなる高速モードがあるとはいえ、長距離移動自体がストレス、そんな感想を持った。
そもそも高速モードは自機だけでなく敵機の速度も高速化されてしまうため、
下手に使えば敵に高速で接近されバカスカ撃たれボコボコに殴られる。
そのため「移動がダルけりゃ高速モード使えばいいじゃん」とは気軽に言えない側面がある。


11人いるヒロイン一人ひとり担当イラストレーターが違う という
昨今では当たり前となった複数人原画のゲームでも滅多と見られない状況について、当然ながら統一感は皆無。
にも関わらず受け入れられたのは 作中で立ち絵を並べてヒロイン同士が会話するシーンがほぼない から。

まあ、体験版時点でも菊池氏デザインの【エリス】はママ属性盛り盛りで可愛いかったし、【十彩】は外見やCVで十分好きになることができた。


このような流れを経て、製品版の発売を迎えた。




※※※ これ以降は ネタバレ が多量に含まれます。構わないという方のみ読み進めてください ※※※












体験版から武装などのプレイデータを引き継ぎ、体験版で既読のシナリオを流し読む。

本作は従来のBALDRシリーズとは異なり基本的に仮想世界(バーチャルワールド)と対をなす現実世界(リアルワールド)が存在しない。
主人公であるAIの【不二】やその生みの親【エリス】は物語開始時点で既に仮想世界【VERTEX】の住人である。
現実世界と任意で行き来することはできず、その現実世界がどうなっているのかすらもわからない状況。
それでも現実に帰りたがっている【エリス】のため【不二】は仮想世界【VERTEX】からの脱出方法を探す。
というのが本作のストーリーの端緒となっている。


【エリス】以外の10人のヒロインたちは、それぞれ過去作に登場した別々の時系列上を生きていた人物。
とはいえBALDRシリーズは並行世界、つまりパラレルワールドの存在する物語なので、
あくまで過去作の【透】や【甲】たちがいた世界とは違う " よく似た世界出身 " ということになる。

10人のヒロインはそれぞれの世界で死ぬ間際の記録を元に【不二】たちのいる仮想世界【VERTEX】へと再構成されたコピー人格。
各々、仮想世界【VERTEX】内にある10のエリアの維持、管理を任されており、エリアを通過したい【不二】の障害として立ちはだかる。

彼女らとの戦闘に勝利し、エリアの管理者権限を譲り受け、彼女らを戦闘用ボディ【シュミクラム】に組み込んで新たな武装もゲットだぜ!
という流れが当然10チョロイン分ある。

…ちょっと嫌な予感がしてきただろうか?いやいや、まだ先は長いですよ。


10のエリアをのろのろ移動で駆け抜け、10人のヒロインを仲間にした先にある、厳重にロックの施された隔壁が【不二】の行軍を阻む。
その時、突如として【エリス】の待つメインルームに敵性シュミクラム【ダスク】が出現し【エリス】を拷問する。

隔壁はゲーム中エリアの最奥に位置している。当然ワープなんてさせてもらえないのでとろとろ移動で来た道を戻ることとなる。
急げ【不二】!当然10エリアな!(エリアの接続の関係で5、6エリア遡ればメインルームには帰還できるがそれでも長い道のりである)

メインルームへの帰還もなんとか間に合い【エリス】を救出することに成功した【不二】。
いまだ【ダスク】の脅威はあるが、それでも隔壁の奥を目指すことを決める。
エリアの最奥にある隔壁のロックを解除し、その先にある真実に触れる方法とは…
さあ、『隔壁ロック解除ミッション』その内容を見ていこう。(注:台詞の内容は正確な引用ではありません)



▷ヒロイン1「【不二】、隔壁のロックを解除する方法がわかった!私の管理していたエリアの " A " というポイントに向かってほしい!」

隔壁ロック解除の方法がわかったらしい。流石は可愛くて有能なヒロインだ。すぐに向かおう。


道中の敵を倒しながら、お世辞にも速くない移動で指定されたポイントへ向かってやることは

 ● 指定ポイント周辺に沸く敵の無人機(ドローン)を倒しながら一定時間経過するのを待つ
 ● 指定ポイント周辺にいる敵集団、または中ボスクラスの敵を倒す
 ● 指定ポイントにある破壊可能オブジェクトを破壊する

と、大まかには以上のようなパターンがある。
時間経過を待つタイプが時間もかかってひときわ面倒というくらいで大した差はない。

素直に指定ポイントへ向かい指示された内容をこなすと次の伝令だ。
…なにやら嫌な予感がする。


▷ヒロイン1「やったね!次のポイント " B " へ向かって!」

道中の敵を倒しながら、お世辞にも速くない移動で指定されたポイントへ向かってやることは(ry
素直に指定ポイントへ向かい指示された内容をこなすと次の伝令だ。


▷ヒロイン1「さっすがー!次のポイント " C " へ向かって!」

道中の敵を…もう無視していいや。お世辞にも速くない移動で(ry
半ばヤケクソ気味に指定ポイントへ向かい指示された内容をこなすと次の伝令だ。


▷ヒロイン1「次で最後だよ!次のポイント " D " へ向かって!」

やっと解放される…被弾覚悟でF2キーを押下し、高速モードで指定ポイントへ向かい指示された内容をこなす。


▷ヒロイン1「お疲れさま【不二】!やり残したことがなければ脱出していいよ!」

……はい。


あえてここまで説明を先延ばしにしたが、このゲーム、
ヒロインや【エリス】がワープ移動や脱出をさせてくれるなんてことは ない。
脱出サークルという領域内に留まることで溜まるゲージが100%になればマップからの脱出が可能となる。

なぜこの説明を今するのか。その理由として本作は
ミッション終了前にヒロインや【エリス】から提示される 脱出ポイントの位置が【不二】の現在位置からやけに遠い のだ。

ボス戦後などはボスの残骸の側に脱出ポイントが設定されていることもある。
だが隔壁解除ミッションをはじめとする大半のポイントラリー型ミッションは往々にして脱出サークルが遠い。

今まで散々述べた通り、遅い移動でヒロインの指示通りにポイントを巡って任務をこなした後、更に脱出のための移動を余儀なくされる。

ここまでくると脱出サークルに立ってゲージが100%溜まるまでの時間すら長く感じる。
F2キーで高速モードにして短縮しよう → あ、敵に殴られてサークルからずれた! なんてことも、もう日常茶飯事だ。


  ※※ 2017年11月10日追記 ※※

  Twitter上の感想か、はたまたアンケートか、この脱出サークル出現位置に対する不満は少なくなかったようで、
  アップデートver1.03にてミッションクリア後の脱出サークルが自機の近くに出現するようになる修正が加えられた。
  詳細は以下ツイート参照
  https://twitter.com/web_giga/status/928988864223391745

  筆者にとっては " 今更 " な話なので本パッチ修正による評点の変動はない。
  むしろテストプレイの段階で気づいてほしかった。無駄な移動だと。

  ※※※※※※※※※※※※※※※※


以上が『隔壁ロック解除ミッション』の流れなのだがご理解いただけただろうか。

そして、既に嫌な予感を覚えた諸兄であれば、次のミッションの内容にも察しがついているはずだ。
展開の先読みが別段得意でもない筆者にも一瞬で予想できたその内容とは…



▷ヒロイン2「【不二】、隔壁のロックを解除する方法がわかりました!まず私の管理エリア内の " E " というポイントに向かってください!」



……

………FU○K!


そう、エンディングへと至る唯一の道である最奥の隔壁。
そのロックを解除するためには上記で説明したような流れのミッションを 10ヒロイン分、すなわち10エリア分 こなさねばならない。
と、まあそういうことなのだ。(中には難易度が上昇する代わりにボスへ直行して即クリアできる菩薩のようなヒロインエリアもある、が一人だけ)


隔壁ロック解除ミッションの他にも試練は待ち受ける。


本作 最凶 のスタンプラリー『ドローン掃討ミッション』
隣接する2つのエリアを合体させた広大なマップで行われ、複数のポイントにいる敵集団を全て倒すというもの。
これはクリアすることで本作の謎解き要素である【謎の端末】の隠し場所のヒントを得られるミッションなのだが、
【謎の端末】は各エリアに1つずつ隠匿されているため " 当然ミッション数は10 " である。

また、仲間にしたヒロインと親睦を深めるにもADV形式の会話イベントだけで終わらず、戦闘がある。
そこでも指定ポイントを順に巡って脱出という形式のミッションが多く、飽きを誘発させる。

他にも、此方に向かって自爆特攻を仕掛けてくる敵無人機が 全編通して多量に配置されている ことも忘れてはならない。


このように本作は

指定されたポイントへ移動し任務を遂行(n回繰り返し) → 無駄に離れた位置に出る脱出ポイントで脱出

というミッションがあまりにも多い。
最早、移動こそがメインコンテンツ。



このようなゲーム内容を揶揄し、一部で " バルドスタンプラリー " と呼ばれているのも無理からぬことだろう。



本作【BALDR BRINGER】で一番の癌は何かと問われたなら、
筆者は間違いなく スタンプラリーを延々やらされるが如き作業の水増し だと答える。
過去作から大きく様変わりしたアクションだとか、ソシャゲみたいな絵柄バラバラのヒロインだとかそんなもの比較にならない。


エロゲーにヒロインが10人もいる?喜ばしいことじゃないか。
様々なキャラクターデザイン、声、エッチシーンが楽しめる。
個別のシナリオが薄くなりがちだとか問題はあるが、基本的にはいいことづくめだ。

しかし本作に限ってはスタンプラリーのせいで 「なんで10人もいるんだよ…」 と呪詛を吐き出したくなる。

したがって、
「隔壁ロック解除ミッション(×10)の途中でギブアップしたわ、ク○ゲー!10点!」
という感想があったとしても筆者は疑問を持たない。それほどに面倒なのだ。


なんとか苦行を乗り越え隔壁のロックを解除し、その先に向かう前に10人のヒロインから一人パートナーを選ぶ。
有り体に言えば誰のエンディングを見たいか選ぶ。

ここで選択できるのはスタンプラリー型親睦ミッションを4~5回繰り返し、エッチシーンに至ったヒロインだけだ。
その後、待ち受ける【ダスク】を倒せば選んだヒロインとのエンディングを無事迎えられる。

内容を要約すれば、選んだヒロインがもと生きていた世界、その時代と " よく似た別の並行世界 " へ
ヒロインと【不二】の二人を転移させ、幸せになりました。というもの。

ただでさえ選べるヒロイン候補は10人もいるのだから、その描写濃度は容易に予想できるだろう。
薄味なのだ。各エピローグは5分もあれば読めてしまう。
ヒロインによって過去作をプレイ済みならニヤッとできたり、感慨深く感じる描写はある。
それを加味してもぶっちゃけカタルシスは全っ然足りてない。

スタンプラリーじみた苦行とその先で得られるカタルシスとの釣り合いが全く取れていないことに不満があるのだ。



…まあまあ落ち着いてくださいよ。

筆者が見たのは10人いるヒロインのノーマルエンド、そのうちの一つ。
メインヒロインである【エリス】つまりTRUEルートのエンディングではないわけです。
ここからTRUEルートのシナリオを、そのエンディングを見届ければ思いもよらない大逆転が待っているやもしれないでしょう?


さておき、以下がTRUEエンドの条件だ。

1.各エリアに配置されている【ライブラリ】を全て回収し、メニューで閲覧できるようになる【情報】を全て見る
2.各エリアに隠されているギミックを解除すると現れる【謎の端末】を全て回収し、追加されるボス撃破型ミッション【何者かの記憶】を10個全てクリアする
3.全ヒロインとの親睦イベントを最後まで進める(個別のエンディングまで見る必要はない)

…どういう感想を抱いただろうか。あえて聞くまい。


筆者が特に苦労したのは【ライブラリ】の回収であった。

【ライブラリ】のオブジェクトはミニマップに表示されないので文字通り虱潰しにマップを探し回るしか発見の方法がない。(配置は固定であるが)
おまけに " どのエリアの【ライブラリ】が回収済みであるか後から確認できない " ため、道中で適当に回収していた場合泣きを見ることになる。
筆者のようにクリア済みのマップを延々と探し回り、最後まで残っていたのは序盤のエリアの【ライブラリ】だったなど笑うに笑えない。


全ヒロインとの親睦イベントは【ライブラリ】のように探し迷うことはないのだが、ヒロインとの親睦ミッションを解放するための条件も別途に設定されている。
各ヒロインが担当する武装を装備し、使用して敵を倒すことで上がる武装Lvによる入場制限があるのだ。

そして追い打ちとばかりに、ヒロイン1人に対しておなじみのスタンプラリーが4~5ミッション用意されている。
TRUEエンドのためとはいえ、格別気に入ったヒロイン以外のシナリオを読むためにこの作業量は実際ツライ。

ヒロインとのエッチシーンも導入部が10人とも同じでシチュエーションこそ違えど新鮮味がない。
経緯を省略して乱暴に言えば、「中出しセックスしないと君がこの仮想世界から消滅させられちゃう!さあやろう!」
これが10人分繰り返される。

遠い日の宿題のように一日一ヒロインノルマでのんびりやるのがぶん投げ防止にはいいのかも、などと考えてしまった。



これらの試練を乗り越え、TRUEエンドを!BALDRシリーズの終焉を!
ぜひ君自身の目で見届けてくれ!



…とまあ、ここまで散々に言ってきたものの、【エリス】ルートすなわちTRUEエンドは事前の想像よりも良い出来でした。

【ダスク】や【ジャハナム】、【エリス】という主要人物らの過去が明かされ、仮想世界【VERTEX】の成り立ちが判明する。
過去のBALDRシリーズの世界を可能な限り集約しようと試みた内容、そのネタばらしには感心もした。
それに【トコヨグサ】がシリーズ恒例の【橘】の別称というのも洒落が効いている。

演出やシーンという側面では、ひーこら言いながらマップを巡って集めた【ライブラリ】の内容を閲覧し直す流れや
【BALDR J】の影響で " 暗い喜び(シャーデンフロイデ) " に囚われた【エリス】の泣き笑いの演技とCGが秀逸であった。

過去のBALDRシリーズの原画家として強い牽引力を持っていた菊池政治氏だが、
絵柄の変遷もあり個人的に氏への信頼度は下落気味であった。
しかし【エリス】の泣き笑いのCGを見たときにはもう「流石!」という感想しか出てこなかった。

主題歌をバックに戦うラスボスもシリーズのお約束であり条件反射的に燃える。
ただ、過去作のように強化した武装とお気に入りのコンボで叩き潰すカタルシスは最後まで得られなかった。

敵の攻撃を避け、(武装にもよるが)接近して撃つ、このルーティーンはゲーム開始からラスボスまで変わることはない。


真のラスボスを倒して迎えたエピローグでようやく【エリス】との初夜を迎えることができる。
TRUEエンドの条件上、【エリス】以外の10人とは日常的にズッコバッコヤリまくりなのだが…彼らが幸せならそれでいいか。
ただ、【エリス】とのエッチが その1回のみ であることには正直文句を言いたい。
体験版時点から「【エリス】ママかわいいよ【エリス】ママ」してたので殊更。



さて、バルドスタンプラr…
【BALDR BRINGER】 いかがだっただろうか。


筆者としてはTRUEで思いの外挽回され驚いたというのが率直な感想だ。
実際、本作のシナリオを書くにあたって制約も多かったと思う。
シリーズ最終章と銘打ち、過去作の世界の総ざらいもしないといけないわけで。
様々な制約とプレッシャーの中よくここまで話を練ってきたとライターの科氏には賛辞を贈りたい。


が、それでも挽回しきれないほどに筆者にとって スタンプラリー は強敵すぎた。


加えて、TRUEで一気にまくるといえど道中のシナリオに強い牽引力があったかというと否。

率直に言って
「ミッションは面倒でツライけどメインストーリーの展開が気になるから頑張るぜ!」とか、
「ヒロイン全員超可愛い!もっと親密になりたいからミッションクリア頑張ろう!」とか、
そういったモチベーションが励起されるほどではなかったのだ。

また、ミッション選択制のためストーリーのブツ切り感は避けようがなく、プレイヤーの没入度を損ねているのも問題だ。

BGMについては元より心配はなかったしクオリティも十分だった。

ハクスラ要素も悪くなかったし、むしろ楽しめた。これだけで数十時間遊べるという人もいるだろう。
ただ、頑張って武装レベルを上げ、全部位を高Lvアンノウン武装で揃えても現状【ボスラッシュ改】にしか出番はない。


あとは一言感想に書いたとおり。

シューティングゲームに様変わりしたアクションを受け入れ、道中のスタンプラリーを苦にも思わない強者や、
BALDRシリーズ最終作として本作の結末に満足したユーザーが高評価をつけるのも理解できる。

一方で、途中で投げてしまったり低評価をつけるユーザーにも共感できてしまう、そんな作品であったかなと。




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以下、BALDRシリーズ終幕に対して思うこと。


BALDRの内包する世界は今や現実とネット上の仮想現実だけに留まらない。

【Balder Sky】で有線だったネット仮想空間への接続は無線になり、さらには並行多世界(パラレルワールド)の存在と相互干渉がアリになった。
【BALDER HEART】で仮想世界上での死後の世界アカーシャ、現実にまで侵食してくるミームや亡霊(ゲシュペンスト)という概念まで登場。
人間同士の生殖も採取した精子と卵子を使ってAI管理された人工子宮(サロゲート)でやるのが当たり前。
現実の肉体でセックスして子作りなんて変態原始人がやること!野蛮!なんて時代、そんな世界。

SFの舞台としてもラブロマンスの舞台としても、もう末期状態かなと個人的には思うわけです。
「ある種退化じみた進化を繰り返した結果、行き着くとこまで行っちゃったな」みたいな。

本作でシリーズ最終章だと発表された時も「残念だけどそうなるよね」というのが率直な感想。


十数年という長期に渡って楽しませてもらったシリーズの最終章として、
本作はやや不満の残る出来であったものの、「よくぞまとめた、よく出してくれた」という気持ちも確かにある。

惜しみつつここで感謝と別れを告げたい。








そして、2017年10月30日のことである…



 BALDR シリーズスピンオフ

 PC/スマートフォン向けソーシャルゲーム 【BALDR ACE】 発表!


  受け継がれる BALDRの魂 ――

    君が戦う限り まだ世界は終わらない!



まだ世界は終わらない!じゃねえアホかふざけんな。
実はドメイン取得とかで10月上旬には既に情報が漏れていて知ってたけれどそれでも…ねえ?

戯画サイドは設定のチェック業務のみ、開発は株式会社エディアが全て行うようですがさすがに発表の時期選べよって思いましたね。

【BALDR BRINGER】シナリオの科氏や原画の菊池政治氏にとってもかなり寝耳に水だったようで困惑しておられ、非常に気の毒。
メインシナリオライターに過去作ライターの卑影ムラサキ氏の名があるとはいえこの展開、個人的には期待していません。できません。




付けた評点の割に辛口な内容になってしまいました。
最後まで読んでくれたという奇特な方がいらっしゃいましたら感謝申し上げます。


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